あらすじ
第1巻
昔から地味な存在の須磨寺さくらは、高校生になっても何も変わらないまま、2年生に進級しようとしていた。そんな中、1年生の最後の登校日に海を眺めていたさくらは、中学3年生の垂水葵央達と知り合う。流れで葵央と共にまだ肌寒い海に飛び込んださくらは、久しぶりに心から楽しいと感じるのだった。お互いに名前を聞く事もなくその日は別れてしまったものの、さくらは高校の入学式で葵央と再会。互いの事が気になっていた二人は、交際をスタートさせる。初めての交際にどうしていいのかわからず、うまく振る舞えないさくらだったが、葵央はそんなさくらに優しく寄り添い、二人は愛情を深めていく。さくらと葵央の交際は、しおやんやタッキーといったお互いの友達にも受け入れられ、さくらは今までにない充実した日々を過ごしていた。そんな中、さくらは文化祭の準備に追われるようになり、同じく文化祭の雑用係をする事になった大倉との接点が増えていく。
第2巻
大倉は、高校1年生の頃からの知り合いであった須磨寺さくらが垂水葵央と交際を開始した事を知り、自身が実はさくらに恋心を抱いていた事を自覚する。大倉はさくらに告白するが、さくらは自分には葵央しかいないとはっきりと断るのだった。さくらは葵央に心配をかけたくないと、大倉から告白された事を黙っていたものの、一方の葵央はさくらと大倉は何か秘密の関係があるのではないかと疑い始める。こうしてさくらと葵央のあいだには小さなすれ違いが生じていく。
登場人物・キャラクター
須磨寺 さくら (すまでら さくら)
高校2年生の女子。まじめで引っ込み思案な性格の持ち主。優しそうな雰囲気と頼み事をされると断れない性質から、周りからは雑用係を押しつけられる事が多い。現在の生活に不満があるわけではないが、特に楽しい事もなく過ごしていた。高校1年生の最後の登校日、海で偶然垂水葵央と出会い、ここ数年で一番の楽しい時間を過ごす。その後、葵央が同じ高校へと入学して来た事で距離を縮めていく。 その後、葵央からの告白を受け入れ、生まれて初めての交際にとまどいながらも関係を深めていく。
垂水 葵央 (たるみ あお)
高校1年生の男子。須磨寺さくらの1歳年下。中学3年生の最後の登校日、海で偶然さくらと出会って以来、ずっとさくらに思いを寄せていた。高校に入学してからすぐにさくらに声を掛け、告白をして正式に交際を開始した。爽やかなルックスと人懐っこい性格から、男女両方から人気が高い。サッカー部に所属しており、放課後は部活動に打ち込んでいる。 要領がよく何でも器用にこなし、成績も優秀。さくらとの交際は友達だけでなく、家族にもオープンにしている。
大倉 (おおくら)
高校2年生の男子。須磨寺さくらとは1年生の頃からの知り合い。優等生で、目立つ存在ではないものの、整った容姿をしている。年齢のわりに落ち着いており、さくらや垂水葵央の前でも大人っぽく振る舞う。周囲から何かと雑用係を任される事が多く、似たような境遇にあるさくらに親近感を抱いていた。さくらが葵央と交際をした事を知り、さくらへの恋心を自覚。 さくらに自分の気持ちを伝えたものの、葵央の事が好きだと断られ、静かに身を引いた。
しおやん
高校2年生の女子。須磨寺さくらの友人。学校内はもちろん、放課後もよくいっしょに行動している。明るくノリのいい性格の持ち主で、言いたい事ははっきりと口にするタイプ。基本的にさくらと垂水葵央の交際を応援しているが、さくらを取られてしまうのではないかと、葵央に嫉妬心をあらわにする事もある。葵央やタッキーからは「しおやん先輩」と呼ばれている。
タッキー
高校1年生の男子。垂水葵央の中学生時代からの友達。まるでアフロのようなボリュームのあるヘアスタイルをしている。周囲からはからかわれる事が多く、いわゆるいじられ役のキャラクター。須磨寺さくらと葵央の交際を羨ましく感じながらも、積極的に応援している。
ぱっつん
高校1年生の男子。垂水葵央と同じクラスに所属している。葵央とは親しい友達だが、文化祭で白雪姫の姫役に抜擢され、王子役の葵央とキスしないといけなくなった時には激しく抵抗した。前髪をまっすぐに切りそろえたヘアスタイルをしている。