銀河戦国群雄伝ライ

銀河戦国群雄伝ライ

広大な宇宙を支配していた神聖銀河帝国が崩壊し、各地の英傑が次代の覇者を目指して躍動する世界を舞台に、主人公・竜我雷が多くの仲間に支えられてのし上がっていく戦国群雄物語。スペースオペラを下敷きに、日本や古代中国の戦国要素を巧みにミックスさせた真鍋譲治の代表作。

正式名称
銀河戦国群雄伝ライ
ふりがな
ぎんがせんごくぐんゆうでんらい
作者
ジャンル
その他SF・ファンタジー
 
ファンタジー
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概要・あらすじ

270年にわたって広大な宇宙を支配していた神聖銀河帝国は、第十三代皇帝・光輝帝の崩御によってその命運を終えた。帝国崩壊による混乱のなか、いち早く名乗りを上げたのは元帝国左将軍・比紀弾正。強力な軍勢により、瞬く間に帝国の約半分となる北天を平らげた彼は、五丈国を打ち立てる。帝国の残る半分、すなわち南天は小国が乱立する状態にあり、比紀弾正の天下統一は時間の問題に思われた。

圧倒的な戦力で南天征圧を進める五丈軍。比紀弾正に仕える主人公・竜我雷も一個師団を与えられ、この大攻勢の先鋒を担った。だが、南天の女傑・独眼竜正宗が、それに待ったをかける。彼女は短期間のうちに諸国をまとめ上げて南天連合を結成すると、地の利を生かした巧みな戦術で数に勝る五丈軍を撃退したのだ。

やがて両陣は膠着状態に陥り、にらみ合いが続くなか、老齢の比紀弾正が病没。さらなる混迷と動乱を強める銀河で、竜我雷の覇業が始まる。

登場人物・キャラクター

竜我 雷 (りゅうが らい)

五丈国の平民上がりの軍人で、登場時は海兵団突撃中隊長を務めていた。五丈国が佐倉を攻めた際に、紫紋の父・阿曽主禅を討ち取る戦功を立て、その活躍ぶりなどが五丈国の四天王・狼刃の目に留まる。そして、狼刃麾下の独立四〇七七重機甲師団・師団長に大抜擢され、南天征圧など数々の戦で武勲を挙げ名声を高めていった。 やがて、五丈国の国主・比紀弾正が志半ばで倒れると、群雄が割拠し千々に乱れる銀河を、己の力で統一するべく歩み始める。並外れた悪運と胆力、銀河有数の剣の腕前を誇る豪の者だが、仁義に篤く、他人の助言や力量・功績を素直に受け止める柔軟な精神の持ち主。また、無学だが頭の回転は速く、要点の見極めに長けるため、迅速果断で思い悩むことは少ない。 そうした性格が多くの英傑を惹きつけ、竜我雷も彼らを大いに信用したことから、その結束は極めて強固になり、群雄割拠する銀河で一大勢力を築くに至った。プライベートでは女性を好み、権力掌握後は300人以上の女性を後宮に住まわせている。兵卒時代はどちらかというと女性を苦手とするタイプだったが、紫紋との結婚を機に払拭されたようだ。 その一方で、妻である紫紋、麗羅、楊尚香、綺羅の4人に対しては特別な愛情を抱いており、彼女らの不興をこうむらぬよう配慮している姿が窺える。

紫紋 (しもん)

瓦解した神聖銀河帝国の将官で、帝国残党を取りまとめていた阿曽主禅のひとり娘。母親は神聖銀河帝国皇帝の息女で、皇家の血を引く最後のひとりでもある。竜我雷によって父親を討たれた後、五丈国の国主・比紀弾正に身柄を引き渡された。が、皇統の血筋に価値を見出さない比紀弾正は、厄介払いも兼ねて、彼女を竜我雷に下賜。 当初は父に直接手を下した仇として、竜我雷を憎んでいたが、彼のひととなりを知り、乱世の行く末を託すに相応しい人物であると認めると、次第に彼を愛するように。そして、竜我雷が南京楼の太守に任命されると正式に結婚し、出征で留守が多い夫を優れた内助の功で支え続けた。 物語序盤は敵国での虜囚の身という立場や若さが相まって、気丈な面が目立つ娘だったが、竜我雷を認めて以降はすっかり落ち着き、懐の深い穏和な女性として成熟する。竜我雷が他の女性を娶ったり、自分に子が授からず、第二夫人の麗羅が男児を出産した折にも妬むことなく、むしろ我が事のように喜んだほど。 そうした人柄により、他の夫人や家臣らの多くに愛され、慕われた。

麗羅 (れいら)

