概要・あらすじ
イギリスの階級社会においてメイドと当主の身分の差を軸に、それぞれの生活の中でそれぞれの恋心を育んでいく。メイドのエマと貿易商人の跡取り息子ウィリアム・ジョーンズが身分の差を乗り越えながら歩み寄っていくラブストーリー。
登場人物・キャラクター
エマ
15歳の時からケリー・ストウナーの家のメイドを務める女性。髪を束ねメイド服に身を包み控えめだが家の一切の仕事をこなしている。当主のケリーにより語学や文学などの教養を教えられ身につけた。 当時にしては珍しく高価な眼鏡をつけているのもケリーの彼女への思いやりである。裕福な貿易商人の家であるウィリアム・ジョーンズに心惹かれている。
ケリー・ストウナー (けりーすとうなー)
エマが仕えている家の女主人で、若いときに夫を亡くし、家庭教師で生活をしていた。友人の家で働くエマを見つけ、自分のところに引き取りメイド・オブ・オールワークス(雑役女中)として育て上げる。 エマとウィリアム・ジョーンズの想いをひそかに応援している。
エレノア・キャンベル (えれのあきゃんべる)
キャンベル子爵家の三女であり、初めての社交界で出会ったウィリアム・ジョーンズに恋心を抱いている。ウィリアムの妹グレイス・ジョーンズとは友達。子爵家として淑女の教育を受けており、両親の意見を素直に聞き入れる反面、恋愛に憧れる幼さもある。
アーサー・ジョーンズ (あーさーじょーんず)
貿易商人ジョーンズ家の次男でウィリアム・ジョーンズの弟である。真面目で無愛想だがカレッジではプリフェクト(監督生)となるほど優秀。しかし、自分が家督を継ぐことができないため「お坊ちゃま」性格の兄ウィリアムにはイラつくのか、攻撃的な発言と態度をとってしまうことが多い。
グレイス・ジョーンズ (ぐれいすじょーんず)
貿易商人ジョーンズ家の長女でウィリアム・ジョーンズの妹である。母親が家にいないせいか、いろいろと気が付き面倒見がよいため、彼女の周りには多くの崇拝者がいる。そんなしっかり者で美人の彼女には、父に内緒の恋人がいる。 エレノア・キャンベルとは昔からの友人であるため、兄と友人の恋の行方を案じている。
リチャード・ジョーンズ (りちゃーどじょーんず)
貿易商人ジョーンズ家の3代目当主で、ウィリアムの父である。爵位は持たないが、30年以上かけて社交界でも名が知られるようになった苦労人。そのためか息子とエマの身分違いの想いには否定的で、子爵の称号を持つキャンベル家エレノア・キャンベルとの政略結婚を進めている。
ハキム・アタワーリ (はきむあたわーり)
ウィリアム・ジョーンズの幼少時代からの友達でインド王族の子息。自由奔放な性格で常識にとらわれることがない。ロンドンのジョーンズ家に滞在中にエマに一目ぼれし、その積極的な性格でエマに告白をする。
スティーブンス
貿易商人ジョーンズ家の有能な執事である。そつなく仕事をこなし、上流社会の情報を把握している。3代目当主リチャード・ジョーンズの代からこの家に仕えているため、リチャードとウィリアムのよき理解者でもある。
ウィリアム・ジョーンズ (うぃりあむじょーんず)
貿易商人ジョーン家の長男で跡取り息子である。ケリー・ストウナーは彼の恩師であり、彼女の家を訪ねた時にエマを見初める。「優柔不断でボンヤリているが能天気」というような評価を妹から受けてしまうほど、彼の性格は「いいところのお坊ちゃん」である。
ヴィヴィアン・ジョーンズ (ゔぃゔぃあんじょーんず)
貿易商人ジョーンズ家の次女でウィリアムの妹である。好奇心旺盛な明るさと、わがままな性格が混在する、典型的な「おじょうさま」。社交界への憧れが強く、兄とエレノア・キャンベルとの縁談を応援している。
アル
ケリー・ストウナー夫人と、その夫ダグを昔から知る彼らの友人である。住処はロンドンの下町で修理工。多くを語らず、厄介ごとに首を突っ込むことはないが、皮肉交じりに確信をつく独特な持ち味の存在。ケリーにはよく仕事を頼まれている。
コリン・ジョーンズ (こりんじょーんず)
貿易商人ジョーンズ家の末っ子でウィリアム・ジョーンズの弟である。歳の近いヴィヴィアンとは喧嘩が多いが、兄ウィリアムのことは家の中で一番慕っている。寂しがり屋で泣き虫、口数が少ない引っ込み思案の甘えん坊である。