路地迷宮のロージー

路地迷宮のロージー

小さなロージーとその家族たちが暮らすのは、どこまでも路地が続く不思議な世界の路地迷宮だった。美しく幻想的に見えながらも、知れば知るほど恐ろしい路地迷宮での日常を描く幻想奇譚。「月刊コミックガーデン」2019年4月号より連載の作品。

正式名称
路地迷宮のロージー
ふりがな
ろじめいきゅうのろーじー
作者
ジャンル
ファンタジー
 
日常
関連商品
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あらすじ

第1巻

好奇心旺盛なロージーは、不思議な路地迷宮に興味津々なものの、危ない迷宮探索はアリーたちに止められていた。そんなある日、ロージーは倉庫を整理中、不思議な額縁に入り込んでいずこともしれない場所に放り出されてしまう。ロージーはたった一人で幻想的な路地迷宮を探検し、どんどん奥に進んで行く。老婆に石像と不思議な出会いを重ねるロージーであったが、奥に進むにつれて人の姿も見えなくなる。アリーたちの声が恋しくなった頃、ロージーは何者かに誘われるように狭い路地に入る。しかし、そこにいたのは暗く黒い闇に染まった人々だった。真っ暗闇の中、ロージーはアリー、ウォルKと再会。彼らに連れられて家に戻るのだった。(第1話「はじめてのたんけん」。ほか、3エピソード収録)

登場人物・キャラクター

ロージー

ふわふわでボリュームのある淡い金色の髪が特徴的な少女。天真爛漫の無邪気な性格をしており、アリー、ウォル、Kと共に暮らしている。好奇心旺盛なため、不思議な路地迷宮を探検するのが大好き。路地迷宮では子供の存在は珍しいため、住人たちにかわいがられているが、好奇心が旺盛すぎるために時々危ない場所に足を踏み入れることもある。

アリー

黒いスーツを身にまとった青年。路地迷宮の影響で、猫の耳と尻尾が生えた姿となっている。冷静沈着な性格で機転がきき、ウォルやKたちのまとめ役で、ロージーの面倒をよく見ている。黒の女王に仕えていた時期があり、その頃はジャックを相棒にして、「黒猫」と呼ばれていた。

ウォル

黒いフード付きパーカーを身につけた銀髪の青年。大柄な体型をしているが、アリーやK、ロージーたちの一行の中で年齢はロージーの次に若く、一番シャイな性格をしている。路地迷宮の影響も少なく、ほとんど人の姿で時々角が生える程度しか影響を受けていない。怖がりで子供の頃、魔女にからかわれたのが未だにトラウマになっており、彼女を前にするとアリーの後ろに身を隠すほど臆病。

K (けい)

ピエロのような顔をした小さな人形。100年以上も路地迷宮で暮らしてきた古株の人間で、最近は路地迷宮の影響で本体の肉体はベッドで寝たきりとなり、抜け出した魂が人形の姿となって行動している。小さな体に反して非常に働き者で、一行の中では料理作りも担当する。アリーとは古い付き合いで、彼が幼い頃は大柄な体に包帯を巻いたミイラ男のような姿をしていた。ロージーのことを大事にしており、ふだんは穏やかな性格をしているが、彼女の身に何かあった際には大きく慌てる。

ジャック

黒の女王のもとで働く男性。右半身が真っ黒に染まり、顔を鳥を模した仮面で隠している。烏をあやつる力を持ち、烏を使った情報収集を得意とするため「カラス」の異名を持つ。ふだんは烏を使ったパトロールをし、住人たちが危険に巻き込まれないように見張ったり、安全な住居探しをしている。また、元泥棒でつねにたくさんの工具を持ち歩いており、閉ざされた扉の解錠なども得意とする。忘れっぽい性格で、一日前の仕事の約束も覚えまちがいするほど物覚えが悪い。かつてはアリーと共に働いており、彼に応援を頼んで「開かずの路地誘拐事件」の調査に赴く。その事件でルークと出会い、彼を新たな相棒とする。忘れっぽいジャックとウソつきのルークは相性がよく、彼にいつも騙され続けている。

黒の女王 (くろのじょうおう)

「黒の塔」に住む女王。黒いヴェールで、素顔を隠して全身黒ずくめの格好をしている。路地迷宮は本来人が生活できるような場所ではないが、彼女の力によって迷宮の中に安全な領域「女王の庭」ができ、人々は生活している。ジャックたちを部下にしており、アリーはかつての部下。部下たちからも慕われているが、何かと背負い込みすぎる黒の女王の姿勢を心配されている。

ルーク

黒ずくめの格好に、顔に鳥の頭蓋骨のような仮面をかぶっている化け物。路地迷宮で迷い続けて自我を見失いつつあり、ウソをつき続けなければ自分を保てなくなっている。路地迷宮の中に自分の空間を作り、対象を引きずり込む能力を持つ。これを使って弱い人間を引きずり込んで騙し、絶望を味わわせていた。アリーを自分の空間に引きずり込んで騙そうとするが、彼に自分の手口を見破られて失敗。その後、アリーの提案でジャックの相棒として働くこととなる。忘れっぽいジャックとウソつきのルークは相性がよく、ルークの適当なウソでもジャックはあっさり騙されている。外で働くようになってからは化け物然とした姿から変化し、黒いスーツを身にまとい、ペストマスクのような仮面をかぶった男の姿になっている。

魔女 (まじょ)

路地迷宮で店を出している老婆。不思議を取り扱う店を商っているため「魔女」と呼ばれている。黒マントを身につけて黒いとんがり帽子をかぶっており、悪い魔女ぶって子供を驚かすのが趣味。ふだんは目を閉じているが、子供を驚かすときは目を大きく開けて怖い顔を作る。アリー、ウォルが子供の頃から店を出しており、魔女に驚かされたウォルは未だに彼女に苦手意識を抱いている。実は彼女の店には時間を切り売りする小人が住み着いていたが、彼らのせいで魔女の店はほかの時間と混ざり合った不安定な場所と化している。ふだん目を閉じているのも、ほかの時間の存在を目にしないためで、小人たちの仕業を億劫に感じている。

その他キーワード

路地迷宮 (ろじめいきゅう)

路地の歪(ひず)みから生まれた迷宮。どこまでも永遠に路地が続く場所で、さまざまな路地が存在し、それぞれの路地が一つの世界のようになっている。路地は人が通らなければ存在意義を果たせないため、路地迷宮は人を誘い込み、迷わせて己の存在意義を果たそうとしている。黒の女王が、迷い込んだ人々が生活できる「女王の庭」を作り、そこで人々は路地迷宮の中で生活している。しかし、路地の中で長く暮らすうちに人々は己の記憶と人格を失い、いずれは形すら保てなくなって消え去る者も存在する。長く暮らせば暮らすほどその傾向が強くなるため、路地迷宮には己の姿を失い、仮面を付けて生活している者もいる。また形を失っていく者は「人らしいこと」を失っていくと消滅するため、ルークはそれを避けるべく人を騙し続ける生活をしている。

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