聖戦記エルナサーガ

聖戦記エルナサーガ

一般的に魔法が使用される世界においてただ一人、一切の魔法を使えず、また他人から魔法をかけられることもない少女エルナが、命の尊さを説きつつ戦争の終結を目指す姿を描いたファンタジー作品。やがてエルナは自身の出生の秘密を知り、世界を救済へと導く。堤抄子の代表作。

正式名称
聖戦記エルナサーガ
ふりがな
せいせんきえるなさーが
作者
ジャンル
ファンタジー
関連商品
Amazon 楽天

概要・あらすじ

伝説の魔獣フレースヴェルグから吹き出しているとされる魔風に脅かされる小さな「世界」。一般的に魔法が使用されるこの世界において、ただ1人、「闇の姫御子」エルナは一切の魔法が使えず、また魔法の影響も受けない。世界を魔風から守っている聖剣グランテインを唯一抜き去ることができる存在であるがゆえに、各国との戦争を有利に進める道具としての役割を命じられたエルナだったが、敵国の王子であるシャールヴィにさらわれたのを機に、エルナ自身の特性を平和のために利用する道を模索し始める。

登場人物・キャラクター

エルナ

アーサトゥアルの姫で、エイリークの従妹にあたる。魔法が使えて当然という世界においてただ一人、一切の魔法を使うことができないため、この世界では禍々しい存在「闇の姫御子」と言われ疎まれている少女。自身で魔法を行使することができないだけでなく、他人が使った回復魔法なども効かない。魔風を防いでいる聖剣グランテインを動かすことのできる唯一の人物で、戦争中のアンサズとはじめとする周辺諸国へ、服従を迫るための存在としてノルズ山に移住させられる予定だった。 敵兵であろうとも人の命を奪うことに疑問と戸惑いを覚える心優しい性格で、そのため何度も周囲から苦言を呈されている。シャールヴィがエルナの殺害を目的として侵入して来た際、ヴァーリが自分の生死を問題視していないことに絶望する。 だが、直後にシャールヴィによってさらわれ、2人でアンサズへ向かうことになり、その旅の中で戦争の終結を目指すようになる。

シャールヴィ

アンサズの第9王子。屈強な体を持つ青年で、アーサトゥアルとの戦争で最前線の指揮を執っていた将軍。エルナの暗殺を目的としていたが、エルナが死んでもその事実を伏せれば問題はないとするヴァーリの言動に反発し、エルナを連れてアンサズを目指す。旅を続けるうちにエルナに好意を抱き、エルナとともに戦争の終結を目指し始める。 のちに盗賊「獅子の牙」の頭領の証である首飾りを手に入れることとなる。

ヴァーリ

アーサトゥアルの大魔導士にして宰相。長い黒髪と暗色の衣装を身にまとった、得体が知れない人物。他国からのスパイなどを捕らえ、エイリークの目を盗んでは禁呪とされている魔精霊の実験を行うなどの悪事を行っている。北の魔境でゲイルが出会った時には、龍のような翼を生やした異形の姿をしていた。自分の思い通りにならない人間には冷酷に接し、エルナがシャールヴィとの道行きに協力していると知ってからはエルナの命を狙うようになる。 本名は「エルドグリーム」。

ゲイル

最初からヴァーリの野望を知ったうえで、支援している初老の男性。もともとは風読みの1人だったが、北の魔境に異形の姿で現れたヴァーリと出会ってからは、志を同じくして仕えていると自負している。またヴァーリを「全世界の王になる人物」として畏敬している。

エイリーク

当初は戴冠を間近に控えたアーサトゥアルの若き王子だったが、のちに戴冠し王となる。エルナの従兄。世界一の魔力の持ち主とされ、「光の王」と謳われている。昔は心優しい少年だったが、戦況が緊迫するうちに余裕を失い、エルナにも冷たく接することがあった。しかしシャールヴィにさらわれたエルナを心配し、使い魔であるカルルに様子を窺わせている。 ヴァーリが行う悪事を知って弾劾するも重臣たちに諫められ、国内に自分の味方といえる人間が1人もいないことに気づいて絶望する。しかし側仕えになったシグルーンに腑抜けたさまを叱責され、ヴァーリに決闘を挑む。この戦いで敗北して、魔精霊に感染させられてからはシグルーンを心の支えとし、惹かれていくようになる。

