概要・あらすじ
生瀬は怖い話が苦手な男子高校生。隣の席の美少女、開田さんの事が好きなのだが、開田さんは大の怪談好き。そして怖い話を生瀬に聞かせて、その反応をみる事に無常の喜びを感じる、ちょっと変わった女の子だった。怖い話を聞きたくないが、開田さんとは話したい。そんな生瀬のジレンマを利用して、開田さんはいつも生瀬に怪談話を聞かせるのだった。
生瀬はある日、ネット記事に影響されて、眉毛を整えようとして失敗。左眉の半分を剃り落としてしまった。執拗に左眉を隠そうとする生瀬を見て、開田さんは「眉毛」に関する話を始める。それは、開田さんが小学生の頃の話だった。近所に町屋君という、眉毛のピンとした男の子がいた。勉強もスポーツもできるうえ、ルックスも性格も良い彼は、やがて周囲から教祖様のように扱われるようになった。
周りの人間は町屋くんの眉の動きに一喜一憂。熱心な信者になると、眉の動きから彼の心を先読みするようになった。彼が眉をしかめた存在は、次々と街から排除されていった。それはカラスなどの動物から始まり、酔っぱらいのおじさん、騒音ヤンキーなど、人間もその対象になった。
常軌を逸していると感じた開田さんは、「取り巻き連中がおかしい」と町屋君に話した。その言葉に町屋君は眉をしかめた。それから開田さんの家の周りでは、不審な事ばかり起こり始める。町屋君に直接話して騒ぎを収めよう、そう考えた開田さんは、町屋君に眉毛の事を話した。彼は、自分の眉毛のせいで悲劇が起こっているとは知らず、心底驚いた。
そして不穏な事はやめさせようとするが、意外な結末が彼を待っていた。
登場人物・キャラクター
開田さん (かいださん)
女子高校生。メガネを掛けた長髪の美少女。隣の席の生瀬に怪談話をして、その反応を楽しむという、変わった趣味の持ち主。生瀬のリアクションに、毎度鼻血を流す。怖い話をする前の決まり文句は「お耳拝借」。
生瀬 (なませ)
男子高校生。ツーブロックでちょっと長めの髪が特徴。開田さんのクラスメイトで、席は彼女の隣。開田さんに恋心をいだいている。開田さんと話したいが、いつも怖い話ばかりされるので警戒している。しかし結局、開田さんの術中にはまり、怪談話を聞くハメになる。