笑う吸血鬼

笑う吸血鬼

さまざまな経緯により望まぬ形で吸血鬼になってしまった、現代に生きる吸血鬼たち。彼らの苦悩と葛藤を描いたサイコホラーサスペンス。「ヤングチャンピオン」1998年10号から1999年20号にかけて不定期に掲載された作品。

正式名称
笑う吸血鬼
ふりがな
わらうきゅうけつき
作者
ジャンル
スプラッター・猟奇
レーベル
ビームコミックス(KADOKAWA)
巻数
既刊2巻
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概要・あらすじ

男子中学生の毛利耿之介は、下校途中に占い師の老女に招かれ、まるで引き寄せられるかのように老女に付いて行くことになる。彼女に招かれた個室で語られたのは、その醜い容姿から駱駝女と罵られ、蔑まれてきた老女の凄惨な半生だった。そしてすべてを語り終えた駱駝女は、耿之介の体を自らと同じ吸血鬼に変えてしまうのだった。

登場人物・キャラクター

毛利 耿之助 (もうり こうのすけ)

立屋久中学校に通う少年。目鼻立ちの整った美形で、学校では女子からの人気も高い。下校途中に占い師に扮した駱駝女に声をかけられ、興味本位で入った占いの館で無理矢理に吸血鬼にされてしまう。それからは日光を浴びると肌が火傷のように爛れてしまう体質になってしまったため、日中は肌の露出を避けるために頭部を覆う白い布、手には白い手袋をはめて登下校をしている。 吸血鬼になってからは少食になり、肌も不健康な青白い肌に変化してしまい、夜になると喉の渇きを潤すために外を徘徊しては、血を求めるようになった。

宮脇 留奈 (みやわき るな)

立屋久中学校に通う少女。長い黒髪を三つ編みにして後頭部で1つに束ねている、品行方正で真面目な美少女。幼少の頃に変質者の男性に性的な悪戯をされた過去があり、それ以来、男性の裸を見ると過去の経験を思い出してしまうようになった。下校途中にカンに襲われ、暴行を受けた影響で精神に異常をきたし、頭部を覆った白い布をかぶって登校し、同級生に暴言を吐いて暴力を振るったり、首元にペンで吸血鬼に咬まれた痕を描いて母親を驚かせたり、太ももを針で刺して蝙蝠の刺青を彫ったりといった奇怪な行動をするようになる。

辺見 外男 (へんみ そとお)

立屋久中学校に通う少年。黒髪の短髪で、外出時はキャップをかぶり、上下揃いの太いラインの入ったフード付きのジャージを着用している。深夜に1人で外を徘徊しているところを同級生の近藤哲也と永田悟に見られて以来、夢遊病者とからかわれている。実は放火魔で、夜な夜な街を徘徊して火事を起こしているが、家族も学校の同級生もその事実には未だ気づいていない。 ある日の深夜に公園のトイレに立ち寄った際、首を咬まれたような傷跡から大量に血を流した女性の死体を発見する。

駱駝女 (らくだおんな)

吸血鬼の老女。長い黒髪で、前髪が後退しているため額が広く、痩せて骨ばった体格をしている。その醜い容姿ゆえに周囲からは「駱駝女」と呼ばれている。以前は普通の人間だったが、災害によって住んでいた街が瓦礫と化したなか、1人生きていくために死体から食料や衣服、日用品を盗んで生活をしていた。そんな彼女の行いを快く思わない人々に捕まり、暴行を受けた後に木に吊るされて殺害されてしまう。 その後、彼女を吊るしていたロープが千切れたことで土中に埋まったが死体は腐らず、吸血鬼として蘇った。吸血鬼の仲間を増やすため、占い師に扮して毛利耿之介に声をかける。

中山 和美 (なかやま かずみ)

立屋久中学校に通う少女。長い黒髪を左右に分けてツインテールにしている。学校では明るく社交的で友人も多い。放課後に老人男性の家を訪問して、風呂に入れた後に性的なサービスをして報酬をもらう「ボランティア」と称する売春のような行為を行っており、クラスメイトの宮脇留奈にも一緒にやらないかと声をかける。

近藤 哲也 (こんどうてつや)

立屋久中学校に通う少年。短髪の黒髪で、前髪を上げて額を出している。素行が悪く、クラスメイトの永田悟とつるんでホームレスの音松を襲ってリンチをしたり、クラスメイトの女子とともに無人となった廃墟で覚せい剤や大麻を使用しては乱交を繰り返している。悟とともに、人目を避けるように深夜徘徊をしていた辺見外男を目撃する。

永田 悟 (ながた さとる)

立屋久中学校に通う少年。襟足が長い黒髪。素行が悪く、クラスメイトの近藤哲也とつるんでホームレスの音松を襲ってリンチをしたり、クラスメイトの女子とともに無人となった廃墟で覚せい剤や大麻を使用しては乱交を繰り返している。哲也とともに、人目を避けるように深夜徘徊をしていた辺見外男を目撃する。

カン

パチンコ屋の看板を掲げて客寄せをしている、大柄で恰幅のいい中年男性。顎鬚を生やし、顔面にペイントを施してピエロのような格好をしている。街中で客寄せをしている最中に下校途中の宮脇留奈に目を付け、のちに彼女をストーキングするようになる。

音松 (おとまつ)

ホームレスの中年男性。肌が浅黒く、前髪は頭頂部まで後退しており、もみあげから顎まで無精鬚を生やしている。着古したズボンとシャツを着ていて、身なりが汚い。普段は公園で生活をしており、ワンカップ酒を手に常時酔っ払っている。中学生の近藤哲也と永田悟に頻繁に絡まれては暴行を受けている。

辺見外男の母親 (へんみそとおのははおや)

辺見外男の母親。長い黒髪の毛先にきつめのパーマをかけていて、Vネックの長袖シャツにスカートを着用し、耳にはピアスをしている。夫は出張で週末まで帰って来ないことが多い。ジョギングに行くと言って深夜に外出する外男のことを心配している。外男の学生服のポケットからライターが出てきたことで、最近近所で起こっている放火事件に外男が関係しているのではないかと疑いを抱き始める。

書誌情報

笑う吸血鬼 2巻 KADOKAWA〈ビームコミックス〉

第1巻

(2016-09-26発行、 978-4047263710)

第2巻

(2016-09-26発行、 978-4047263802)

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