鏡よ鏡…

鏡よ鏡…

若さと美しさにとらわれる女の性(さが)を描いた短編。「ぶ~け」昭和61年10月号に掲載された『星の運行』を単行本化にあたって改題した作品である。

正式名称
鏡よ鏡…
ふりがな
かがみよかがみ
作者
ジャンル
サスペンス
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概要・あらすじ

中学2年生の鈴木雪は、美しい女優の母・羽深緋鶴が何よりの誇りだが、自身は母に似ず太っており、大食いもやめられない。父は雪が産まれてすぐ家を出ていったため、顔もわからなかった。学校ではいじめられ、家でも母は雪に冷たい。しかし、母の8人目の恋人であるある紳士との出会いから、雪の人生は大きく変わっていく。

登場人物・キャラクター

鈴木 雪 (すずき ゆき)

女優である羽深緋鶴の一人娘。14歳。美しい母から受け継いだのは白い肌だけで、クラスメイトから陰で「子豚ちゃん」と呼ばれるほど太っている。見た目があまりに母と違うことで小学生時代は友達にからかわれた過去があり、中学校では羽深緋鶴の娘であることを隠している。立居振るまいだけでも美しい母を見習おうと、太った姿で女優のような動作をするため、先生からも奇異な目で見られ、学校ではいじめられている。

羽深 緋鶴 (うぶか ひづる)

鈴木雪の母。女優で「羽深緋鶴」は芸名。20歳の時に雪を産み、今は34歳だが20代に見えるほど若々しい。「今最も脂の乗りきった最も美しい女優」と絶賛されている。夫は雪が産まれてすぐに出て行っており、今は付き人やマネージャー、映画監督、代議士など7人の恋人から女王様のようにかしずかれている。大食いの雪をブタ呼ばわりするなど、娘には冷たい。 時折、全裸になって大きな鏡に全身を写し、厳しい顔で自分の身体をチェックしているさまを雪に目撃されている。

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