概要・あらすじ
藤枝真海は他の人よりも少し頼りない男子高校生。幼なじみの二ノ宮祥悟はそんな彼をいつもフォローし続けてきた。そんなある日、祥悟は真海の母親から、真海が強大な「癒しの力」を持っていることを聞かされる。それは、使い方によっては人の命をも左右できる恐ろしい力を発揮するもので、長きにわたり母親によってコントロールされていた。
その事実を知った真海は、その刃を母親に向ける。
登場人物・キャラクター
二ノ宮 祥悟 (にのみや しょうご)
食べ盛りの男子高校生。小学生の時、クラスメイトになかなか馴染めなかった藤枝真海に声をかけてから、ずっと世話を焼き続けており、高校生になった現在でも頼りない真海の心配ばかりしている。真海とおばさんの様子に違和感を感じ、「癒しの力」の存在を知る。
藤枝 真海 (ふじえだ まさみ)
3歳の頃に父親を亡くし、母親と2人暮らしをしている少年。二ノ宮祥悟とは小学生の時からの付き合いで、真海にとっては誰よりもかけがえのない存在。高校生ではあるが、いつもぼーっとしていて頼りない。強大な「癒しの力」を持っている。
香里 (かおり)
二ノ宮祥悟と藤枝真海のクラスメイト。何かと3人で行動を共にしている。お弁当を持ってきていなかった祥悟に、お弁当を作ってあげたり、捨てられていた子犬を引き取ったりと友達思いの優しい少女。
おばさん
藤枝真海の母親。強大過ぎる真海の「癒しの力」が凶器となってしまった日から、自分の力を最大限利用し、ずっと真海の力が暴走しないように彼をコントロールし続けている。しかし真海の力が膨らみつつあり、次第に限界が近づいている。
加納先生 (かのうせんせい)
二ノ宮祥悟や藤枝真海の体育を担当している男性教師。生徒たちからは「体力根性主義」との呼び声が高く、ぼーっとしていて頼りない真海を目の敵にして、たびたび呼びつけてはイライラをぶつける対象としている。
不良 (ふりょう)
一人でいた藤枝真海を標的にし、カツアゲをした2人の男子高校生。その場は二ノ宮祥悟によって撃退されたが、後日その恨みを晴らすため、仲間を連れて仕返しにやって来る。
その他キーワード
癒しの一族 (いやしのいちぞく)
「癒しの力」を持つ一族。体の悪い部分を切り取るように、人を苦しめている記憶を取り除くことで、生きていくために耐えられないほどの悲しみや苦しみを忘れる手助けをしてきた。長い年月をかけて「癒しの力」を持つ一族の血は薄れてしまったが、それでも稀に強い力を持った者が生まれてくる。
癒しの力 (いやしのちから)
癒しの一族に受け継がれてきた力の名称。他人の記憶を封印したり、記憶を書き換えたりできる能力のこと。力の大きさには個人差があるが、強大な力を持つ者は、人を思い通りに操ったり、脳を破壊して死に至らしめたりすることができるという。