アトリ

エルナが城にいる頃からの小さな友人。まだ幼い少年で、魔法を習い始めたばかり。エルナが勇者であると信じており、エルナがシャールヴィにさらわれていったのを唯一目撃していた民間人。またヴァーリがエルナの殺害を計画していることを知り、この事実を周知させようとしたが、大人たちに信じてもらえず苦悩していた。

ラヴァルタ

グードランドの若い女性騎士。エルナの身代わりとなって命を落とした少女を慮って使い魔にしたが、それにより仲間の危機に魔法を使うことができず、1人だけ生き残った。使い魔となった少女がエルナの言葉で昇天したことをきっかけに、本当にエルナは殺すべき相手なのかと疑問を感じ、国の命令を裏切って一般人としての生活を送るようになった。 やがてエルナと再会した際には、彼女の心がより強くなったことを見届け、エルナの騎士として忠誠を誓う。

カルル

エイリークの使い魔。かつてエルナが見つけた小鳥の亡骸だったが、エイリークがエルナを慰めるために使い魔にしていた。当初はエルナを観察する任務を面倒がっていたが、エルナの純粋に人の命を尊ぶ姿勢に心打たれ、ヴァーリの力を恐れつつもエルナに協力するようになる。

ビッキ

アーサトゥアルの城で働いていた使用人の青年。故郷では魔風が強くなった影響で耕地が死に、農民である両親が職を失ってしまったため、土地と仕事を得るためにヴァーリの悪事を知りながらエルナの奪還と暗殺の任務に志願した。騎士として出兵する直前に魔精霊を感染させられ狂戦士となり、人間とは思えない容姿へと変貌していった。

アースムンド

アーサトゥアルに近い修道院を任されている、修道会領に暮らす初老の修道僧。杖術の達人で、かつてアーサトゥアルから逃亡していたヴェスタルより、幼いエルナを託されるはずだった。アースムンドが任されている教会に、アーサトゥアル兵に命を狙われて逃げ込んだエルナ、シャールヴィを匿う。その際ヴェスタルから聞いたエルナが生まれた経緯、エイナルの所業をエルナに伝え、シャールヴィには杖術による稽古をつけた。

エイナル

アーサトゥアルの先王でエイリークの実父であり、ヴェスタルの兄。ヴェスタルに魔力の強い王子が生まれ、さらにエイリークの方が年少であるということを妬み、ヴェスタルの妃に不義密通の疑いをかけて王子とともに追放し殺害した。また、聖剣グランテインを動かせる魔力のない子供であるエルナを産ませるため、ヴェスタルとハルカトラに愛情を感じさせる魔法を使用したりと、自らの力を維持するために卑劣な手段を用いて暗躍していた。

ヴェスタル

アーサトゥアルの先王であるエイナルの弟で、エルナの実父。実はエルナが生まれる前、魔力に優れた別の妻子を持っていた。しかし妃は使用人との不義密通をでっち上げられ、王子とともに北の魔境へ追放された後に殺害されている。その失意のうちにハルカトラと出会い、エルナを設けた。やがてハルカトラとの出会いや互いへの愛情までも魔法で仕組まれたものだと知ってエイナルに反発し、修道会領にエルナを預けようとしていた。

ハルカトラ

魔力の弱いドヴェルグ族の娘にしてヴェスタルの妃、エルナの実母。アーサトゥアルの王弟ヴェスタルの妃募集に応募し、魔精霊の1つである血を飲まされた際、唯一生き残ってヴェスタルの妃となった。ヴェスタルとは相思相愛だったが、のちにそれがエイナルの魔法によるものだったことを知る。心根が強い女性で、そんな境遇にありながらもエルナには「魔法が使えないからこそ、魔法に惑わされることがない」と教えていた。

法王 (ほうおう)

