隠の王

隠の王

主人公六条壬晴は現代に生きる忍の世界・隠の世の秘術・森羅万象をその身に刻まれている。六条壬晴を守護する忍達と、秘術を狙う者たちとの戦いを描く。

正式名称
隠の王
ふりがな
なばりのおう
作者
ジャンル
アクション
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概要・あらすじ

現代に生きる忍の世界で最大の秘術・森羅万象をその身の内に抱く六条壬晴は秘術を手に入れようとする者たちから狙われている。中学校の講師雲平・帷・デュランダルや同級生相澤虹一など萬天の忍びたちは、六条壬晴を守るために、秘術を狙う者たちと戦っていた。

登場人物・キャラクター

六条 壬晴 (ろくじょう みはる)

14歳。身の内には忍の世界=隠の世が生んだ最大にして最強の秘術・森羅万象が封印されている。見た目は小柄なかわいらしい少年で、同級生の女子からはカッコカワイイと密かな人気。雲平と虹一から強引に忍道部に入れられてしまう。両親を幼い頃に失くしており、今はお好み焼き屋を営む祖母に引き取られている。 周りに無関心で不思議な雰囲気を持ち、人を弄ぶような小悪魔的な言動もする。宵風と出会い、最初は脅迫されて自身の森羅万象の力で彼を存在しなかったことにするという願いを叶える約束をするが、次第に心を通わせていく。また、戦いの中で周囲の想いに惹かれ、無関心から少しずつ変わっていくのだった。

雲平・帷・デュランダル (くもひらとばりでゅらんだる)

く六条壬晴が通う中学の英会話の講師で、忍道部の顧問。25歳。アイルランド出身で、幼い頃、隠の世に興味を持った祖父に無理やり日本へ連れて来られた。萬天の忍でもあり、森羅万象の発動を阻止するため、その所持者である六条壬晴の失った過去を知り、彼を灰狼衆から守るため、不逆の契約を交わす。 しかし忍としては考え方が甘く、ピンチに陥ることもしばしば。岡山から東京まで徒歩で行くほど、乗り物は大の苦手。クールな外見に反して、感情表現は西欧的でオーバー。自身のすべてを理解してくれる年上の女性と2人暮らし。

相澤 虹一 (あいざわ こういち)

14歳。く六条壬晴の同級生で、忍道部を立ち上げた人物。白髪にメガネ。萬天の忍で、六条壬晴を灰狼衆から守るため、協力することになった。少し抜けていてツッコミどころが満載だと思いきや、六条壬晴に対して刀で刺したり、誰もが躊躇していた銃の引き金を引くなど、冷酷な一面も持つ。 実は江戸時代に森羅万象を使った医師が生み出した白澤と呼ばれる不死の力を持っている。本当の姿は白いフクロウ。

黒岡野 しじま (くろおかの しじま)

大きな瞳に白髪のロングヘアーが目を引く少女。六条壬晴曰く、森羅万象の姿によく似ている。甲賀の禁術書を手に入れるため、六条壬晴が灰狼衆と手を組み潜入した学院を案内してくれた甲賀の忍。獣のような戦いで忍たちを翻弄する。その正体は「シラタマ」という六条壬晴が飼っている白猫。 江戸時代に森羅万象を使った医師が生み出した白澤と呼ばれる不死の力を持っている。虹一とは不死の仲間。

清水 雷鳴 (しみず らいめい)

14歳。東京からやって来た風魔の忍。雲平が東京にいた時の生徒だった。忍術よりも剣術に重きを置き、黒我門と呼ばれる刀を振るい、自身を侍と名乗る。性格ははっきりとした物言いでしっかり者。だが、人違いが多く、知らない人に話しかけてしまうこともある。六条壬晴が秘術の持ち主の資格があるかどうか見極めに東京からやってきた。 最初は無関心な六条壬晴に憤りを感じていたが、重い宿命に抗うために無関心でいなければならない彼に共感していく。また、両親を殺した実の兄の雷光を追っていて、灰狼衆となった兄が六条壬晴を狙うところを待ち伏せしている。

宵風 (よいて)

灰狼衆のひとり。16歳。六条壬晴たちが風魔の里を訪れた時に襲撃してきた少年。夏でも真っ黒なロングコートの下にハイネックのセーターを着込み、キャスケットをかぶっている。己の気を相手に撃ちこみ、内部から破壊する禁術の気羅を操る。その代償に自分の命を削ることになり、すでに余命は残り2か月と言われている。 気羅を雲平たちに撃ち込み、自分の死と同時に彼らも死ぬことになると六条壬晴を脅す。六条壬晴の森羅万象の力を知り、自分のことを最初から存在していないことにしてほしいという願いを伝える。その代償に、六条壬晴に隠の世界の王にしてやると約束するのだった。

