概要・あらすじ
悪党退治で伝説の超法規的警察組織ワイルド7が再び復活。飛葉は港町署の刑事という表の顔を持ちながら、隊長である草波検事総長から一度指令が下れば裏の世界で凶悪犯罪者たちから恐れられる特務機関ワイルド7のリーダーとして、法で裁く事の出来ない巨大な組織を相手に問答無用で暴れ回る。前作『新ワイルド7』からのメンバークロス、エンゼル、水戸っぽ、画竜天睛らに加え、新たに恩人野島船長を冤罪から救うために声を掛けた助っ人犯罪者達や、使いに出されたラスベガスで遭遇した人質事件の犯行グループを倒すために召集した現地のスゴ腕達を従えながら、敵の意表を突く数々の作戦とバイクや銃火器を駆使した荒々しい戦法で、通常の警察や軍隊では手が出せない難事件を解決していく。
登場人物・キャラクター
飛葉 大陸 (ひば だいろく)
超法規的警察組織ワイルド7のリーダー。幾多の絶体絶命のピンチを、抜群の頭脳と超人的な身体能力で克服してきた。特にバイクと銃は、体の一部と例えられるほど一流の腕前。普段は横浜の港町署に刑事として勤務している。昔、命を救ってもらった恩人の野島船長の冤罪を晴らし、行方不明となった娘の絵衣子を要塞のような五兵衛邸から救出するために、友人を頼ってチームを結成した。 また、草波の指示で借金の取り立てに行ったラスベガスでテロ集団による人質事件に遭遇し、ホテル支配人組合の組合長に事件解決を依頼されたため、地元のスゴ腕達による少数先鋭の特別部隊を指揮した。記憶を無くし、かつて仲間だった馬力本願、阿久達、ポパイそれぞれと再会した時も全く覚えていなかった。
水戸っぽ (みとっぽ)
前作『新ワイルド7』からの超法規的警察組織ワイルド7のメンバー。短気で粗暴な破滅型の性格で、かつては飛葉のリーダーとしての技量を疑っていたが、歴戦を経て飛葉がかつての恩人野島船長のために、要塞のように警戒厳重な五兵衛邸に乗り込む所には本当のダチとして駆け付け、理由も聞かずに捜査、仲間集めに同行し、突入部隊としても参加している。 口下手で手が早いが、ずる賢く悪戯心もあり、取り調べで容疑者に拷問する振りをして自分で悲鳴を上げ、横柄な態度の署長の肝を冷やしてからかった。参謀の画竜に馬鹿扱いされて頭に血が上る。
一乗寺 聖子 (いちじょうじ せいこ)
前作『新ワイルド7』からの超法規的警察組織ワイルド7の女性メンバー。京都出身。日本人の母と仏系アフリカンで軍人の父との間に生まれる。拳銃の腕前は二流だが、暗記力と三味線が得意。米軍基地には顔パスで、海軍特殊部隊の友人から潜入時に必要な循環式潜水装置の装備一式を調達してくる。 緊急事態で当てにしていたヘリが用意できず、飛葉とともに高所からラムエアー型のパラシュートを操り、潜入目標となる五兵衛の屋敷屋上に降下した。
画竜 点睛 (がりゅう てんせい)
前作『新ワイルド7』からの超法規的警察組織ワイルド7のメンバー。チームの兄貴格で作戦参謀を担う。志願により入隊。元フランス外人部隊所属。特に海上戦略に関しては抜群の才能があり、敵の意表を突く作戦に絶対的な自信があるため他の者達に一切口出しはさせず、リーダーの飛葉でさえ黙って従わせている。 熱くなるメンバー達の中で、一人冷静な知略家。作戦後に飛葉クロスと一緒に横浜の中華街で会食をしていた時の何気ない会話から、敵の真の目的についての重要なヒントを思いつく。
クロス
前作『新ワイルド7』からの登場で、超法規的警察組織ワイルド7の中で最も古い生き残りメンバー。本名、年齢、出身地の全てが不詳になっている。どこからともなく現れ任務をやり遂げる非情な男で、切り札と称される。御前の一族が支配する汁古市で、法を無視した強行手段で女暗殺者を逮捕した飛葉が、地元警察に追いつめられた絶体絶命の場面にエンゼル、画竜とともに登場してピンチから救った。 作戦後には飛葉、画竜とともに横浜中華街で会食をしている。
鬼木 一八 (きき いっぱち)
前作『新ワイルド7』からの超法規的警察組織ワイルド7のメンバー。元金庫破り。戦闘には参加しなかったが、飛葉の恩人の野島船長が事故で入院した際、病院に付き添い、自分も暗殺者に狙われていたため病室に顔を出せず見舞いに行けない飛葉の苦しい想いと、命を救ってもらった経緯を聞いていた。 虫歯の痛みに悩み大好きなチョコレートさえ断っていた上に、治療費の高さを嘆いていた。
