鷹央の葛藤と成長
鷹央はアスペルガー症候群を抱えており、共感性の欠如や比喩の理解が難しいこと、場の雰囲気を読めないこと、さらには騒がしい環境を極端に嫌うといった特性がある。これらの特性が原因で人間関係においてトラブルが絶えず、優が赴任するまでは新任医師が次々と辞めていく状況が続いていた。鷹央自身もそのことに強いコンプレックスを抱き、周囲に対して引け目を感じていた。そのため、優から鷹央の言動を理由に病院を辞めると告げられた際には、大きなショックを受ける。
宇宙人の影とカルト教団にまつわる謎
ようやく打ち解け始めた鷹央と優のもとに、不可解な難事件が次々と発生する。まず、「宇宙人に脳に何かを埋め込まれた」と訴える男性患者が自ら命を絶ち、さらに「宇宙人からの命令」を口にした男性が、二人の同僚医師を殺害するという衝撃的な事件が起こる。容疑は、人類が宇宙人によって創造されたとする教義を掲げるカルト教団「大宙神光教」に向けられる。事件の背後に教団の存在を確信した鷹央は、優と共に捜査を開始する。
登場人物・キャラクター
天久 鷹央 (あめく たかお)
天医会総合病院の副院長と統括診断部の部長を務める女性医師。27歳ながら、まるで少女のような幼い容姿をしている。病院の屋上には、住居兼副院長室を兼ねた部屋を構えている。極度の偏食家で、カレーと甘いもの以外は口にしない。また、対人コミュニケーション能力に欠け、比喩表現を理解することも難しいため、アスペルガー症候群の特徴が顕著に見られ、周囲とのトラブルが多い。しかし、超人的な記憶力と豊富な知識により、診断においては他に類を見ないスペシャリストとして高く評価されている。
小鳥遊 優 (たかなし ゆう)
外科医から内科医に転身し、天医会総合病院の統括診断部に赴任してきた男性医師。空手の鍛錬によって鍛え上げられた体格を持ち、手には空手だこがある。以前は外科医として活躍していたが、ある出来事をきっかけに内科医に転向した。赴任当初は、鷹央の破天荒な言動に戸惑うことも多かったが、彼女の卓越した能力を認め、学ぼうとする姿勢で仕事に取り組んでいる。その後、鷹央がアスペルガー症候群であることを知り、症例に関する知識を深めることで、彼女の言動を理解するようになる。鷹央からは「小鳥先生」と呼ばれている。
クレジット
- 原作
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知念 実希人
- キャラクター原案
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いとう のいぢ
書誌情報
天久鷹央の推理カルテ スフィアの死天使 2巻 講談社〈アフタヌーンKC〉
第1巻
(2025-01-22発行、978-4065379523)
第2巻
(2025-08-06発行、978-4065403747)







