概要・あらすじ
金魚屋古書店はしっかり者の店長代理・鏑木菜月と、居候の漫画マニア斯波尚顕が店番をつとめている。女子大生のキンコ、セドリの小柴あゆら常連は、みな変わり者だが漫画への愛情は深い。店に入った客は手にした漫画を通じて自分の昔を思い出し、現在の自分の「本当」を知る。
登場人物・キャラクター
鏑木 菜月 (かぶらぎ なつき)
ショートヘアーの女性。金魚屋古書店の店長鏑木清太郎の孫娘。祖父が入院したことをきっかけに店長代理を務めている。がんばり屋でしっかり者。キンコ、須藤、小篠あゆら常連達と付き合う中で漫画の知識を深めていく。また一見の客にも誠実に対応しながら経験を積む中で鏑木清太郎から受けた薫陶が活き、書店員としての自覚にも目覚めていく。 店に居候する漫画マニア斯波尚顕からは度々アプローチされているが、常にかわしている。母鏑木穂波が出演する料理教室の番組は、ビデオ録画を欠かさない。
斯波 尚顕 (しば なおあき)
くせ毛があちこちはねた髪型の男性。 漫画の禁断症状で倒れていたところを拾われ、金魚屋古書店の居候に収まり店番をつとめている。客の断片的な情報のみでタイトルや嗜好を言い当てるなど、ずば抜けた漫画の知識を持つ。漫画への悪口を言う者を許さないため、彼が店にいるときは鏑木菜月は客の言動に注意している。 鏑木菜月に好意を持ち、何度もアタックしているが、ことごとく流されている。店主の鏑木清太郎からは気に入られているが、鏑木菜月の父鏑木雅行からは疎んじられている。
鏑木 清太郎 (かぶらぎ せいたろう)
眼鏡をかけた老年の男性。金魚屋古書店の店長で鏑木菜月の祖父。体調を崩し入院したため、店を鏑木菜月に任せる。漫画への愛情が深く博識で、店の居候となっている漫画マニア斯波尚顕も感服させるほど。
キンコ
丸眼鏡をかけたショートヘアーの女子大生。いつも漫画本を読みながら歩いているため、二宮金次郎にちなんでキンコとあだ名された。大学生。人に対して唐突に漫画に関するクイズを出題し、相手が自分との「共通言語」の持ち主かを計るのが癖。漫画に関わる仕事を志望している。
須藤 (すどう)
キンコと同じ大学に通う。万引きを捕まえようとしたキンコに魅かれ、彼女と交際するようになる。
小篠 あゆ (こしの あゆ)
勝気な性格の女性。金魚屋古書店に出入りするセドリ(他店から仕入れた本を古書店へ売って利ザヤを稼ぐ行為)。漫画に対する深い思い入れを持ち、単なる金儲けのセドリに対しては口論を挑む。当初はトメさん(岡留高志)を商売敵と思い突っかかっていた。
岡留 高志 (おかどめ たかし)
物静かな男性。金魚屋古書店に出入りするセドリ(他店から仕入れた本を古書店へ売って利ザヤを稼ぐ行為)。依頼された漫画探しに応じ、必ず見つけ出してくるためセドリ界のゴルゴ13とも呼ばれる。斯波尚顕とは、彼が金魚屋古書店に居候する前からの知り合い。同業の小篠あゆに好意を持っている。
河井 弘 (かわい ひろし)
金魚屋古書店の常連客。TV番組「マンガキング スペシャルコンテスト」でチャンピオンの斯波尚顕に挑戦することになる。
村尾 順也 (むらお じゅんや)
無駄に美形という意味で「ムダ美」と呼ばれている。美術学校で将来を嘱望されていたが、現在は不動産屋に勤務している。男子高出身だが『美少女戦士セーラームーン』を愛読していた。
野本 公平 (のもと こうへい)
眼鏡をかけた男性。漫画好きが高じて脱サラし、貸漫画屋ねこたま堂の店主となる。
辻本 みのる (つじもと みのる)
私立小学校に通う小学生。家は金持ちだが、性格は冷めている。家庭教師の藤田から紹介された金魚屋古書店で読んだ『デビルマン』に衝撃を受け、以来金魚屋古書店に出入りするようになる。
藤田 (ふじた)
キンコ、須藤と同じ大学の大学院生。家庭教師として辻本みのるに勉強を教えている。キンコに好意を持っている。
鏑木 一郎 (かぶらぎ いちろう)
トレンチコートを着て鳥打帽を被った男性。鏑木菜月の父方のいとこ。アメリカで生まれ育ったが、幼少期に読んだ河島光広の推理漫画『ビリーパック』に傾倒しているため、主人公ビリーそのままの格好をし、周囲には自分を「ビリー」と呼ばせる。ついにはアメリカで探偵の免許を取得するに至る。 斯波尚顕とは文通で漫画への愛を語り合っている。のちに金魚屋古書店店長鏑木清太郎の諸国漫遊のお供を申し出る。
鏑木 雅行 (かぶらぎ まさゆき)
鏑木菜月の父親。鏑木清太郎の息子。大手出版社の社長。漫画に囲まれて育った反動から漫画を嫌悪するようになる。娘鏑木菜月を溺愛し、斯波尚顕を毛嫌いしている。
書誌情報
金魚屋古書店 17巻 小学館〈IKKI COMIX〉
第1巻
(2004-12-24発行、 978-4091885531)
第2巻
(2005-08-30発行、 978-4091885548)
第3巻
(2006-03-30発行、 978-4091883155)
第4巻
(2006-11-30発行、 978-4091883469)
第5巻
(2007-05-30発行、 978-4091883650)
第6巻
(2007-12-26発行、 978-4091883902)
第7巻
(2008-07-30発行、 978-4091884206)
第8巻
(2009-01-30発行、 978-4091884398)
第9巻
(2009-09-30発行、 978-4091884770)
第10巻
(2010-04-28発行、 978-4091885159)
第11巻
(2010-11-30発行、 978-4091883322)
第12巻
(2011-06-30発行、 978-4091885494)
第13巻
(2012-02-29発行、 978-4091885746)
第14巻
(2012-12-27発行、 978-4091886101)
第15巻
(2013-11-29発行、 978-4091886378)
第16巻
(2014-07-30発行、 978-4091886606)
第17巻
(2020-06-30発行、 978-4091886996)