署長 (しょちょう)
前作『新ワイルド7』からの超法規的警察組織ワイルド7の班長。一時は自分の身勝手な行動がもとで港横浜署の署長をクビになり、草波に班長としてワイルド7に迎え入れられた事もあったが、現在は飛葉も勤務する港町浜署の署長に返り咲いている。普段は自己中心的で職務に怠慢だが、事件現場の遺体の写真に写っていた入れ墨から、背後に危険思想を世間に訴える組織地球を救う会の存在を見つけ出す。
草波 勝 (くさなみ まさる)
検事総長。超法規的警察組織ワイルド7の発案者であり隊長。一度壊滅したワイルド7を、リーダーの飛葉以外新たなメンバーで復活させた。隊員達に指令を下す他にも、汁古市に女暗殺者を捕らえに向かった後輩の青山課長や、ラスベガスのホテルの支配人に借金の取り立てに行った西川には、役に立つ用心棒代わりとして飛葉を同行させている。
看守長 (かんしゅちょう)
関内刑務所の現役看守長。飛葉同様に野島船長には恩義があり、無理を聞いて囚人の鬼棒を一時釈放する。人の良さから人手の足りない飛葉のために、受刑者監視の責任者という立場で自らも作戦に参加する。警戒厳重な五兵衛邸への侵入に、暴走した馬の腹に張り付いて突入する西部劇のアイデアを提案する。
鬼棒 (おにぼう)
関内刑務所に服役している囚人で刑期は終身刑。囚人番号は20002。飛葉の友人で、大学の古武道棒術同好会で鍛えた腕前を買われて20時間の期限付きで一時釈放され作戦に同行する。刑務所内ではボイラー修理の合間にパイプを使って棒術のトレーニングを行い、実戦では巧みに銃剣を使って敵を翻弄した。 爆薬の専門家でもある。
馬力本願 (ばりきほんがん)
寺の一人息子で元プロレスラー。不良達が集まる怪しい会員制クラブの会長で、会員達を厳しい会則と暴力で従えている。飛葉とは昔一緒に悪い遊びをしていた仲間だったが、そのときの事は記憶喪失の飛葉に忘れられていた。スカウトに来たチェーンの哲を、会則違反を理由に仲間がリンチで再起不能にしてしまったため、代わりに作戦に加わる。
青山 (あおやま)
アメリカ特使の警護を担当した警備指揮官。将来警視庁の幹部となるコースを歩み、部下たちからは万一のミスで経歴に汚点が付かないようにと手厚く若殿の初陣のような扱いを受けるが、訪日早々女殺し屋に対象を殺害されるという失態を犯してしまう。苦労なく育ってきて独り立ちできない事を大学の先輩である草波から指摘され、責任を取るために犯人が逃げ込んだ汁古市に、飛葉を連れて向う。 代々、警視庁幹部の厳格な家庭で育った事が自慢で、自らのキャリアを優先し、部下や地方警察を小馬鹿にした態度を取る。不幸続きで飛葉を疫病神扱いして巻き込まれる事を拒んでいたが、元来は正義感が強く頭も切れるため、自分なりに敵の暗殺計画を推理してみせた。 臨時雇いの員数合わせとしてワイルド7とともに出撃した際は、ネーム部分がHeLPと書かれたユニフォームを着ていた。
ポパイ
以前のワイルド7メンバーと面識があったが、記憶喪失の飛葉は覚えていなかった。ラスベガス近郊の砂漠地帯にあるヘリポートで、口うるさい女房とキャンピングカーで暮らしながら修理屋をしている。テロリスト退治のために、地元で暮らし家族持ちでないスゴ腕の助っ人達を集め、自らも作戦に参加した。 格闘が得意で、活劇映画のアクションへの憧れからナイフで帆を引き裂きながら下へと降りた。
サポリターノ
ラスベガスの高級ホテルD・SEA支配人の私設ガードマン。組合長の命令で、強制的にテロリスト退治の特別チームに参加させられる。血の気が多く飛葉とは終始反りが合わずナポリターンとからかわれ、突入作戦も特に危険度の高い配置を任される事になる。作戦が終わったら飛葉とケリをつける約束をする。
蛇使い (へびつかい)
ラスベガスのホテルD・SEAで人質事件を犯したテロリスト集団撲滅のために飛葉に依頼され、ポパイが集めた腕利きのメンバー。ジェロニモの血を引く家柄で、職業は毒蛇獲り。常時10匹は持ち売り歩くベテラン。小柄な体格を活かし通気口に侵入し、暗闇で戸惑う敵の元に毒蛇を放して攻撃した。
射撃の名手 (しゃげきのめいしゅ)
