透明アクセル

大手広告代理店の新人営業マン・青木智也は、競艇担当として、フィギュアスケート女王を競艇に転向させるよう命令された。広告代理店の裏側と、競艇に転向したアスリートの生き様を描く、ビジネスサクセスストーリー。

正式名称
透明アクセル
作者
ジャンル
サラリーマン
レーベル
イブニングKC(講談社)
巻数
全3巻
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概要・あらすじ

大手広告代理店の「天博堂」にコネ入社した青木智也は、まったく興味のない競艇の担当になった。しかも上司の宮本律子からは、フィギュアスケート女王の浅村真由奈を競艇に転向させるよう命令される。真由奈にはまったく相手にされなかった智也だったが、ナンバー2の山田麻美を競艇に転向させることにはどうにか成功。

律子は麻美を使って、競艇のイメージアップを図る作戦に出る。そこに、ライバル社の「電豪」が横やりを入れてくるのだった。

登場人物・キャラクター

青木 智也 (あおき ともや)

株式会社「天博堂」第8営業局第4営業チームの新人営業マンの男性。父親は演歌の大御所である塙竜太郎で、そのコネによって入社した。本当は小説家になりたいという夢があった。しかし、竜太郎には、一族の才能が自分1人に集約されているため、お前には何の才能もない、と断言された。その代わり、竜太郎のコネを存分に使って生きてゆくように勧められる。 一見凡庸な性格と外見。しかし、幼い頃から有名人の間で育って来たため、普通の人では考え付かないようなアイデアを思いついたり、大物にも物おじしない態度で接することができる。

宮本 律子 (みやもと りつこ)

株式会社「天博堂」第8営業局第4営業チーム所属の女性。青木智也の直属の上司で、はっきりした性格の美人。世間に競艇ブームを起こすため、フィギュアスケートのトップスケーターである浅村真由奈の競艇転向を画策するなど、大胆な物の考え方をする。エンタテイメント事業部の藤森伸也と過去に交際していた。

野口 (のぐち)

株式会社「天博堂」第8営業局第4営業チームの営業マンの男性。青木智也の先輩。かなり軽い性格で、「チス」が口癖。実家は地方公務員で、アイデアや企画などでも、ごく平凡な考え方をする人物。そのため、宮本律子の突飛な考えや、青木の物おじしない態度には、いつも驚かされている。律子、智也と共に競艇の宣伝の仕事を担当する。

部長 (ぶちょう)

株式会社「天博堂」第8営業局第4営業チームの部長。眼鏡をかけた壮年男性で、会議中でもキャバ嬢にメールをするなど、常にやる気がない。さらには、キャバクラで社内の情報をしゃべってしまうなど、何かと抜けた人物。

塙 竜太郎 (はなわ りゅうたろう)

演歌界の大御所で、芸能界の重鎮。青木智也の父親。小説家になりたがっていた智也に、才能がないからと言ってやめさせ、大手広告代理店「天博堂」にコネ入社させた。その代わり、智也の仕事上の頼みには融通を利かせてフォロー。フィギュアスケート界への取材許可、鵜飼の記者会見への出席、競艇映画への大物アーティストの起用など、すべてに手を回す。

浅村 真由奈 (あさむら まゆな)

フィギュアスケート界の揺るぎなき女王。不動の実力で、常に2位の山田麻美を寄せ付けず、自己ベストを更新し続けている。青木智也が、稼げるからと競艇への転向を持ちかけた際は、顔色すら変えず完全に無視する。

山田 麻美 (やまだ あさみ)

フィギュアスケート全日本2位の実力を持つ女性スケーター。不動の女王である浅村真由奈には勝てずにいる。青木智也が、真由奈に転向を持ちかけた際の、「競艇は稼げる」という言葉を聞き、競艇選手になろうと決意。その背景には事情があった。フィギュアスケートを続けるためには金が必要なため家を売り、父親は出ていき、弟は希望の高校に進学できない、という状況に陥っていたのだった。

山田 涼平 (やまだ りょうへい)

山田麻美の弟で中学生。野球で甲子園、ゆくゆくはプロを目指している。実力もあり、チームメイト共々野球名門校の横浜一高から誘われている。しかし、姉のフィギュアスケートに金がかかり過ぎているため、諦めて地元の公立高校に進学しようと考えている。

山田麻美の母 (やまだあさみのはは)

山田麻美の母親。麻美の競艇選手への転向には猛反対。麻美を騙していると、広告代理店「天博堂」や青木智也に対して敵愾心を持つ。また1千万円の小切手持参で訪れた広告代理店「電豪」の五十嵐にも反発する。

五十嵐 (いがらし)

大手広告代理店「電豪」の中堅営業マンの男性。宮本律子とは面識があり、ライバルと見なしている。新人の竹内と共に競艇の宣伝を担当。フィギュアスケートから競艇に転向しようとした山田麻美を横取りするため、1千万円の小切手を用意するなど、かなりえげつない方法を使う。麻美の獲得に失敗してからは、他のトップアスリートを競艇に転向させようと目論む。

竹内 (たけうち)

大手広告代理店「電豪」の新人営業マンの男性。眼鏡をかけたクールな容貌。父親は俳優の東大路伸也で、「電豪」にはコネ入社した。五十嵐と共に競艇の担当になり、競艇場に通う。広告代理店「天博堂」の青木智也には、有名人の父親を持つ新人、かつ同じ競艇担当という境遇で、ライバル心を抱いている。

小野 (おの)

競艇協会の広告担当の中年男性。競艇のイメージアップと集客を望んでおり、広告代理店の「天博堂」と「電豪」のどちらにもいい顔をする。「天博堂」が企画した競艇映画に、競艇協会も費用の3分の1を出資することを約束する。しかし、映画の物語上で訓練生が死亡する展開には、絶対反対の立場を取る。

