虹色とうがらし

虹色とうがらし

将軍家の落とし種であるからくり長屋の七人の異母兄弟が、それぞれの故郷を巡って母親の墓参りをする旅に出る。彼らは街道で出会う小悪党や謎の異星人と結託した将軍位を狙う黒幕が放った刺客と戦うことになる。あだち充お得意のラブコメと、時代劇アクションを合体させた異色長編。

正式名称
虹色とうがらし
ふりがな
にじいろとうがらし
作者
ジャンル
アクション
 
ラブコメ
 
時代劇
レーベル
コミック文庫(青年)(小学館)
巻数
既刊6巻
関連商品
Amazon 楽天 小学館eコミックストア

概要・あらすじ

実は将軍のご落胤である火消しの少年七味が亡き母の遺言に従ってからくり長屋に到着すると、そこには異母兄弟六人が暮らしていた。兄弟たちは、商家の用心棒となって、盗賊赤光船一味を捕縛するなどの活躍の後、揃って亡母の墓参りに出発する。その行く手には兄弟たちと妙な因縁のある剣の達人をはじめ、将軍位を狙う実の叔父と結託する謎の異星人の放った刺客や賞金稼ぎが待ち受けていた。

登場人物・キャラクター

七味 (しちみ)

からくり長屋七人兄弟の四男。15歳。二光江戸村出身の火消しで身軽。三段鳶口の使い手。

菜種 (なたね)

七人兄弟の長女。13歳。山奥の村で生まれ育つ。はねっかえりで、最後にからくり長屋にやってきた七味を邪険に扱う。麻次郎を慕っている。謎の浪人浮論とは何か因縁があるらしい。

胡麻 (ごま)

『虹色とうがらし』の七人兄弟の長男。22歳。木豆大島出身。噺家。大食漢で大酒飲み。占い師に「天下を取る」と予言される。

麻次郎 (あさじろう)

『虹色とうがらし』の七人兄弟の次男。20歳。埴輪念流免許皆伝の最短記録を持つ剣の使い手。旅の絵師でめったに長屋には戻らない。菜種に慕われている。予知能力の持ち主。

芥子の坊 (けしのぼう)

『虹色とうがらし』の七人兄弟の三男。18歳。今南寺で育った僧侶。博打打ちで喧嘩が強く、酒飲みで女好きという暴れ者だったため、生まれ故郷では鼻つまみ者。

陳皮 (ちんぴ)

『虹色とうがらし』の七人兄弟の五男。10歳。眼鏡をかけた天才発明少年。

山椒 (さんしょう)

『虹色とうがらし』の七人兄弟の六男(末弟)。3歳。忍者の隠れ里風賀村出身で、天才くノ一陽炎の子供。誰にも知られることなく半蔵が術を教えている。

奥川 秋光 (おくがわ あきみつ)

『虹色とうがらし』の七人兄弟の実父で第八代将軍。女好きの変装マニア。ちゃらんぽらんな性格だが子供たちを溺愛している。時々、変装して子供たちの様子を見守っている。ジョージ秋山の『流浪雲』の主人公、はぐれ雲の扮装をしてまぐれ雲と名乗ることがある。見かけによらず剣の名手。モ見かけによらず剣の達人。 モデルは徳川第八代将軍吉宗と思われる。

奥川 琴姫 (おくがわ ことひめ)

『虹色とうがらし』の秋光の娘。わがままで、おてんばで、世間知らずなお姫様。肌の露出が多い服装を好む。腹違いの兄弟と知らずに七味を処刑しようとしたり、菜種を投獄したりするが、やがて菜種と七味をめぐって対立することに。

彦六 (ひころく)

『虹色とうがらし』の奥川秋光の側近。身分を隠してからくり長屋の大家として七人兄弟の面倒を見ている。

半蔵 (はんぞう)

『虹色とうがらし』の彦六に使える公儀お庭番。七人兄弟の護衛を担当している。腕は立つが、間の抜けたところがある。山椒の師匠。

奥川 貴光 (おくがわ たかみつ)

『虹色とうがらし』の敵役。奥川秋光の弟で、立浪名古山城藩主。傲慢かつ冷酷な性格で、秋光を倒し自分が将軍になるためなら手段を選ばない。将軍の位を継ぐ可能性のある七人兄弟に賞金を掛けて、暗殺を企む。秋光の評判を落とすためにマメにデマを広めている。

奥川 省吾 (おくがわ しょうご)

『虹色とうがらし』の敵役。奥川貴光の息子だが、幼い頃、殺されかけたことがあり強く反発し、盗賊の統領として暴れ廻っている。しかし、七人兄弟暗殺では父親と手を組む。菜種に惚れて強引に自分の女にしようとする。

赤丸 (あかまる)

『虹色とうがらし』の敵役。火賀忍群の統領。公儀お庭番争いで半蔵を統領とする風賀に敗れたため、復讐の念に燃えている。奥川貴光の部下として七人兄弟の命をつけ狙う。卑怯未練だが極めて間抜け。

バン艦長 (ばんかんちょう)

『虹色とうがらし』の敵役。江戸に漂着し、新しもの好きの秋光に庇護されている異人。アメリカ人のように振る舞っているが、その正体は環境破壊が進んだ星から逃げ出してきた異星人科学者。何を企んでいるのかは謎だが奥川貴光ともウラで手を結んで、兵器技術を供給している。

