モキュメンタリー形式によるリアルなフィクション
本作はモキュメンタリー形式を採用しており、作中に登場する資料や逸話はすべてフィクションである。しかし、その描写が非常にリアルなため、読者はまるで実際に起こった事件のように錯覚し、物語の世界に深く引き込まれていく。
県境をまたぐ怪異と失踪事件
舞台は具体的な場所を明かされていないが、ある山を中心とした地域。その西側には廃墟やトンネル、ダムといった心霊スポットが点在し、県境を越えた東側には自殺者が絶えないマンションや幽霊屋敷が存在する。この土地では、女性を山へ誘い込むという怪談や、女性・女児の失踪事件が散発していた。しかし、これらの出来事は県境をまたいで起きていたため、小沢という編集者が注目するまでは、一連の事象が同じ地域に根ざしているとは誰も気づいていなかった。
謎の場所「●●●●●」に潜む三大怪異
謎に包まれた場所「●●●●●」にまつわる怪異は、大きく三つの種類に分けられる。一つ目は、女性や女児を山へと誘い込む「山に誘うモノ」。二つ目は、その存在を認識した者の前に現れる「赤い女」。そして三つ目は、簡略化された鳥居と不気味な人影、さらに四隅に文字が描かれた「シール」である。これらが何を意味し、何を求めているのか。その謎は考えれば考えるほど深まり、読者を底知れぬ恐怖の闇へと引きずり込んでいく。
登場人物・キャラクター
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ライターを生業とする人物。性別や外見については描写されていない。かつてはオカルト雑誌への寄稿が多かったが、近年の出版不況の影響で、現在はパチンコ雑誌などへの寄稿で生計を立てている。しかし、小沢が不定期刊行のMOOK本「別冊○○○○」を任されたことをきっかけに、謎の場所「●●●●●」に関する逸話を特集することになり、そのための資料調査や同雑誌への寄稿も担当することになる。小沢が「●●●●●」の調査に没頭する様子を客観的に見つめつつ、自身にも危険が及ぶのではないかと懸念している。
小沢 (おざわ)
MOOK本「別冊○○○○」の編集を担当する男性。茶髪のマッシュルームボブで、非常に探究心が旺盛。「●●●●●」という地域で県をまたいで心霊事件が多発していることに気づき、過去の記事や読者からの投稿を徹底的に洗い出し、特集記事の企画を進めている。先輩編集者が「オカルト記事はリアリティのある作り話でいい」と考えているのに対し、彼はあくまでも真実を追求し、実際に起こったことを記事にしたいと強く思っている。
クレジット
- 原作
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背筋