川島 慶一郎 (かわしま けいいちろう)

やまと競艇学校の第107期訓練生の男性。冬季オリンピックのスノーボードハーフパイプ銀メダリスト。広告代理店「電豪」の五十嵐の作戦により、競艇に転向した。

梶本 竜介 (かじもと りゅうすけ)

やまと競艇学校の第107期訓練生の男性。モトクロスバイク世界チャンピオン。広告代理店「電豪」の五十嵐の力により、競艇選手へと転向した。モトクロスでの激しい競り合いに慣れているため、競艇でもタイミングやコース取りが上手。その点で山田麻美、川島慶一郎を一歩リードする。

畠山 香織 (はたやま)

やまと競艇学校の第107期訓練生の女性。体力がなく、勉強の覚えも悪い。山田麻美と最も親しく、彼女に励まされて必死に努力する。就寝時間後もトイレで勉強していたため、脱走と疑われて騒ぎを巻き起こす。

石川 華代 (いしかわ はなよ)

宮本律子の大学の恩師の女性。社会学の権威で、ショートカットの気の強い美人。ベストセラーの著書「女の風格」で有名になり、テレビのコメンテーターとしても活躍している。山田麻美を使った競艇プロモーションを、女性の自立、社会進出などと結び付けて宣伝をする。

鵜飼 雅代 (うかい まさよ)

鵜飼の妻。石川華代の古くからの友人で、山田麻美の競艇転向記者会見に参加し、女性の社会進出を応援する。また青木智也の頑張りを認め、鵜飼を会見に呼ぶことにも大きく貢献する。智也の父親である塙竜太郎とは鵜飼の選挙区で一緒に選挙カーに乗ったことなどがあり、旧知の仲である。

鵜飼 (うかい)

首相を務める男性。選挙区の北海道が塙竜太郎の出身地であるという縁で、竜太郎に選挙カーに一緒に乗ってもらい、応援されたことがある。竜太郎の記念館ができた際には、オープニングセレモニーに参加。当時中学生の青木智也と共にテープカットを行った。

藤森 真也 (ふじもり)

株式会社「天博堂」エンタテイメント事業部エグゼクティブプロデューサー。青木智也に依頼され、競艇の映画を作ることになる。肩までの長髪に色つき眼鏡、口髭、大ぶりのアクセサリーなど、いかにも業界人と言った風体の男性。宮本律子と過去に交際していたが、自身の浮気がもとで別れた経緯がある。

矢沢 勝 (やざわ まさる)

大手映画配給会社「童宝」の男性役員。長年、藤森伸也と一緒に仕事をしており、競艇映画でも組むことになる。青木智也の企画書を一読しただけで、智也が競艇に興味を持っていないことを見抜く眼力の持ち主。

筒見 (つつみ)

無頼派の男性映画監督。自分が撮りたいと思う映画しか撮らない。日本映画界では高い人気を誇り、彼が映画を撮るというだけで、大きな話題となる。塙竜太郎の頼みで青木智也と仕方なく会うが、競艇映画の話を興味がないと断る。さらに、智也からハリウッド映画「がんばれベアーズ」と同じような内容で映画を作るように頼まれ、激怒する。

佐野 幸吉 (さの こうきち)

日本映画の男性映画監督。恋愛からコメディ、サスペンスと幅広く手掛ける。ヒット作も多く実績があるが、ここ数年は新作を撮っていない。広告代理店「天博堂」が企画した競艇映画に乗り気で、青木智也から「がんばれベアーズ」を基に映画を製作するように言われ、二つ返事で了承する。

集団・組織

天博堂 (てんぱくどう)

大手広告代理店。有名人や芸能人の息子などを、多くコネ入社させている。その理由は、彼らの持つ人脈はもちろんのこと、小さい頃から有名人に会うことに慣れているため、大物に会いに行く際にも物怖じせず、大きな仕事をまとめやすい、ということ。青木智也も、そういったコネにより入社している。

電豪 (でんごう)

大手広告代理店。「天博堂」のライバル社。「天博堂」と同じく、有名俳優の東大路伸也の息子である竹内などを入社させ、そのコネで仕事をスムーズに運んでいる。川島慶一郎も、竹内のコネクションにより競艇へ転向した。

童宝 (どうほう)

映画配給会社最大手。広告代理店「天博堂」の競艇映画の配給でタッグを組む。役員の矢沢勝は、「天博堂」エンタテイメント事業部の藤森真也と旧知で、長年一緒に仕事をしている。

場所

やまと競艇学校 (やまときょうていがっこう)

競艇選手になるための訓練学校。山田麻美、川島慶一郎、梶本竜介らアスリートが、第107期訓練生として入学した。軍隊以上とも言われる、非常に厳しい規律のなかでの生活を強いられる。映画「透明アクセル」の舞台でもある。

その他キーワード

透明アクセル (とうめいあくせる)

競艇を題材にした映画。広告代理店「天博堂」と映画配給会社「童宝」のタッグで製作された。山田麻美とやまと訓練学校をモデルに、訓練学校での厳しい生活を経て成長する、訓練生たちの姿を描いた青春物語。総製作費は3億円、撮影期間は2か月。タイトルは、麻美がフィギュアスケーター時代に、トリプルアクセルを得意としていたことに由来する。

書誌情報

透明アクセル 全3巻 講談社〈イブニングKC〉 完結

第1巻

(2010年2月23日発行、 978-4063522976)

第2巻

(2010年8月23日発行、 978-4063523218)

第3巻

(2010年12月22日発行、 978-4063523485)

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