耽溺のススメ

耽溺のススメ

作者・如月ひいろが『痴情の接吻』の次に連載した作品。現代の日本が舞台。生まれつき体が弱く、孤独な日々を送る少女・早乙女雛は、4歳のある日、花桃の樹の下で14歳の美少年・榊悠生と出会う。10歳の年の差を乗り越え、惹かれ合う二人を描いた禁断のラブストーリー。小学館「プチコミック」2022年6月号から2024年1月号まで連載。なお、番外編が、同誌2022年10月号別冊ふろく、2023年2月号、2023年3月号、2024年2月号に掲載された。

正式名称
耽溺のススメ
ふりがな
たんできのすすめ
作者
ジャンル
恋愛
レーベル
フラワーコミックス(小学館)
巻数
既刊4巻
関連商品
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デリケートで触れがたい禁断の果実

早乙女雛と榊悠生が初めて出会ったのは、雛が4歳、悠生が14歳の時。花桃の樹の下で、雛は悠生を「王子様」だと思い、悠生は雛を「桃の花の妖精」と見間違えた。その後親密になるにつれ、雛は「女」としての魅力を増していく。一方悠生は、うかつに雛に触れてはいけないと思いながら、彼女を思う気持ちに抗えなくなっていく。10歳の年齢差、身分違い、教師と生徒という、さまざまな障害を持つ二人の禁断愛を描く。雛のかわいらしさと妖しさは、しばしば桃に例えられ、甘い蜜と毒を併せ持つデリケートで触れがたい禁断の果実として作品に登場する。

憂いを帯びた良家の御曹司×薄幸の美少女

生まれつき病弱な雛は、学校を休みがちでみんなと遊ぶこともできず、孤独に苦しんでいた。悠生は良家の御曹司だが、父が愛人に産ませた子。義母からは体罰を受け、父、姉とも折り合いが悪い悠生は、いびつな家族に虚しさを感じていた。そんな時、雛と悠生は出会った。仲よくなった二人は、8年後、雛の父が亡くなったことでいっそう親密になっていく。ある日、リビングで寝てしまった雛を部屋に運ぼうと、悠生が抱きかかえた時、二人はお互いに「異性」を感じた。雛とは離れるべきだが、近くで見守っていたい。相反した感情を抱えた悠生は、雛が進学する中学の教師になった。「桃の果実には触れない」と決意する悠生だったが、日に日に女らしくなる雛の誘惑に耐えきれず、二人は秘密の交際を始める。

周囲の思惑が二人の関係を飲み込んでいく

悠生は、雛の母親には雛との交際を明かす。そして、自分は家を継ぐつもりがないことを伝えた。利己的な父が支配する前時代的な家に入れば、雛が不幸になる。雛を守るために悠生は家と縁を切るつもりでいた。ところがある日、姉・理沙子に縁談が持ち上がり、両家の顔合わせの日、理沙子に続いて悠生も婚約候補を紹介される。両家はすでに結婚を前提とした交際を決めていた。理沙子が悠生と雛のことを、父に密告していたのだ。父は悠生に教師を辞めて身を固めることを命令する。一方学校では、クラスメートの友野が、悠生と雛のことを知り、周囲にバレないようにと自分との偽装恋愛を持ちかける。順調に見えた悠生と雛の関係だったが、やがて周囲の思惑に飲み込まれていく。

登場人物・キャラクター

早乙女 雛 (さおとめ ひな)

幼い頃から病弱で、一人で過ごすことが多かった少女。4歳の頃に出会った榊悠生を「おにいちゃん」と慕い、やがて恋心を抱くようになる。中学では「薄幸の美少女」と言われて人気となり、多くの学生に告白されるがすべて断る。子供っぽい一面を持つ一方、「女」としての色気に溢れ、同級生を誘惑してからかうこともある。

榊 悠生 (さかき ゆうせい)

良家の長男。父が愛人に産ませた子供。子供の頃は「立派な跡取りになるため」という口実で、義母から体罰を受け続けていた。また、3歳上の姉とも折り合いが悪い。いびつな家族、へつらう教師、同級生の羨望と嫉妬と同情、そのすべてに虚しさを感じ、屈折した感情を抱いていた。14歳の時に、無垢な早乙女雛と出会い、仲よくなる。やがて雛に「女」を感じるようになり、一線を引くことを決意。大学卒業後は教師となって彼女を見守るが、雛の魅力に抗えずに交際することになる。

書誌情報

耽溺のススメ 4巻 小学館〈フラワーコミックス〉

第1巻

(2022-10-07発行、 978-4098718030)

第2巻

(2023-02-09発行、 978-4098720217)

第3巻

(2023-08-10発行、 978-4098723126)

第4巻

(2024-03-08発行、 978-4098725212)

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