五丈国の国主・比紀弾正が晩年に授かった娘。父親に直訴する竜我雷の姿を見かけて以来、彼に関心を持ち、何かと絡むようになる。権勢を誇る父に甘やかされたせいか、男勝りで奔放、感情を隠さない我儘な性格で、周囲を大いに困らせるのが常だった。だが、父の死後、骸羅の傀儡として自由を奪われた彼女は自分自身の無力さを知り、心底打ちのめされる。 その経験から心を改めた彼女は、傀儡の境遇から救ってくれた竜我雷に嫁いで第二夫人となり、後の皇太子・梵天丸を授かった。第一夫人の紫紋とは、紫紋が比紀弾正の虜囚となって以来の知り合いだが、当初は紫紋のことを見下しており、竜我雷を巡ってよく争っていた。 が、竜我雷夫人として同じ境遇に立った後は、紫紋の心の深さも手伝って、かけがえのない友人として親愛の情を抱くようになる。

大覚屋 師真 (だいがくや ししん)

南京楼の豪商・大覚屋の長男。史書、経書、兵法、天文、医学などあらゆる学問に通じる全銀河屈指の天才戦略家だが、普段は酒と女に溺れる日々を過ごし、その力量を隠している。彼の本性を知る各国の要人はこぞって彼を招聘しようと試みたが、大覚屋師真は主を定めようとはしなかった。 そんななか、南京楼の新太守として赴任してきた竜我雷の許嫁・紫紋にひと目惚れしたことから、大覚屋師真は竜我雷と運命的な出会いを果たす。竜我雷に既存の型に囚われない新たな支配者としての資質を見出した彼は、弱小勢力に過ぎない竜我雷の友として、また軍師として仕える道を選択。その神算鬼謀を余すところなく発揮して、竜我雷の覇業における最大の立役者となる。

大覚屋 英真 (だいがくや えいしん)

南京楼の豪商・大覚屋の次男で、放蕩者の兄・大覚屋師真に代わる跡取りとして周囲に期待されている。ただ、兄の才覚を承知している彼は兄に心酔しており、兄が全銀河を舞台に羽ばたく日を心待ちにしていた。大覚屋師真が竜我雷に仕官したのちは、大覚屋英真も経済顧問として重用されるようになり、竜我雷の覇業を経済的に後押しする。 しかし、南京楼に戦火が及び実際に戦争を経験すると、心境が変化。戦乱の回避のみを考えるようになり、北天と南天が天下を二分して支配する南北二朝制を主張するようになる。これは大覚屋師真はもとより竜我雷、羅候にとっても到底容認できないもの。 しかし大覚屋英真は兄を超えるため、持論に固執し続けるのだった。

孟閣 (もうかく)

竜我雷が師団長として赴任した独立四〇七七重機甲師団の副師団長。冷静かつ勇猛、戦経験も豊富な強者である。当初は異例の出世で自分の上官となった竜我雷を信用していなかったが、南征での活躍を見て以後、心服するようになった。竜我雷からの信頼も篤く、筆頭武将として様々な戦場で活躍。 度重なる功績により、竜我雷が五丈王に即位した折には、大将軍に任命された。

項武 (こうぶ)

南京楼の近くに拠点を構え、父・項焉と共に海賊行為を行っていたが、竜我雷の度量の大きさに感服して海賊団ごと帰順した。重さ八十斤を超える大斧を自由自在に操る豪傑で、竜我雷の傘下に入ってからはほとんどの戦で先陣を務める斬り込み役として活躍する。当初は深慮に欠け、自身の武勇のみに頼る猪武者的な一面があったが、戦歴を重ねるうちに指揮官として熟成し、五丈国を代表する将軍となった。

林則嘉 (りんそくか)

南京楼に住まう、読書が趣味のうだつの上がらない青年。仕事をサボって読書をする悪癖が抜けず、ことごとく勤め先をクビになり、食事にも事欠いて行き倒れていたところを蘭々に拾われる。その後、大覚屋師真によって才能を見出され、大覚屋師真に次ぐ副軍師として活躍。冷徹で硬質な天才肌の大覚屋師真に対し、地味だが誠実で柔軟性に富んだ献策により、竜我雷の覇業を大きく助けた。

雲海入道 (うんかい にゅうどう)

太助と共に、竜我雷が兵卒だった頃からの友人。かつては高僧に仕える身分だったが、大酒が祟って宗門を追われた過去を持つ。竜我雷にとっては全幅の信頼を寄せられる人物のひとりであり、彼が南京楼の太守として武王都を離れたときは、ひとり残って麗羅救出の密命を果たした。