ラスベガスのホテルD・SEAで人質事件を犯したテロリスト集団撲滅のために飛葉に依頼され、ポパイが集めた腕利きのメンバー。クロケット帽を被り、自称デビイ・クロケットの血筋だが、ポパイ曰く当てにはならないらしい。銃の腕前はデビイ・クロケット以上に確かだと太鼓判を押されている。 作戦では外部から敵を侵入させないための援護役として500m離れた海賊船の見張り台から単発式のライフルで手榴弾のピンを狙撃している。
機械屋 (きかいや)
ラスベガスのホテルD・SEAで人質事件を犯したテロリスト集団撲滅のために飛葉に依頼され、ポパイが集めた腕利きのメンバー。巨大マシンを動かす機械屋の黒人。D・SEAの遊園地部門で工事中のところを抜け出して作戦に参加する。飛葉のバイクをジャンプさせるために、調整中の巨大アトラクションの操作を行った。
イカサマ師 (いかさまし)
ラスベガスのホテルD・SEAのカジノで、八百長のポーカーを組合長に見破られ、始末されかけていた所を飛葉に見逃してもらう代わりにメンバー入りさせられる。手先が器用。足を引っ張りかねないオドオドしたキャラクターを買われ、敵にやたら怯えた態度を警戒させる囮の役目をさせられた。
野島 (のじま)
かつて飛葉が暴力団相手に揉めた時に救ってくれた恩人。一緒にアフリカまで航海した。貨物船の事故で大怪我をした上に、保険金詐欺と7人の命を犠牲にした殺人罪の容疑が掛かり、警察に取り調べを受ける事になる。中学の頃から半年もの航海に連れて行き船員たちのアイドルだった姉の絵衣子と、口が達者で勉強もよくできた母親っ子の妹美伊子という双子の娘がいる。 絵衣子は事故の時に行方不明となり、美伊子は世話になりながら見舞いにも来ない飛葉に嫌味を言い続ける。
皿市 五兵衛 (さらいち ごへえ)
不動産王。廃棄物処理に絡む違法商売で巨万の富を築き、ここ10年の間に闇の世界で名を挙げた男。横浜に新しくできたショッピングセンターハマ21の12階屋上部分にゴルフ場を備えた巨大な邸宅を構える。屋敷には要塞のように厳重な警備網が敷かれ、レーダーや振動センサーといった監視装置や、貫通を目的とした徹甲弾と弾体に火薬が入ったミニ砲弾を発射する攻撃的地雷を装備しているため、自衛隊員100人が不意打ちを掛けても突破できないと言われている。 さらに屋敷の中には47人の腕利きの元軍人を配備している。
亀谷 千十郎 (かめたに せんじゅうろう)
幕末の父の代から億万長者で、その遺産をさらに増やす事で思うがままの権力を手に入れてきた105歳の老人。人材育成に長け、大正から昭和初期には金に物を言わせて目を掛けた若者を育て上げ商社、銀行、政界へと送り込み、自由に陰で操る事で亀谷大帝国を作り上げた。地元、日本海側の人口の少ない汁古市を、日本一税金が安く治安も良いモデル都市として造り上げるが、一族郎党300人が貴族のような特権階級で暮らす街の正体は、全てが御前によって支配されている。 御前の命令でコロンビアのテロリストに爆薬の扱いを教わりに行っていた玄孫が、頑丈な装甲車を乗り回しては女狩りと称して街ゆく女性たちを誘拐監禁し続けるが、警察も口出しができず住民達は耐え続けている。
組合長 (くみあいちょう)
ラスベガスのホテル支配人組合の理事長。ホテルD・SEAで発生した人質事件対策の実権を握る。元は流れ者の札配り(ディーラー)として一流の腕を持ち、培ってきた勘の鋭さで、たまたま借金を取り立てに来ていた飛葉を只者ではないと見抜き、テロリスト退治を依頼する。作戦のために50人の志願者を集めるが、飛葉は少数先鋭での行動を希望しポパイを通じて7人のメンバーを選び、代わりに装備として強力なパワー銃と、チームの連帯感を高めるためのユニフォームを要求される。
デルタフォース指揮官 (でるたふぉーすしきかん)
ラスベガスのホテルD・SEAで発生した人質事件で、CIA、シールズとともに呼び出される。軍事専門家として当初は部外者の飛葉を素人扱いしていたが、意見する内容や敵の状況を探る行動の的確さから徐々に一目置くようになり、大量の兵器を使い大胆な作戦を実行する自分達ではできない事件の解決を託して、作戦では情報提供や敵の通信を不能にするといったバックアップに回る。