邪神の弁当屋さん

邪神の弁当屋さん

作者、イシコの代表作の一つ。「北の国」と呼ばれる王国を舞台に、戦争を引き起こした罰で神の力を奪われたソランジュが、人間として善行を積むため弁当屋として奮闘する姿を描いたファンタジックコメディ。講談社「コミックDAYS」で2024年10月2日から2025年10月8日まで連載。

正式名称
邪神の弁当屋さん
ふりがな
じゃしんのべんとうやさん
作者
ジャンル
ファンタジー
 
料理
レーベル
ヤンマガKCスペシャル(講談社)
巻数
既刊3巻
関連商品
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北の国で信仰されていた神が、弁当屋で善行を積む

かつて北の国には、ソランジュという古くから信仰されてきた神がいた。北の国と南の国とのあいだに起きた戦争の責任を問われたソランジュは、創造主によって神の力を奪われてしまう。人間の姿となったソランジュは「レイニー」と名乗って、北の国の城下町で弁当屋を開業し、善行を積み重ねていつか神の力を取り戻すことを目指している。そのため、ただ弁当を売るだけでなく、常連客との交流を大切にし、彼らの相談にも親身に応じている。

北の国の平和と絆

ソランジュが暮らす北の国は、かつて南の国とのあいだで起きた戦争から25年が経ち、人々は穏やかで平和な日々を送っていた。弁当屋を営むソランジュは、歌手のダリア、巨大なニワトリのチュンちゃん、そして小型の魔物、ベルナルドと共に暮らし、いつも彼女たちのことを気にかけていた。そんな弁当屋に集まる個性豊かな常連客の中でも、ひときわ目を引くのが北の国の宰相、ライラックだった。彼は国王ナタリオの兄であり、その質実剛健な人柄にソランジュは興味を引かれる。ライラックもまた、時に優しく、時に厳しく人々に接するソランジュの人柄に惹かれていく。やがて、ライラックとナタリオの兄弟が、かつてソランジュに命を救われ、その後、世継ぎのいなかった北の国の王族に拾われた子供たちであることが明らかになる。

ソランジュとかかわりを持つ神々

ソランジュたちが暮らす世界には、多くの神々が存在している。南の国で信仰される愛と美の女神、ハルヴァ、東の国に祀(まつ)られる芸術とひらめきの神、クグロフ、そして神格が低いために名前を持たない「病の神」などがいる。神々はソランジュの存在を知っているものの、必ずしも友好的な関係とはいえない。特に病の神は、自らの神格を高めて名前を得るために、ソランジュの力を奪おうと企んでいる。一方で、ソランジュと旧知の仲であるハルヴァは人間に深い愛情を抱いており、彼女にも人間と友好的な関係を築くよう願っていた。ハルヴァの慈愛に満ちた心はソランジュに強い影響を与え、彼女が善行を積むきっかけの一つとなっている。

登場人物・キャラクター

ソランジュ

北の国で弁当屋を営む女性。その正体は、死と実りを司る女神。古くから北の国では信仰の対象とされてきたが、他国では「邪神」として恐れられていた。25年前、北の国と南の国のあいだで起きた戦争の責任を問われ、上官である創造主によって神の力を奪われ、人間の姿で生きることを余儀なくされた。当初はダリアとその祖母、リサのもとに身を寄せ、「レイニー」と名乗った。その後、ダリアと共に城下町へ移り住み、弁当屋を開業した。かつては人間に対して好意的ではなかったが、気まぐれでライラックとナタリオの兄弟を救った過去がある。弁当屋を始めてからは「一日一善」をモットーにしており、善行を積むことでいつか神の力を取り戻すことを目指している。また、親友のハルヴァとの交流を通じて、人間という存在を深く理解したいと考えるようになる。

ダリア

北の国でソランジュと共に暮らす歌手の女性。幼い頃からいっしょにいるソランジュの容姿が変わらないことから、彼女がふつうの人間ではないと薄々感じつつも、その事実を受け入れている。美しい歌声と整った容姿で多くの客を魅了する一方、過度な人間関係を恐れ、客とのトラブルが原因でストレス障害を患ったこともある。ソランジュを心から慕い、彼女を侮辱する者には決して容赦しない。また、同居するニワトリのチュンちゃんや魔物のベルナルドにも懐かれており、ソランジュが不在の際には彼らの世話をしている。

書誌情報

邪神の弁当屋さん 3巻 講談社〈ヤンマガKCスペシャル〉

第1巻

(2025-01-20発行、978-4065378557)

第2巻

(2025-06-19発行、978-4065399392)

第3巻

(2025-11-20発行、978-4065414651)

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