蛭子

蛭子

女子大生となって一人暮らしを始めた女の子が体験する恐怖を描いた短編。タイトルの「蛭子」とは、日本神話のイザナギとイザナミが最初に生んだ子。骨のない子であったので、葦の舟に乗せられて流し棄てられたという。「プチフラワー」1985年7月号に掲載された作品で、文春文庫ビジュアル版の『月読 自選作品集』に収録されている。

正式名称
蛭子
ふりがな
ひるこ
作者
ジャンル
サスペンス
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概要・あらすじ

花の女子大生となって東京での念願の一人暮らしを始めた里見。両親のいいつけで遠縁の親戚である岡田家へ挨拶に行った彼女は、そこでまるで少女漫画に出てくるような中性的な美少年、岡田春洋と出会う。後日、春洋が里見のアパートを訪ねてくると、母性本能をくすぐられた彼女は、春洋を泊めてやり食事を振る舞うのだった。その後も春洋が訪ねてくるが、その都度家の小銭がなくなっていたり、近所の自転車がめちゃくちゃに壊されていたりと、彼女の周りで不穏な出来事が続いていた。

登場人物・キャラクター

里見 (さとみ)

女子大生となって一人暮らしを始めた女の子。18歳。「里見」は苗字で名前は不明。長い黒髪を後ろでしばって、リボンを付けている。実家は裕福ではないため、文房具屋でバイトしておりいつも金欠。親戚の男の子である岡田春洋と出会い、彼に慕われるうちに恐ろしい体験をすることになる。

岡田 春洋 (おかだ はるみ)

里見の父方の遠縁にある親戚の男の子。中学1年生の中性的な美少年。父親は政界にも顔のきく大会社の社長で、家は裕福。初めて出会った里見を慕って、彼女のアパートを訪ねてくる。

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