概要・あらすじ
成葉樹は、学生の頃からファッション誌が大好きだった。そして26歳の現在、アルバイトを経て、人気ファッション誌「Joie」の正社員になっていた。仕事に燃える彼女は、彼氏である湊とのデートの際も、ノートパソコンを持ち込む始末。そんなことが相次ぎ、仕事を忘れて楽しみたい湊と、仕事から離れられない樹は、ついにケンカしてしまう。数日後、自分の態度を反省し、湊に謝ろうと思っていた矢先、樹は湊の浮気現場を目撃してしまう。飲み屋で、他の女と腕を組んで入店してきた湊とばったり出くわしてしまったのだ。反射的に全力の顔面パンチをお見舞いして逃走する樹。公園のベンチで一人落ち込んでいた樹は、財布を店に忘れてきたことに気づく。あわてて戻ろうとしたとき、突然、モデルのようなイケメンが目の前に現れた。彼は「あなたのかと思って」と、樹に財布を手渡し、さらに鞄から絆創膏を取り出した。樹の拳は、湊を殴ったときに傷ついていたのだ。彼は、思わず泣き濡れる樹の手を優しく握り、絆創膏を貼った。お礼を言い、お金を払うという樹を制止し、「また会えますよ」と言って彼は去っていった。翌日、出社した樹に副編集長が声をかける。新しいアルバイトが来るから、面倒を見てくれと命じられた樹は、正面口にバイトを出迎えに向かう。そこにいたのは、昨日公園で絆創膏を貼ってくれた、イケメン美少年だった。彼の名は藤桐。「樹さんにまた会いたかった」という藤は、樹に好意を寄せている様子だった。謎の美少年の登場に、樹の心は大きく揺れ動くのであった。
登場人物・キャラクター
成葉 樹 (なるは いつき)
26歳の女性。人気ファッション誌「Joie」で働く。ファッション誌の仕事が大好きで、プライベートを投げうっても仕事を優先してしまう。そのことが原因で、大学2年のときから5年間付き合っていた湊と別れることになる。アルバイトとして突然編集部にやってきたイケメン美少年の藤桐に、次第に惹かれていく。
藤 桐 (ふじ きり)
21歳の男性。180センチメートルを超える長身で、モデルのような美少年。人気ファッション誌「Joie」にアルバイトとしてやってくる。成葉樹に好意を寄せているような素振りを見せる。実は「週刊ZET」というゴシップ誌とつながっており、「Joie」編集部の過去の事件について調べている。