概要・あらすじ
うだつのあがらない生活を送る探偵の勝己のもとに女性の依頼者がやってきた。依頼内容は、心霊スポット巡りで東北にでかけ、そのまま行方不明になった息子の公平の捜索。最初は乗り気ではなかった勝己だが、報酬の高さに依頼を引き受ける事にした。公平の足取りを追って、東北の村まで来た勝己は、地元のスナックで、心霊研究家を名乗る黒沢真紀に出会う。
真紀の話によると、この村では人食い鬼が神格化されて、神社に祀られているのだという。その昔、寛永の大飢饉の際。一番男が少ない村が、他の村からの襲撃を受けた。侵略者は、女を犯しながら殺し、あまつさえ空腹を満たすためにその肉を食ったという。逃げ延びた女達数人は、鬼女となって村を取り戻し、外界に復讐を行ったという伝説から、鬼が神様となったらしい。
山に何か秘密があると推察した勝己は、山中に足を踏み入れる。カーナビが途絶えた後、徒歩で細い小路を抜けた先、勝己の眼下に広がったのは、地図にない村の姿だった。