青い車

青い車

交通事故で恋人・あけみを失った、レコードショップで働く青年・リチオ。ある日、彼をあけみの妹・このみが訪ねてくる。あけみの弔いのため海へと向かう2人のドライブを、散文的なモノローグとともに描く。タイトルはスピッツの楽曲『青い車』から取られており、楽曲の歌詞と同じく海を目指す物語になっている。同名の短編集に収録されており、本作の登場人物と思われるキャラクターは同短編集収録の「オレンジ」、「ツイステッド」、「マイナス・ゼロ」にも描かれている。

正式名称
青い車
作者
ジャンル
その他
レーベル
CUE COMICS(イースト・プレス)
関連商品
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概要・あらすじ

レコードショップで働く青年・リチオ。ある日、彼のもとに女子高生・このみが訪ねてくる。彼女は2か月前に交通事故で亡くなった恋人・あけみの妹。旧知の仲であった2人は後日、海へのドライブへ向かう。両手一杯の花束を抱えて「海に花束を投げに行きたい」というこのみに付き合う形で……。その車中で交わされる会話と、リチオのモノローグから彼の過去や2人の秘密が明かされていく。

登場人物・キャラクター

リチオ

レコードショップMICKEY RECORDSで働く。10歳の時に交通事故に遭い、2年留年して進級することになる。この事故で顔も変形しており、斜視で左眉がない。また、普段はサングラスを愛用している。恋人であったあけみは2か月前に交通事故を起こして死亡。あけみの妹であるこのみとは旧知の仲。 このみとはあけみの存命中から肉体関係を持っており、このみの望みで海へ花束を投げに行くドライブの途中にもホテルに立ち寄っている。短編集『青い車』に収録されている「オレンジ」でもその姿を確認できる。

このみ

女子高校生。姉は2か月前に交通事故で亡くなったあけみ。あけみの恋人であったリチオとともに、海へ花束を投げこむためにドライブへ行く。リチオとは旧知の仲であり、あけみの存命中から肉体関係にあった。ドライブのさなかにもホテルへ立ち寄っている。リチオの働くレコードショップMICKEY RECORDSのマチダの感想によれば、細かい部分はともかく、姉のあけみとかなり顔が似ている様子である。

あけみ

リチオの恋人。妹は女子高生のこのみ。2か月前、4分間で5000人が亡くなった大地震の日に、まったく関係のない場所で交通事故を起こして死亡。事故原因はスピードオーバー。リチオによれば妹思いだったという。作中にその姿は描かれていないものの、数回面識のあったリチオの働くレコードショップ・MICKEY RECORDSのマチダが妹のこのみの顔を見て驚きの表情を見せており、妹とかなり似た顔立ちだったことがうかがえる。

マチダ

主人公・リチオと同じレコードショップ・MICKEY RECORDS勤務。リチオの恋人であったあけみとは数回面識があった。『青い車』の中では話し方でリチオよりも目上の立場であることが匂わされるのみだが、キャラクター・世界観を共有すると思われる短編「オレンジ」では「店長」とされている。 なお、「オレンジ」は『青い車』同様、短編集『青い車』に収録。

場所

MICKEY RECORDS

『青い車』に登場するレコードショップ。主人公・リチオが働いている。キャラクター・世界観を共有すると思われる短編「オレンジ」にも登場しており、CD・レコードを買い取る張り紙があることから、中古レコードショップと思われる。なお、「オレンジ」では『青い車』に登場するマチダが店長であることが明示されている。店内の描写を見る限り、主力はレコード。

イベント・出来事

大地震

『青い車』の作中で、2か月前に起こった大地震。4分間で5000人が亡くなる大規模なものであったが、主人公・リチオらが住むエリアには特に大きな影響はなかった様子であり、リチオもモノローグで「4分間で5千人が死んだ(らしい)」としている。なお、『青い車』が発表された1995年は、1月に阪神淡路大震災が起こっている。

その他キーワード

カローラ

『青い車』に登場する実在の自動車。リチオとこのみが海へのドライブへと向かう際に使われた。作者あとがきによれば、刊行当時(96年)「中古車で一番安く手に入る」車種であったという「80年代中期のカローラ」とされる。80年代に生産されたトヨタ・カローラは4代目(1979〜1983)、5代目(1983〜1987)、6代目(1987〜1991)の3種類で、フォルムやヘッドライトの形から5代目カローラが作中のモデルと思われる。 なお、タイトルは『青い車』であるが、作中で描かれるカローラはトーンが貼られておらず、白またはそれに類する色と考えられる。2004年に奥原浩志監督によって制作された映画版ではタイトルどおり青いボディカラーの車が使われている。

ラブリー

『青い車』に登場する実在の楽曲。作詞作曲は小沢健二。1994年に発売された小沢健二の2ndアルバム「LIFE」に収録され、後にシングルカットされる。『青い車』作中では主人公・リチオがこのみとのドライブ中に車内でかけたが、途中で「吐き気がする」とこのみに曲を止めるように言われている。なお、作中に登場するのはシングル版ではなくアルバム「LIFE」。

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