浮論 (ふろん)

『虹色とうがらし』の敵役。冷酷な剣の天才。バン艦長や貴光に雇われて七人兄弟の命を狙うが、菜種は殺さないと宣言し、七味を殺すチャンスがあったにもかかわらず見逃しやったりもする。剣の腕は麻次郎と同格。

加代 (かよ)

『虹色とうがらし』の菜種の友達。江戸でも三本の指に入る呉服屋信越屋の一人娘。

三代目俵夢三郎 (さんだいめたわらゆめさぶろう)

『虹色とうがらし』の人気二枚目役者。女性ファンを食い物にする小悪党。菜種をものにしようとするが、浮論に撃退される。

文蔵 (ぶんぞう)

『虹色とうがらし』の弱小ヤクザ小出一家の親分。仏の文蔵と呼ばれるお人好し。大駒一家に縄張りを半分取られて逼塞している。

長次郎 (ちょうじろう)

『虹色とうがらし』の文蔵の息子。喧嘩が弱いが威勢がいい。大駒一家に襲われるが、七味、菜種、陳皮に助けられる。父親の煮え切れなさにウンザリしている。菜種に惚れる。

ビリー

『虹色とうがらし』の黒船に乗っていた少年。ウエスタン・ファッションで、腰に拳銃を下げている。

絵美 (えみ)

『虹色とうがらし』の七味の幼なじみで、七味を愛している。二光江戸村の忍者屋敷の女忍者として人気を集めている。

集団・組織

七人兄弟 (ななにんきょうだい)

『虹色とうがらし』に登場する将軍、奥川吉宗の七人の隠し子のこと。全員母親が違う六男一女の兄弟。からくり長屋で暮らしている。

赤光船 (せきこうせん)

『虹色とうがらし』のバン船長が影で操る盗賊団。飛行船を使って、豪商の屋敷を襲撃する。

火賀忍群 (かがにんぐん)

『虹色とうがらし』の赤丸が率いる忍者集団。

小出一家 (こいでいっか)

『虹色とうがらし』の七味菜種陳皮が草鞋を脱ぐことになる田舎ヤクザの一家。

大駒一家 (おおこまいっか)

『虹色とうがらし』の小出一家を壊滅させ、縄張りを独り占めしようと企む悪辣なヤクザ。たまたま胡麻と芥子の坊が草鞋を脱ぐことになる。

場所

江戸 (えど)

『虹色とうがらし』の主な舞台となる町。日本の過去の江戸に酷似しているが、あくまでも異星の江戸で、現在の地球から見れば未来にあたる。

からくり長屋 (からくりながや)

『虹色とうがらし』の江戸竜神堀にある七人兄弟の住居。家賃は無料。大家の彦六が秘密の父親からの手当を届けるなど面倒を見ている。陳皮の発明が失敗するたびに一部が壊れる。

ほたるの里 (ほたるのさと)

『虹色とうがらし』の江戸近郊の農村。陳皮の故郷。

風賀村 (ふうがむら)

『虹色とうがらし』の山椒が生まれた忍者の隠れ里。

木豆大島 (きずおおしま)

『虹色とうがらし』の胡麻の故郷の火山島。美原山が噴煙を上げている。モデルは伊豆大島と三原山だと思われる。

名古山城 (なごやまじょう)

『虹色とうがらし』の貴光の居城。麻次郎は城下町で生まれ育つ。

二光江戸村 (にこうえどむら)

『虹色とうがらし』の七味の故郷。日光江戸村のようなテーマパーク。

その他キーワード

黒船 (くろふね)

『虹色とうがらし』の日本に漂着したアメリカの巨大な船。バン艦長は身元がバレることをおそれ、江戸に向かう乗組員一行を浮論に襲撃させる。この際、ビリーを除いた全員が斬殺された。また黒船も爆破されてしまう。

8つお手玉 (やっつおてだま)

『虹色とうがらし』の風賀に伝わる秘技。陽炎しかできなかった技だが、菜種はやすやすとやってのけてしまう。

催眠術 (さいみんじゅつ)

『虹色とうがらし』の奥川貴光が放った刺客が得意とする技。術をかけられたものは「おはよう」などのキーワードを聞くと、暗示にかけられた通りの行動を取る。この術をかけられた菜種は七人兄弟を無意識のまま殺そうとする。

埴輪念流 (はにわねんりゅう)

『虹色とうがらし』の剣術の流派。麻次郎は名古山城下の立浪道場で最年少で免許皆伝を受けている。

三段鳶口 (さんだんとびぐち)

『虹色とうがらし』の七味が常に携帯する火消し道具。陳皮が三段に伸びるように改造した。

書誌情報

虹色とうがらし 6巻 小学館〈コミック文庫(青年)〉

第1巻

(2002-05-16発行、 978-4091932655)

第2巻

(2002-05-16発行、 978-4091932662)

第3巻

(2002-07-16発行、 978-4091932679)

第4巻

(2002-07-16発行、 978-4091932686)

第5巻

(2002-09-14発行、 978-4091932693)

第6巻

(2002-09-14発行、 978-4091932709)

SHARE
EC
Amazon
logo