太助 (たすけ)

竜我雷と同郷で、彼のことを兄と慕い、雲海入道と共に戦い続けてきた人懐っこい少年。小柄な体格だが、素早い身のこなしで、銃や爆薬を巧みに使いつつ戦う。その身軽さを活かして、竜我雷が南京楼の太守となって以降は、敵地への潜入工作などを主な任務とするようになった。

比紀 弾正 (ひき だんじょう)

かつては神聖銀河帝国の左将軍として名声を馳せた男で、麗羅の実父でもある。皇帝の崩御により帝国が瓦解すると、いち早く軍を起こし、その圧倒的なカリスマ性で多くの勇将を味方に引き入れつつ、瞬く間に北天を制圧。五丈国を興して、天下統一に向け邁進した。だが、その野望は南天連合の盟主・独眼竜正宗の戦略に阻まれ頓挫。 老齢だったことも災いし、娘を竜我雷に託すと、志半ばで病没する。自らの死後、天下が乱れることを危惧した比紀弾正は、死の間際にあろうことか敵将・独眼竜正宗を後継者に指名。だが、そのことがかえって争いの種となり、天下はさらなる戦乱へと加速した。

鳳鳴 (ほうめい)

比紀弾正が誇る五丈四天王の筆頭で、常に仮面を付けた冷酷な将軍。序列上では、比紀弾正に次ぐ五丈国のナンバー2に位置し、多くの将兵を指揮する立場にある。外様である玄偉の台頭を恐れ、度々失脚させようと試みたが、その成果が上がる前に主君・比紀弾正が病死。時をおかずして、麗羅を擁して実権を握った骸羅に謀られ、凶刃にその命を散らした。

玄偉 (げんい)

比紀弾正が誇る五丈四天王のひとり。元々は神聖銀河帝国の将軍だったが、帝国の崩壊を食い止めることは不可能と考え、早々に比紀弾正に降る。優れた政治・戦略手腕の持ち主として知られていた彼の投降は帝国側にとって致命傷となり、五丈国による北天統一を加速させた。その功績により比紀弾正に重用され、四天王の一角となるが、譜代の家臣らからは快く思われていない。 とくに鳳鳴は玄偉を強く警戒しており、事あるごとに対立して失脚の機会を狙う。その見立ては実のところ正しく、玄偉は表面的には比紀弾正に忠誠を誓っているが、内心では天下人の座を虎視眈々と窺っていた。しかし、比紀弾正が倒れた後、実権を掌握した骸羅によって暗殺されそうになる。 その場は影武者を使って難を逃れたものの、五丈国での基盤を失い、辺境の異民族国家・西羌国に身を寄せて再起の機会を待つことになる。

華玉 (かぎょく)

五丈四天王のひとりである玄偉の腹心。誰もが認める美女だが、それだけでなく優れた頭脳も併せ持つ才女。また、比紀弾正の相談役であった李張道士の弟子でもあり、道士としての術も心得ている。竜我雷が、主の覇業の最大の障害になることを早くから危惧しており、梨扇を刺客として送り込むなどした。 が、玄偉の正体を知った後は、竜我雷の陣営に降り、大覚屋師真の右腕としてその才覚を発揮。

蘭々 (らんらん)

華玉の妹で、姉と共に、李張道士の元で学んでいた少女。紫紋の側仕えを担っており、竜我雷が南京楼に赴任したときにも、主人につき従っている。幼いながらもしっかり者で、当初は荒くれ者の竜我雷に嫁ぐ主人を案じていたが、彼のひととなりを知るにつれて考えを改めた。華玉との仲は良好だが、彼女の目的や謀には一切関与しておらず、華玉もそれらの件では妹と一線を引いているようだ。

狼刃 (ろうは)

比紀弾正が誇る五丈四天王のひとりで、女性ながら知勇兼備の名将として名高い。竜我雷の天下人としての素質を早くから見抜き、自軍の一個師団を任せて鍛え上げた、彼の師と呼べる存在。また何かと騒動を起こす竜我雷を庇いだてするのも狼刃の役目だった。忠義に篤い人物であり、比紀弾正の死後、骸羅による暴政が始まった後も、主君への忠義ゆえに五丈国に留まり、臣下として仕え続ける。 竜我雷が骸羅を打倒し、自らの旗を打ち立てようとしたときには、五丈国の将軍としてその前に立ちはだかった。それは、愛弟子である竜我雷が全銀河を統べる覇者となるための、最初の大きな試金石となるのだった。

骸羅 (がいら)

