概要・あらすじ
類まれなる喧嘩のセンスの持ち主であるハルキは、その日も地元の栃木県足利市で、和協中時代からの親友で高校の同級生でもあるカザマサと気ままな喧嘩に明け暮れていた。そんなとき、中学時代の友人であるタカシとヒカルがギャングに追い立てられる現場に遭遇。トラブルの匂いを嗅ぎ取ったハルキはカザマサとともに、ギャングに襲いかかり血祭りにあげる。
さらにギャングの本拠地を襲撃し、キングのテルを撃破。あまりの実力差にチームの解散を宣言したテルとの会話の中でハルキは、かつて和協中でいじめられっ子だった林哲平が栃木ナンバーワンギャングのキングであることを知る。対抗意識を燃やしたハルキはその場で自らもギャングを起ち上げることを決意。
カザマサ、タカシ、ヒカルに加え、つい先ほどまで敵だったテルまでをも巻き込み、ファックジパングと名づけたギャングを日本一の高みに至らせることを誓うのだった。
登場人物・キャラクター
ハルキ
栃木県立南総合高校に通う男子高校生。天性の喧嘩のセンスの持ち主で、周囲からは「栃木の鬼神」と恐れられている。カズマサ、タカシ、ヒカルとは和協中時代からの友人。特にカズマサとは高校でも同級生で、常につるんでいる親友。栃木最大の暴力団・刈谷会が将来有望な不良をランキングし、上位ランカーを刈谷会に勧誘する通称・スカウトで3年連続で1位指名されたが、本人はまったく興味がなく袖にした。 結果、刈谷会はハルキに加え、いずれもスカウト上位ランカーであるカズマサ、タカシ、ヒカルをターゲットに設定し、この4名を打ち倒して刈谷会に引き渡した者を勧誘することを決定。 テル率いるギャング・シルバーラットがハルキらを狙ったことが契機となり、ハルキは自らもファックジパングなるギャングを結成し、日本一のギャングになることを夢に掲げた。喧嘩に際しては周囲が戦慄するほどの圧倒的な力を見せつける喧嘩屋だが、性格はカラッとしており、喧嘩が終われば相手と食事をともにすることも少なくない。 また、飄々とした佇まいに似合わず、頭は切れ、不利な場合に逃亡を選択したり、策を弄したりすることも。なお、栃木県立南総合高校入試においてはトップの成績で合格を果たした。パンクをこよなく愛する。
カザマサ
ハルキの親友にして良き理解者である。ハルキ、タカシ、ヒカルとは和協中時代からの友人。クールな性格だが、平然と車で人をはね飛ばすなどその行動は常識人とはかけ離れている。喧嘩については理論派で、ハルキの強さについて分析することもしばしば。自身も喧嘩に長けるが、かつて九十九一に手ほどきを受けた。 スカウトでの最年少ランクイン記録保持者。雑誌・月刊ジャックで読者モデルをしており、女性人気は極めて高い。ハルキと同じ栃木県立南総合高校に通い、成績は優秀。教師たちからは大学進学を期待されている。口ピアスと青く染めた髪がトレードマーク。
タカシ
ハルキ、カザマサ、ヒカルとは和協中時代からの友人。和協中時代からハルキに対して強いライバル意識を持っていた。和協中卒業後も、ヒカルとは付き合いを継続。テル率いるギャング・シルバーラットとの争いの際にハルキとカザマサと再会してからも、ハルキへの対抗心を露わにする。 しかし、ファックジパング結成後、足利ナンバーワンギャングの座をかけたギルティージャンクとの抗争時、ハルキから「勝つためにタカシに命を張る」と言われたことで、わだかまりを捨てることになった。厳つい巨漢であごひげを生やしている。
ヒカル
可愛らしい外見や無邪気な言動に似つかわしくない、キレた性格をしており、栃木のジャンキーの異名を取る。ハルキ、カザマサ、タカシとは和協中時代からの友人。和協中卒業後も、タカシとはつるんでいた。白ランと長髪の金髪がトレードマーク。
テル
栃木県内3番目の勢力を誇るギャング・シルバーラットのキング。スカウトで3年連続で1位にランクインしたハルキら元和協中4人を狙う。だが、あっさりと返り討ちに遭い、シルバーラット解散を決意。その後の会話の中で、ハルキらの元同級生が栃木ナンバーワンのギャング・シャイニングのキングだということを伝えたことで、対抗意識を燃やしたハルキがギャング・ファックジパングを結成することに。 ハルキに誘われたことで、テルもその場でファックジパングに加入した。顔面に多数のピアスをつけている。九十九一に武術の手ほどきを受けた、棒術の使い手。奥の手は三節棍。
ジェット
特定のギャングに属することなく、金銭のため用心棒的にバトルに関わるボクシング経験者。高校一年のときのハルキに挑み敗れたという因縁があったところ、ファックジパングを起ち上げたハルキが、たまたま用心棒をしていたギルティージャンクに抗争を仕掛けてきたことで再会を果たす。 リベンジすべくハルキとタイマン勝負をするが、普通に話しかけてきたり日本一のギャングを目指すという夢を明かしたりと、屈託がないハルキに惹かれていった。その後、いったん別れるが、ハルキとともにありたいと願い、ハルキのピンチに駆け付け、自身もファックジパングに参加する。常に黒ジャージ姿で、ヘアスタイルはモヒカン。
イサオ
栃木県佐野市在住のヤンキー。子供の頃からの友人・ケンゴといつもつるんでいる。佐野市への強い愛着があり、ソウルフードたる佐野ラーメンが口に合わないといったハルキとカザマサに因縁をつけるがあっさり敗北。その後、リベンジのために足利市を訪れる。イサオ自身は純粋な気持ちでハルキに挑んだが、イサオを疎ましく思うようになっていたケンゴはイサオを裏切り、シャイニング幹部と手を結んでいた。 なりゆきでハルキと共闘したことで急場をしのいだのち、ハルキに誘われる形でファックジパングに加入する。その後はハルキを兄貴と慕うようになった。ロックを愛することからファックジパングではロックと呼ばれるように。 金髪リーゼントと特攻服姿がトレードマーク。
林 哲平 (はやし てっぺい)
ハルキらと和協中時代の同級生だったが、過酷なイジメを受けていた。中学3年生のとき、親の仕事の関係で宇都宮に転校。これを機にいじめられっ子から脱却し、いつしか栃木最大のギャング・シャイニングのキングに。それを知ったハルキによって結成されたファックジパングが日本一を目指していたため、過程としてシャイニングと抗争となる。 シャイニングでは宇都宮の治安を守るような行動をし、メンバーからの信頼も厚い。ただし、かつていじめられっ子だった事実は、ごく一部の幹部しか知らなかった。相手の攻撃を受け流すことに関して天才的な才能を有している。
九十九 一 (つくも はじめ)
刈谷会で若頭を務めるヤクザ。刈谷会会長である刈谷鎮がハルキを評価していることに不満を覚えていた。もともと伝説の不良として知られており、カザマサやテルに武術を教えた過去も。
その他キーワード
スカウト
『足利アナーキー』に登場する用語。栃木県最大の暴力団・刈谷会が、芽のある不良をランキング形式で評価してスカウトする。ハルキが3年連続で1位になったが、3年連続で刈谷会への所属を拒絶したため、ハルキを含む和協中出身4人を倒して刈谷会へ差し出せば、その人物をスカウトするとした。このため、ハルキたちは足利の悪童たちのターゲットになる。