血戦の九遠

血戦の九遠

祟祓いの名家に生まれた17歳の少女と、自身も"タタリ"という存在で不死身の肉体を持つ男が、封印を解かれた"タタリ"を退治していく怪奇バトルアクション。グロテスクな描写と激しい戦いのシーンが特徴。「週刊少年マガジン」2017年35号から連載。

正式名称
血戦の九遠
ふりがな
けっせんのくおん
作者
ジャンル
アクション
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概要・あらすじ

巫(かんなぎ)家は平安時代から続く祟祓いの名家である。その巫家53代当主・巫ミコト17歳のもとに少年が相談に来た。街外れの廃屋で、姉が鏡の中に引きずり込まれたのだという。「顔無し鏡の祟り」という都市伝説をネットで見つけ、面白半分で姉とともに廃屋に行った結果だった。姉を助けてほしいと懇願する少年に、ミコトは祟祓いを決意する。

しかし、ミコトには霊感も祟祓いの経験もまったくなかった。とりあえず半年前に亡くなった父の遺品を探っていたミコトは、そこに「九遠へ」と宛名書きされた手紙と鍵を見つける。執事の滝じぃによると、九遠は先代の仕事仲間で親友だという。ミコトは九遠に会うことにした。滝じぃに案内されて、ミコトは山奥の時計塔の前に立つ。

自らの血を鍵の溝に流し込んで時計塔の扉を開けると、中には巨大なチェーンソーを持った男がいた。男の名は九遠。チェーンソーアートでアニメキャラを彫り上げるアニオタであるが、"タタリ"を殺せる力を持つ男だった。九遠によると、タタリとは禁忌を犯した大罪人の成れの果てで、人を食う化物なのだという。今回の事件も「扉」で封印されているはずのタタリの仕業だった。

巫家の当主でありながら無力なミコトは、九遠に頭を下げ、街に現れたタタリ退治に乗り出すのであった。

登場人物・キャラクター

九遠 (くおん)

タタリ殺しの力を持つ男。柔道着に袴、ツンツン頭が特徴。自らも不老不死という「九遠のタタリ」を背負う。実年齢は不明だが、見た目は青年。巫ミコトの父の親友で、仕事仲間だった。タタリの血を原動力とする、対タタリ仕様の巨大チェーンソーを武器とする。アニメオタクで「魔法少女ルルニャン」というアニメのファン。ルルニャンが描かれたTシャツやマグカップを愛用したり、チェーンソーアートでルルニャンの木彫りを作ったりしている。 ホットコーヒーが好き。

巫 ミコト (かんなぎ みこと)

17歳の女子高生。セーラー服にポニーテールが特徴のヒロイン。平安時代から続く祟祓いの名家である巫家の53代当主。巫家当主でありながら、霊感がまったくなく、タタリを見ることができない。おまけに怖い話に弱い。それでも当主としての使命を感じており、「タタリが視えるメガネ」を装着してタタリ退治に乗り出す。九遠には足手まとい扱いされ、「ひょっと娘」「タコ娘」などと呼ばれる。

滝じぃ (たきじぃ)

巫家に仕える執事の男性。禿頭に白い口ヒゲ、恰幅のいい体格が特徴。タタリや九遠に詳しく、巫ミコトにとっての良きアドバイザー。九遠には「滝坊」と呼ばれる。

二階堂

自衛隊特殊部隊の男性隊員。階級は3等陸尉。科学を駆使してタタリを祓う「タタリ祓い機関」に所属する。ドクターという名のタタリを倒すために結成された「タタリ駆逐特別編成隊」の一人。長身で逞しいクールな外観の青年。怖そうな外観に反して優しい性格。戦いの前には異常な緊張をみせるが、いざという時には頼りになる男でもある。

柴剛 茜 (さいごう あかね)

タタリ祓い師集団である鬼元宗の総本山・柴剛寺の僧侶で黒髪の少女。ドクターという名のタタリを倒すために結成された「タタリ駆逐特別編成隊」の一人。普段は深編笠をかぶっている。形状が変えられる両刃の薙刀のような武器を持つ。

ドクター

神暮病院第6病棟に封じ込められていたタタリ。戦時中、死刑囚を使った人体実験を行っていた医者の兇気がタタリとなったもの。自らを天才と名乗るマッドドクター。再生可能な肉の塊だが、本体は脳みそ。人体実験のモルモットとなった屍体を自在に操る。

その他キーワード

タタリ

大罪を犯した人間の兇気が凝縮し、人を喰らう化物となった存在。通常は「タタリの扉」によって封印されている。何かのきっかけで扉が開くとタタリが外に放たれ、世に災いをなす。1657(明暦3)年に江戸の大部分が消失した明暦の大火などが、タタリの仕業として知られている。

タタリの扉 (たたりのとびら)

タタリの世界と現世を分け隔てる結界。タタリを封印する扉。国によって危険度が決められていて、第壱級にランクされる扉の中には、街をひとつ消滅できるぐらいのタタリが封じ込められている。

クレジット

メカニックデザイン

澤井 富士彦

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