雪見 和彦 (ゆきみ かずひこ)

27歳。灰狼衆のひとり。宵風のお目付け役でもあり、任務の際は彼を従えて活動する。自身の存在意義に悩む宵風に、帰って来る場所を与えた存在。最初は任務で宵風の面倒を見ていたが、次第に弟のような存在に代わっていった。そして次第に、灰狼衆のやり方に疑問を抱いていく。表の世界では雑誌のライター業を営んでいる。 妹も同じ灰狼衆に所属し、秘術や禁術の研究を行っている。

清水 雷光 (しみず らいこう)

20歳。灰狼衆の造反者取締りの分刀のひとり。裏切り者を斬った後には、真紅の彼岸花を遺体に添える。妹の雷鳴の黒我門と対となる白我門という清水家の家宝の日本刀を常に携えている。髪をピンクに染め、独特の服のセンスをしている。剣の腕は一流。雷鳴が両親の仇を取るために自分の命を狙っていることを知った後は、迎え撃ち、黒我門を奪う。 幼いころから表の世界からも隠の世界からも中立を貫く清水家の当主の母を憎んでいた。しかし、彼女の反勢力に利用され、それが清水家滅亡の引き金になってしまった過去をひとりで背負っている。

目黒 我雨 (めぐろ がう)

16歳。雷光に命を救われたことがきっかけで彼に心酔し、押しかけてきた弟子。唯一の家族の母親を面識のない若者に殺され、そんな犯罪者でも3年後自由の身となり同じようなことを繰り返す世の中に絶望する。灰狼衆こそが正義と信じ、任務を遂行する熱血漢。森羅万象こそが世界を救うと信じている。雷光が苦手な事務作業が得意。 雷鳴を倒した後からふさぎ込んだ雷光を思い、清水家滅亡の真実を伝えに、単身で雷鳴に会いに向かう。ふたたび雷光と雷鳴が対峙し、彼女を斬りつけるのをかばって深い傷を負ってしまう。

南 十字 (みなみ じゅうじ)

12歳。風魔の忍。風魔の里で傷を負った六条壬晴を手当てしてくれた少女。幼いながらも忍としての誇りを持ち、首領の風魔小太郎の命は絶対服従。薬草の知識に造詣が深い。表の世界では小学校に通う普通の女の子。六条壬晴のことを男性として少し意識している。

風魔 小太郎 (ふうま こたろう)

風魔の忍の首領。長い髪を束ね、眼鏡をかけている。変化の術が得意で、表の世界では文部科学省を陰で牛耳る旋風太郎左衛門という爺の姿に変身して活動している。隠の世の忍術指南書を数多く執筆している作家でもある。女好きで、男嫌い。物言いは軽いが、自分の欲望には忠実。誰よりも知識欲が強く、森羅万象に強い関心を抱いている。 隠の世を混乱させる森羅万象を人間から引きはがし、完全に消滅させる新しい忍術を開発しようと研究している。その一方で萬天と灰狼衆の禁術書の奪い合いを煽り、森羅万象を手に入れようと暗躍する。

服部 柊十郎 (はっとり とうじゅうろう)

灰狼衆の首領。政治評論家・コラムニストとしてテレビでも活躍している。さらに世界の変革を願い、政界にまで進出。そのためにも森羅万象を手に入れ、自分たちが人類を進化させようと画策している。

集団・組織

萬天 (ばんてん)

『隠の王』に登場する忍びの一族。伊賀派生の忍で、秘術・森羅万象保守派。戦国時代、派遣任務で訪れた伊賀の忍が作ったとされている。里を持たず、現在は消滅寸前。首領もいない。現在は暫定的に雲平がまとめている。

灰狼衆 (かいろうしゅう)

『隠の王』に登場する忍びの一族。伊賀の忍一派。現代も厳然たる実力を有している。秘術・森羅万象の研究を続け、手に入れるため、六条壬晴に次々と刺客を送り込む。服部柊十郎を頂点に、下忍を1000人は従えている。灰狼衆の里は、インターネット上に存在していて、パスワードを入力し、どこからでもアクセスができるようになっている。 造反者取締りの分刀、国家特殊諜報の傘と呼ばれる組織を抱えている。森羅万象を手に入れるために、萬天・風魔と対抗し、各地に散らばっている忍の里を見つけ出し、禁術書を手に入れようと動き出す。

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