比紀弾正の旗揚げ時からの宿将で、南蛮人の血を引く虎頭の巨漢。見た目通り、相手を腕力で捻じ伏せる強引な性格で、用兵も力押しの突撃ばかりだが、五丈四天王の一角に座すほどの武勇を誇る。主君の死後、比紀弾正の遺児・麗羅を擁立し、同時にそれまで何かと反目していた鳳鳴、玄偉を闇討ちして五丈国の実権を掌握した。 その後、傀儡化していた麗羅を排斥し、国号を大五丈と改めて、初代皇帝の座につく。逆らう者を皆殺しにする彼の治世は暴虐を極め、宮廷は放漫の限りを尽くして酒池肉林と化した。骸羅の悪政に五丈国の民は塗炭の苦しみを味わうこととなり、それが竜我雷旗揚げの大義となるのだった。

骸延 (がいえん)

五丈四天王のひとりであり、後の大五丈皇帝・骸羅の末弟。兄たちと同じく南蛮の血を引く獣頭人身の男だが、武力一辺倒の兄とは違って知略に優れ、様々な助言を与えて補佐した。しかし、玄偉の幻影に悩まされて正気を失った骸羅に、根も葉もない疑いをかけられた挙句、目の前で妻子を惨殺されたことから精神崩壊に陥ってしまう。 かつては、比紀弾正の相談役であった李張道士の元で学んでおり、玄偉の腹心である華玉とは兄弟弟子の間柄である。

李張 (りちょう)

五丈国の国主・比紀弾正が旗揚げの際に招聘した軍師で、五丈国の成立に大きく貢献した。現在は引退して相談役といった立場だが、五丈国の重臣たちも逆らえない影響力を持つ。道士としても高名で、易などを用いて未来を予測できるほか、私塾を開いて骸延、華玉、蘭々らに教えを説いた。

独眼竜 正宗 (どくがんりゅう まさむね)

銀河帝国の南天に位置する、智国の国主代理を務める隻眼の女将。正宗とは智国の国主の尊号で、本名は紅玉と言う。父である先代・正宗が死去した際、弟の虎丸が幼かったことから、弟が元服するまでの間、彼女が正宗を名乗り、国政を取り仕切ることとなった。 極めて高い戦略眼と行動力を有する女傑で、小国が乱立する南天を瞬く間にまとめ上げ、南天連合を成立させると、その盟主の座につく。そして、天下統一を目論む比紀弾正の大軍勢による南征を見事に迎撃し、竜我雷をはじめ五丈軍の猛者たちを恐れさせた。五丈国を撃退した後は、その余勢を駆って南天でのライバル・明国を滅ぼし、孟国・趙国を併合、練国にも隷属を強いて事実上の南天統一を果たす。 さらに、五丈国の政変に乗じて北伐を仕掛け、全銀河を手中に収めんと五丈国の首都星・武王都に肉薄、天下統一は目前と思われた。だが、彼女の風下に立つことを快く思わない練国の羅候と姜子昌の策により、本国で造反が勃発。 この事件により、智国は虎丸が正式な国主となり、代理だった独眼竜正宗は失脚して乱世の表舞台から退場する。

飛竜 (ひりゅう)

智国の軍人で、独眼竜正宗の親衛隊長を務める女性。独眼竜正宗にとっては、全幅の信頼をおく知恵袋でもある。常に主の側にあって的確な助言で補佐し、独眼竜正宗の叔父・丁儀の造反についても看破していた。しかしその言は聞き入れられず、独眼竜正宗の失脚へと繋がってしまう。 練国の姜子昌とはかつて同じ学舎で学んだ同輩であるが、独眼竜正宗と練国の対立が本格化して以降は、強力なライバルとして知力を尽くした勝負を繰り広げる。

虎丸 (とらまる)

智国の太子で、独眼竜正宗の歳の離れた実弟。虎丸は幼名で、本名は紅膳という。幼さのせいもあるが、知勇に優れる姉とは対照的に凡庸な人物で、周囲の意見に流されやすく決断力に欠ける。また姉のことを心から敬愛し慕っているが、それを逆用されると反論できないのも欠点。そして、そこにつけ込まれた結果、智国の内部分裂の原因を作り、独眼竜正宗の失脚と智国の凋落へと繋がっていくのだった。

羅候 (らこう)

南天の小国・練国の太子で、比紀弾正の南征で父・羅鶴が戦死したことから、若くして練国の国主となる。血の気が多く、直情径行な性格ゆえに当初は独眼竜正宗に手玉に取られ、智国の事実上の属国としての地位に甘んじていた。だが、練国随一の切れ者で、親友でもある姜子昌を招聘した後は徐々に挽回。 独眼竜正宗の叔父・丁儀を利用して、智国の内部分裂に成功し、独眼竜正宗の失脚と智国への主導権確保を遂げたほか、父の代から友誼のあった南蛮王国に王権を譲られるなど着実に地盤を拡大する。そして、竜我雷率いる五丈国に匹敵する一大勢力にのし上がると南天王を名乗り、竜我雷の最大のライバルとして長き死闘を繰り広げることに。