修道会領の最高指導者にして、各国に神の教えを伝えるために魔導士たちを派遣している老人。アースムンドに勧められたエルナとシャールヴィが、アーサトゥアルとアンサズ間の戦争調停を願い出るために面会した相手。しかし法王は二国間の戦争など眼中になく、フレースヴェルグ復活の預言をしており、自身の保身を第一に考えて大聖堂の奥にある封魔呪の施された扉をエルナに開けさせて閉じこもり、近辺の人間だけ助かろうと考えていた。

ラタトスク

大聖堂で法王の指示を受けた僧たちに追われていたエルナたちを助けた盗賊の青年。戦死者から奪った武器や防具、軍馬などを武器商人に流し、生計を立てている。当初はエルナたちの素性を知らなかったが、素性を知った後もアンサズの前線に移動できるよう協力する。

シグルーン

エイリークの側仕えを命じられた、ドヴェルグ族の勝ち気な少女。もともとは姉がエイリークの妃候補に立候補するのを止めようと、公募した少女たちの中に紛れていた。その際に配布された魔精霊である血入りの飲料を飲み、1人だけ生き残っている。姉の敵を討つためにエイリークの戴冠式用の品々を運ぶ荷車に紛れてアーサトゥアルに侵入し、エイリークの命を狙った。 放免された後もエイリークの命を狙って城で雇われることになったが、すぐさまゲイルに発見され、エイリークとの子作りを期待されて部屋付き女官とされた。最初はエイリークに殺意を持って接していたが、やがてその心の強さに惹かれるようになる。

ヴァルゲス

グードランドを統治している女王で、皺だらけの老婆。しかし思考は非常に冷静で、時代の流れや戦況を読むことに長けている。アンサズ壊滅後、エルナとシャールヴィがアーサトゥアルの進行を阻む同盟を求めた際にもその目的や能力の高さ、心の清らかさなどを見極めたうえで同盟を受け入れる。

ソーロッド

アーサトゥアルの王者だけが持つことを許される剣・統魔雷剣に宿る雷神の分御霊(わけみたま)にして雷精。髪をポニーテールに結った若い男性の姿でエルナの前に顕現した。アーサトゥアルの王位にあるかどうかは関係なく、ソーロッド自らが王と認めた者にかしずく。

フレースヴェルグ

かつて長大な翼で魔風を起こし、世界を滅亡の道に追い込んだとされる魔物。勇者によって北の魔境に葬られたといわれているが、その傷口から魔風を吹き出し続けていると伝えられている。古代の神々が世界や動植物を育むために産み出した「母なる者」だともいわれている。

集団・組織

風読み (ゔぃんれーさ)

魔風の吹き荒れる地域の案内人たちの総称。金銭で雇うことができる。羅針盤のようなからくりを使って魔風の流れを読み、北の魔境近くにも分け入って古代の遺物を収集し、売り歩いている。できる限り魔風に晒されないように、顔面や指先にまで念入りに布を巻き付けている。

場所

世界 (ぎむれー)

ノルズ山の山頂に突き立てられた聖剣グランテインによって、魔風が東西に分かれた結果生まれた広大な「守られた土地」。北の魔境をはじめ、魔風が吹き荒れる場所では人間は死亡するか魔物に変貌するとされているため住むことができない。世界の人間は一般的に魔法を使うことができ、法王を頂点とする宗教を中心に成り立っている。

アーサトゥアル

ノルズ山の麓にある国で、勇者の子孫が王家の祖となったと伝えられている。エルナが姫を務め、エイリークが後に戴冠して王となる。しかしその実権は宰相であるヴァーリが握っており、重臣の中にもエイリークの味方はいない。

アンサズ

アーサトゥアルと戦争状態にある敵国。シャールヴィが前線で戦っていた時はアーサトゥアルを圧倒していたが、ヴァーリが狂戦士を戦争に活用するようになってからは連敗を喫し、首都をはじめ国土全体が壊滅状態となった。

グードランド

アーサトゥアルの西に位置する、まつろわぬ国。ヴァルゲスが女王として統治しており、他の役職に関しても女性が要職に就いている。ラヴァルタたち女騎士がエルナの殺害に失敗したことを機に、アーサトゥアルの国境線に戦力を固めていた。

