概要・あらすじ
「ハートフルカンパニー」という会社を経営する中井奇一(社長)は、工場で大量のホームレスを強制労働させて軍事兵器を製造し、それを外国に売りさばいて巨万の富を得ていた。しかし、突然吐血し、医師から末期ガンで余命半年と宣告されてしまう。心を入れ替えた社長は、「いいこと」をするために会社を使うことを決意。重役会議で決まったのは、社員のオカマが提案した、花の種を詰めたミサイルを焼野原に飛ばし、世界中をお花畑にする作戦だった。
早速準備を進め、社長は喜んでミサイルの発射ボタンを押したものの、ミサイルに花の種ではなく、間違えてエボラ菌を詰めてしまっていたため世界中は地獄絵図と化してしまう。ショックで社長の余命は、残り3日にまで縮んでしまう。
残された社員たちは、先のミスをもみ消すための「もみけし」作戦と、「エボラ患者救出」作戦に取り掛かる。
登場人物・キャラクター
中井 奇一 (なかい きいち)
ハートフルカンパニーの社長。禿げ頭で太った醜い老人。経営するハートフルカンパニーの工場で大量のホームレスを強制労働させて軍事兵器を製造し、それを外国に売りさばいて巨万の富を得ている。ガンに侵されて余命半年を宣告され、心を入れ替えてこれからは「いいこと」をすると宣言する。
専務 (せんむ)
ハートフルカンパニーの専務。バーコード頭にチョビ髭、眼鏡のオッサン。ハートフルカンパニーのナンバー2で、社長である中井奇一に日々の業務報告を行う。報告する際は敬礼を欠かさない。手際が良く、仕事は早いが致命的なミスもする。
医者
吐血した中井奇一(社長)が救急車で担ぎ込まれた病院の医師。禿げ頭で丸眼鏡をかけ、鼻水とヨダレを垂らした太った老人。社長に末期ガンで、命はもってあと半年と宣告する。その後も病状が悪化した社長を診察し、死亡と生き返りを見守る。
オニ
ハートフルカンパニーの重役の一人。パンチパーマでガタイのいい男性。スーツ姿でシャツのエリだけを外に出しており、外見は完全にヤクザ。一人称は「あっし」で、社長である中井奇一に対しては、一応は敬語で接する。会社の不祥事をもみ消すために、3千人の労働者を皆殺しにした武闘派。
オカマ
ハートフルカンパニーの重役の一人。マッシュルームカットでメガネをかけた不細工な人物。一人称は「アタクシ」で、オカマ言葉で話し、タイトスカートを履いている。中井奇一から、実行すべき「いいこと」を考えるよう命令された重役会議にて、花の種を入れたミサイルを焼野原に飛ばし、世界中をお花畑にする作戦を提案し、採用される。
コックリ
ハートフルカンパニーの重役の一人。禿げ頭の醜い男性で、いつも不気味な笑顔で口からヨダレを垂らしている。中井奇一がガンだという話を聞いた時も、悪どいことをしてきたバチが当たったのさ、と薄ら笑いを浮かべていた。
オタク
ハートフルカンパニーの重役の一人。デブにメガネの太った醜い男性。重役会議ではいつも困った顔でノートパソコンのキーをカタカタと叩いている。
ウスラ
ハートフルカンパニーの重役の一人。巨体で力持ちの男性。半袖のブレザーに蝶ネクタイ、半ズボンという子供のような恰好をしている。重役会議では花提灯を膨らませて眠りこけている。オニが手配して皆殺しにした労働者たちの生首を風呂敷に包んで中井奇一の病床まで運んだ。
ダイヤモンド夫人 (だいやもんどふじん)
中井奇一(社長)の妻。宝石を散りばめたきらびやかなドレスで着飾り、頭にダイヤの被り物をしている。醜い老女で語尾に「ざます」とつけて話す。ガンが悪化して寝込んだ社長の病床に駆け付けては、もっと金を稼げと懇願した金の亡者だが、回復した社長を献身的に介護した。
場所
ハートフルカンパニー
中井奇一が社長を務める企業。巨大な工場を持ち、ミサイルや戦車、戦闘機を量産しては外国へ売っている。ミサイルの材料は盗品と粗大ゴミで材料費はタダ、労働者はホームレスで残飯を与えるだけなので人件費もタダ、光熱費もホームレスに自家発電させているため、ミサイルの原価は0円の丸儲けであり、巨大な利益を得ている。工場からは四六時中騒音と異臭が絶えないため、地域住民からは出ていけと抗議活動をされている。 ハートの左右に天使のような羽が生えたものを会社のマークとしている。
その他キーワード
ぬくぐるみ
保育士不足を解決するためにオニ、ウスラ、オタクが開発したクマのぬいぐるみ。一人で留守番させられている子供たちの心を癒すために開発された「ぬくもりのあるぬいぐるみ」で、略して「ぬくぐるみ」と呼ぶ。子供の好きそうな料理100品のレシピがインプットされており、ありあわせの材料で栄養のバランスを考えた美味しい料理を作る機能を備えている。 さらには留守番中に泥棒から子供を守れるよう、あらゆる格闘技もインプットされている。実は中身は死刑囚。
ジムツ
ヘルパー不足を解決するためにオカマとコックリが開発した特殊なオムツ。寝たきり老人を一人でかかえる介護者を救うために開発されたオムツで、「寝たきり老人が自立するためのオムツ」、略して「ジムツ」と呼ぶ。オムツの肛門にあたるところに品種改良した新種の植物の芽が埋め込まれており、オムツ内に排泄された大便と小便を養分として吸収して美味しい果実に急速成長する。 その果実を食べると、高齢者が一日に必要な栄養をすべて補うことができる。さらにはオムツから生えた植物の根っこが足にからみついて足の筋肉をサポートし、足の不自由な人でも介護者なしでも歩くことができる優れ物。
クレジット
- 原作
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ピエール瀧