姜子昌 (きょうししょう)

若い頃から練国の麒麟児として、その才覚を嘱望されていた名将。比紀弾正率いる五丈国軍が南天に侵攻した際、南天連合として迎撃に参加することを強く諌めたことから、練国の国主・羅鶴に疎まれ、謹慎処分に処されていた。だが、その戦で羅鶴が戦死し、幼い頃からの友人だった羅候が跡目を継いだことにより軍務に復帰。 練国の大都督(大将軍)として、その辣腕を発揮し、五丈国の大覚屋師真、智国の飛竜らと渡り合っていくことに。飛竜とはかつて同じ学舎で学んだ旧知の仲だが、異なる主君を仰いだことから好敵手となった。

邑峻 (ゆうしゅん)

南蛮王国の王女で、後に羅候の妻となる女性。明るく元気な娘だが、武芸を好み、輿入れの際に百人の武装した女兵士を引き連れたり、身重の体で戦場に同伴して白兵戦を行ったりするなど相当なじゃじゃ馬である。感情的かつ自己中心的になりやすく、羅候や姜子昌の決断に異を唱えては変更させ、そのことが悪い意味で大局に影響してしまうことがある。 ただ、羅候に対する愛情は疑いようがなく、彼を天下人にするためなら、母国を捨石にすることも辞さないほど。

蹄庖 (ていほう)

練国の若き参軍校尉で大都督(大将軍)・姜子昌の右腕と評される知勇兼備の男。本国を離れられない姜子昌に代わって銀河を渡り歩き、美しい容姿と流れるような弁舌を武器に、各所で謀略の火種を育て上げる。

秦宮括 (しんていかつ)

銀河の辺境に位置する異民族国家・西羌国の王子で、武芸に秀でた若武者である。五丈国を追われ西羌国に亡命していた玄偉を訝しんでおり、父王・秦罵に玄偉を重用しないよう諫言するが、かえって不興を買い謹慎を命ぜられた。その後、秦罵は玄偉の言うなりに五丈国に侵攻し、あえなく戦死。 国王に即位した秦宮括は、自身の言が受け入れられなかったとはいえ、父の仇を討つ復讐戦を挑み、勇名に恥じない戦いぶりを見せるが敗北。敗者として、竜我雷の元へ引き立てられ、そのとき彼の器の大きさに触れることになる。そして、竜我雷との間に友誼を結んで共存の道を歩み始める。

場所

五丈国 (ごじょうこく)

『銀河戦国群雄伝ライ』に登場する国家。首都星は武王都。神聖銀河帝国崩壊後に比紀弾正が一代で築き上げた国で、銀河北天のほぼ全域に及ぶ広大な領土を誇る。比紀弾正が没した後は、麗羅を傀儡に立てた骸羅が実権を握った。その後、骸羅は大五丈と改名して斉王都へ遷都し、自ら皇帝を名乗る。竜我雷によって骸羅が打倒された後は、竜王・竜我雷が支配者となり、体制を一新して新王朝を打ち立てた。 このときの首都星は南京楼だったが、後に斉王都へと戻される。

智国 (ちこく)

『銀河戦国群雄伝ライ』に登場する国家。南天に位置し、首都星は南帝閣。南帝閣周辺で活動していた海賊が、治安維持を名目に神聖銀河帝国から官位を戴いたのが国の成り立ちで、智国の国主は代々正宗を名乗るのが習わしになっている。先代・正宗の死後、正式な国主継承者は長男の虎丸にあったが、まだ幼少だったため元服までの間、長女の紅玉(独眼竜正宗)が国政を司っている。

練国 (れんこく)

『銀河戦国群雄伝ライ』に登場する国家。南天に位置し、首都星は益州都(後に大王理と改名された)。南天のなかでも辺境に位置し、神聖銀河帝国の領域外の異民族国家・南蛮王国と関わりが深く、羅候をはじめ王族も獣頭人身の南蛮人の血を引いている。当初は智国から軽くあしらわれる弱小国だったが、独眼竜正宗の失脚に成功して以来、勢力を拡大。 さらに、南蛮王国から王権を譲渡されたことで、勇猛果敢な南蛮人の将兵と豊富な鉱物資源に支えられた強国へと成り上がった。

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