北の魔境

ノルズ山より北に位置する、魔獣フレースヴェルグの遺骸があるとされる場所。魔風が吹き荒れ、人間が足を踏み入れることのできない死の土地。唯一、「風読み」と呼ばれる人々だけが独特の技術で風の凪ぐ隙を縫い、古代の遺物などを拾って生計を立てている。魔境に取り残された人間はほとんどが死亡するが、稀に怪物化して生存することがある。

ノルズ山

アーサトゥアル領の最北にある山。山頂には魔風を防ぐ聖剣グランテインが突き立っているとの伝説があり、これまでは誰もその存在を確認していなかったが、物語冒頭でアーサトゥアルがその存在を確認したことを諸国に発表している。また、エルナが移住するはずだったアーサトゥアルの離宮がある。

ハルスホルト

大きく活気のある自由都市で、商店や宿屋なども多数ある。アーサトゥアル進軍の邪魔になっているため、ヴァーリはこの町を焼こうと計画していた。エルナたちを追って来たビッキが町を半壊させてから北と南に分かれて反目し合う姿が顕著になったが、もともとはこれも、ヴァーリが間者を使って分裂するように工作していたためである。

修道会領 (しゅうどうかいりょう)

修道僧たちが暮らす土地であり、ここに罪人の捜査などを目的に足を踏み入れるには法王からの許可が必要で、たとえ大国の使者であっても容易ではない。修道会領の中心には大聖堂が建っており、「神の土地」といわれている。

大聖堂 (だいせいどう)

修道会領の中央に建っている建物。もともとはフレースヴェルグの魔風から、すべての動物や人間を守った世界樹の巨大な切り株だった。世界樹はすべて枯れたと思われていたが、大聖堂の奥には封魔呪を施された扉があり、その部屋では世界樹が花芽を育んでいる。地下は川と繋がる巨大な湖となっている。

その他キーワード

聖剣グランテイン

ノルズ山の山頂に突き立てられている、強力な封魔呪がかかっているとされる伝説の聖剣。もともと伝説レベルで信じられてはいなかったが、アーサトゥアルがその存在を確認したと世間に公表した。本来この聖剣グランテインの近くにある離宮にエルナが移り住むことで、アーサトゥアルが世界を統治する予定だった。

聖短剣 (ぐらんくにーゔ)

聖剣グランテインとともに勇者が振るっていたという、封魔呪のかかった短剣。アーサトゥアルに伝わる聖剣だが、シャールヴィにさらわれる直前、エルナが譲り受けていた。これを構えていると、人間の体から封魔呪に反応する風のようなものを感じることができる。また、魔精霊に感染した人間を解呪することもできる。

魔剣炎魔剣 (まけんれーゔぁていん)

アンサズに封印されている、魔風を自在に呼び込むとされる伝説の魔剣。魔獣フレースヴェルグさえも制御するとされているが、その刀身を抜くと魔風が吹き出し、普通の人間はそれによって死亡してしまう。

封魔呪の盾

アンサズに封印されていた魔剣炎魔剣とともに封印されていた、強力な封魔呪が施された盾。魔風だけでなく強い魔法がかかったものを弾くため、ヴァーリが製造した狂戦士からの攻撃には非常に高い防御力を発揮する。

統魔雷剣 (とぅあらていん)

アーサトゥアルの王者だけが持つことを許される剣。すべての精霊の中でも最高位にある、雷神の分御霊(わけみたま)が宿っているとされる。エイリークが所持しており、エイリークの魔力が強大といわれているのはこの剣の力も含めてのものである。主人の危機を敏感に察知し、その際には柄を鳴らすと言われている。

(ぶるーど)

ドヴェルグ族の魔力の弱い特質を強く発現させるとされる魔精霊。アーサトゥアルの血と合わさることで、魔法がまったく使えない子供が生まれるよう調整されている。ただしその効能が発揮されるのは1万人に1人もいないとされており、体が適応したハルカトラ、シグルーン以外の人間は全員死亡している。

食魔草 (れーらず)

