腹腹先生

腹腹先生

研究者として挫折した津雲あずさは、地味な化学教師としてどん詰まりの日々を送っていた。ある日、唯一の肉親である妹が失踪したことから、あずさは裏社会に足を踏み入れ、冷酷無比な極道の鎧塚京介と出会う。「化学」を武器に戦う田舎教師と、復讐(ふくしゅう)のために裏社会を生きる極道。異質な二人が手を組んで戦う姿を描いたハードボイルドアクション。集英社「少年ジャンプ+」2021年35号から2022年45号まで連載。

正式名称
腹腹先生
ふりがな
はらはらせんせい
作者
ジャンル
アクション
 
裏社会・アングラ
レーベル
ジャンプコミックス(集英社)
巻数
既刊4巻
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概要・あらすじ

有名国立大学で研究者になることを夢見ていた津雲あずさは、憧れの教授に研究成果をすべて横取りされてしまう。心に大きな傷を負ったあずさは、地元、栃木県の高校化学教師に就任。できの悪い生徒にからかわれ、モンスターペアレントに怯(おび)える、どん詰まりの日々を送っていた。そんなある日、唯一の肉親である妹の津雲ルカが「助けて」という電話の後、行方不明になってしまう。妹の身を案じたあずさは、ルカが働いていた歌舞伎町のクラブに向かう。しかしクラブのママは、ルカはすでに退職しており、行方(ゆくえ)はわからないという。そこに龍王興行の構成員、鎧塚京介が、二人の手下を引き連れて現れた。上からの指令で、3日前からルカを探し回っているという。あずさがルカの姉だと知ると、坊主頭のヤクザがあずさに暴行を加え、情報を聞き出そうとした。ヤクザが妹の命を狙っていると思い込んだあずさは、用意していた爆薬を坊主頭に投げつけた。化学物質を調合した手製の爆薬である。店は大破し、坊主頭は大怪我を負った。爆薬を携えたあずさは、ルカを殺すなら全員を道連れに自爆すると言い放つ。そもそも鎧塚は、ルカを探しているだけで殺すつもりはない。あずさの言い分を聞くことを約束し、「お互い歩み寄ろう」と提案した。こうして出会ったまったく異質な二人は、手を組んでルカの消息を追うことになった。

登場人物・キャラクター

津雲 あずさ

地元、栃木県の底辺高校で化学教師を務める女性。23歳で、ひとつ結びのロングヘアとメガネが特徴。大人しく気弱そうに見えるが、根は頑固。超有名国立大学で、独創的な発想と研究を評価されていた。研究者になることを夢見ていたが、師事していた憧れの教授に、自分の研究をすべて横取りされてしまう。そのことが大きなトラウマとなり、人生に挫折し、地味な田舎教師としてどん詰まりの日々を送っていた。両親を早くに亡くし、唯一の肉親である妹の津雲ルカへの愛情がすごく強い。そのルカが失踪したため、彼女を探して裏社会へ足を踏み入れる。化学知識を駆使し、爆薬や無力化ガスなど自作化学兵器を使う。

鎧塚 京介 (よろいづか きょうすけ)

暴力団、龍王興行の構成員の男性。27歳の貧乏ヤクザで、右目の眼帯が特徴。冷酷無比、狡猾で頭が切れる。また喧嘩(けんか)でも無類の強さを誇る。子供の頃に食べられなかったという理由から、アイスキャンディーが大好物。弟とともに人身売買組織に売られた過去があり、弟を射殺した男に復讐するため、極道になった。

津雲 ルカ (つくも るか)

津雲あずさの妹。ポニーテールが特徴の20歳の女性。姉とは正反対の性格で明るく活発。可愛くてモテることから、学生時代は多少悪い遊びもしていた。歌舞伎町のクラブ「ベティーズクラウン」でホステスとして働いていた。ある日実家に戻り、その後何かしらのトラブルに巻き込まれ、失踪してしまう。

弥生 (やよい)

歌舞伎町のクラブ「ベティーズクラウン」のホステスの女性。21歳で、ストレートのロングヘアと左目下のホクロが特徴。地元は千葉県で、レディース時代は房総半島を爆走していた。客ごとに顔や性格を変えて接客する演技派で、その手腕により、他のホステスの客を横取りするため、店ではあまり好かれていない。悪ぶっているが根は優しく、何らかのトラブルに巻き込まれた津雲ルカをかばい、逃してやる。

子神 (ねがみ)

東京大江会の幹部で、子神一家の組長の中年男性。丸メガネとひとつ結びのロングヘアが特徴。鎧塚京介が囚われていた児童人身売買組織を運営しており、鎧塚の弟を殺害した張本人。数百人の子どもから、淘汰(とうた)されずに生き残った子供だけを殺し屋に仕立て上げる。

書誌情報

腹腹先生 4巻 集英社〈ジャンプコミックス〉

第3巻

(2022-08-04発行、 978-4088832128)

第4巻

(2022-11-04発行、 978-4088833224)

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