概要・あらすじ
川に面した自然豊かな西部田村を舞台に、精神科病院から患者が脱走したことにより起こる騒動を描く。つげ義春が、漫画家白土三平らと千葉の大多喜へ旅行したときの体験をベースに創作された。つげ義春の、旅行を題材にした一連の「旅もの」の端緒となった作品。
登場人物・キャラクター
青年 (せいねん)
西部田村へハヤを釣りにやってきた青年。精神科病院を脱走した患者と出くわし、ハヤがたくさんいる堰堤に案内される。
患者 (かんじゃ)
精神科病院・西部田療養所を脱走した患者。眼鏡をかけたインテリ風の青年。浴衣姿に病院のスリッパを履いている。身体を悪くして千葉大学を二年で中退した。主人公の青年をハヤがたくさんいる堰堤に案内するが、そこの穴に落ちて足が抜けなくなってしまう。
セイちゃん
鉢巻をした老人でハヤ釣りの名人。村一番のあわて者で、精神科病院を脱走した患者が神社近くの木の上に登ったのを見たというが間違いだった。
場所
西部田村 (にしべたむら)
千葉県外房の夷隅川沿いにある環境の良い村で実在の地名。物語に出てくる西部田診療所のモデルとなる精神科病院も実在する。