ヴァーリが実権を握るようになってからアーサトゥアルの城壁にはびこり始めた、トゲのある黒いツタ系植物。魔法を食らう特性があり、摘んで七日のうちに編んでマントにすれば、それを着用した者を蝕む魔法を吸収する。その代わりに着用者の体内にある魔法をも貪り、やがて死亡させる。

魔精霊 (ませいれい)

古代魔法の1つで、現実世界で言うところの細菌、ウイルスのこと。人間や動植物に感染させて狂戦士を作り出す禁呪。感染すると細胞の異常増殖や変異、容姿の変貌や知能の退行が起こるが、その効果は感染した魔精霊によって違いがあるためヴァーリは捕虜を使った人体実験を繰り返していた。

回生呪 (かいせいじゅ)

世界で一般的に使用されている、傷の治癒や疲労回復のための魔法。王族や高位の魔導士はあらかじめ頭部に自動的に回生呪を施すための刺青が彫っており、これによって首を切り落とさない限りほとんど不死身となる。またアーサトゥアルの王族はうなじ、アンサズの王族は額など、各王族にはそれぞれ決まった場所に、回生呪を施す刺青が彫られている。

封魔呪 (ふうまじゅ)

魔法を拒絶する力の総称で、古代魔法の1つとされている。あらゆる魔法を跳ね返したり、または解呪する力。作中ではエルナ以外の誰もが体内にも微量の魔法を宿しているが、この封魔呪は体内の魔法にも反応して体組織を破壊しようとするため、魔法を使える者は誰一人この封魔呪が施されたものに触れることができない。古代の封印の多くにこの封魔呪が施されているため、体内に一切の魔法を宿していないエルナだけがそれを解くことができる。

召喚魔法 (しょうかんまほう)

主に北の魔境の龍を召喚するための魔法。しかしなぜ龍が人間に協力するのかなどは解明されていないため、この魔法はただ龍を呼ぶ方法でしかなく、召喚後の命令を聞かせたりするものではない。召喚に応じる龍は使い手の愛馬や親しい人間の生まれ変わりだといわれている。

魔風 (まふう)

フレースヴェルグの遺骸にある傷から吹き出ているとされる恐ろしい風。この魔風が吹き込んだ土地は作物が育たない不毛の地となり、魔風を受けた人間もまた変貌し、魔力を食らうために人間をも食する怪物に変貌する。

ドヴェルグ族 (どゔぇるぐぞく)

世界で最も古い民族で、他民族よりも格段に魔法力が少ないことで知られている。エルナの母親もこの一族。他国ではほとんど失われた古代の知識や外科、薬草、金属加工の知識に優れており、神の子孫ではないかとも噂されている。

使い魔 (つかいま)

「冥王法」という瞬間移動で1日に千里を駆けることができ、術者に忠実で、術者が死なない限り不死身。ただし、使い魔とするためには術者が手を下したものではない新鮮な屍が必須で、またその死者自身が思い残した妄執を術者が引き受けるというリスクがある。

狂戦士 (べるせるく)

禁呪とされている魔精霊に感染させられた人間。強大な力を有しており、主人と定められた人間の命令しか聞かない。グードランドでは罪人が狂戦士に変貌させられていたが、狂戦士を作り出すこと、戦争に用いることは恥ずべきことだとされている。本来この感染を解くことは不可能だが、エルナが聖短剣を用いて普通の人間に戻したことがある。 ヴァーリが作り出した狂戦士は力は非常に強いが時間が進むにつれて自ら瓦解して朽ちる。ただし瓦解し始めると苦しみもがき、敵味方関係なく攻撃を加え始める。また、瓦解時に吹き出す膿に触れるとそれだけで人間は死亡する。

世界樹 (いぐどらしる)

修道会領にある大聖堂のもととなった巨大な木。かつて勇者とフレースヴェルグが戦った際、すべての動物や人間たちが世界樹の洞に身を寄せ、吹きすさぶ魔風から身を守っていたという伝説がある。現在は枯れた切り株を加工し、大聖堂として活用されている。

SHARE
EC
Amazon
logo