青空とブロカント

青空とブロカント

長く大事に愛されてきた古道具「ブロカント」が大好きなほっこり系女子の小森ハコと、かわいいモノが大好きなヤンキーの古川市丸という対極の二人が織り成す、蚤(のみ)の市を舞台にしたほのぼのラブコメディ。「Pixivシルフ」で配信された作品。

正式名称
青空とブロカント
ふりがな
あおぞらとぶろかんと
作者
ジャンル
ラブコメ
レーベル
シルフコミックス(KADOKAWA)
巻数
全3巻完結
関連商品
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あらすじ

長く大事にされているヨーロッパのアンティーク雑貨「ブロカント」が大好きな大学生の小森ハコは、いつものように蚤の市を訪れ、期待に胸を膨らませながら店を探索していた。その時ハコは、蚤の市には不釣り合いな格好をしたヤンキーの古川市丸と出会ってしまう。言葉がいちいち荒っぽい市丸に最初は恐れをなしていたハコだったが、見た目とは裏腹にかわいいモノが大好きで意外と素直な性格の市丸に共感したハコは、蚤の市を案内することになる。蚤の市にあった一風変わったテントの中で、アンティークなリスのぬいぐるみを見つけた市丸は、店長にこれを売って欲しいとお願いするも、店長は表面だけのかわいさしか見ない人間には売らないと断言。そして、このリスがなぜ幸せでないのかを当てたら売ってやると市丸に言い放つ。この挑戦を受けた市丸は、ハコといっしょに蚤の市を探索し、なんとかクイズのヒントを得ようとする。そんな中、とある店で先ほどのリスと同じ姿のぬいぐるみを発見したハコは、それを先ほどの店の店長に見せた上で、リスはもともとカップルだったと、自分の考えを述べる。しかし、実際は二つのリスは親子として作られたものだった。クイズには不正解だったが、ぬいぐるみがペアであることを突き止めたハコたちの努力に免じ、店長は市丸にリスのぬいぐるみを譲り渡す。市丸はハコとの別れ際、次の蚤の市で会うことを強引に約束するのだった。(第1話)

ある日、ハコは蚤の市と趣が異なる、和物が多くを占めている骨董(こっとう)市へと出かける。大学の先輩である沢村裕人に告白され、受け入れるかどうかを悩んでいたハコは、骨董市で再び市丸に遭遇。いつもと変わらない様子の市丸の姿を見てホッとしたハコは、市丸といっしょに骨董市を巡ることになる。楽しく骨董市を巡る中で、告白の悩みを市丸に聞いて欲しくなったハコは、裕人から告白されたことを市丸に告げる。すでにハコのことを好きになっていた市丸だったが、ハコから恋愛相談をされたことで脈がないと判断。市丸はハコに対して裕人の告白を受け入れ、付き合うことを勧める。しかし、そのアドバイスを聞いたハコは胸がざわつき、自分でもよくわからない、複雑な心境へと陥ってしまうのだった。(第8話)

青錆堂の店長がフランスの買い付けから帰国した。店長代理として店を任されていた市丸は店長に対し、ハコと友達以上恋人未満の仲になったことを報告する。後日、ハコと市丸はいつものように蚤の市を巡るが、互いになんとなく照れてしまい、うまく会話ができなくなってしまう。これを逆にいい機会だととらえたハコは、市丸がなぜヤンキーになったのかを彼に尋ねる。市丸はもともと女性っぽい顔立ちだったため、男同士の遊びに入れてもらえなかったり、女子からリボンを付けられるなど、何度となく辛い思いを味わってきた。それが嫌でつねにいかつい表情をしていたら、いつのまにかヤンキーになっていたというのだ。そして、そんな市丸の見た目にこだわらず、自然に接してくれたハコに惹かれたことを告白する。市丸の素直な気持ちを聞いたハコは、市丸との新しい関係を築くことを決意するのだった。(第14話)

登場人物・キャラクター

小森 ハコ (こもり はこ)

大学生1年生の女性。小柄でかわいらしい雰囲気を漂わせている。おとなしく控えめな性格ながら、偏見にとらわれず他人と接することができる懐の広いところがある。ヨーロッパのアンティーク品である「ブロカント」が大好きで、各地で開かれている蚤の市に通いつめ、好みの品を集めている。ブロカントの見た目では測れない価値に惹かれており、ブロカント全般に対する愛情が非常に深い上に、知識も豊富。蚤の市を巡っている最中に場違いなヤンキーの古川市丸と出会い、成り行きから友人となった。出会った当初は市丸のことを怖いヤンキーと思っていたが、かわいいモノが大好きで意外に素直な性格の市丸といっしょに蚤の市を巡るうちに、彼のことを異性として強く意識するようになる。大学のあこがれの先輩である沢村裕人から告白を受けていたが、最終的に市丸を選んだ。ブロカントを集める資金を得るため、同じパン屋でずっとアルバイトをしている。

古川 市丸 (ふるかわ いちまる)

ヤンキーの男性で、中性的な顔立ちをした金髪の美青年。言動はぶっきらぼうで、人を寄せ付けない刺々(とげとげ)しい雰囲気を醸し出しているが、実はかわいいモノが大好き。そのため、自室はかわいい系の雑貨で埋め尽くされている。実家が裕福なため定職には就いておらず、たまに親の会社の手伝いをするなどして、自由気ままに毎日を過ごしている。かわいいモノを探すために蚤の市に顔を出していた際に、女子大生の小森ハコと出会った。「ブロカント」に対する造詣の深いハコに感銘を受け、いっしょに蚤の市を回るようになる。中性的でかわいらしい顔立ちをからかわれるのが嫌で、怖い表情をしているうちにヤンキーとなった過去を持つ。そのため本質的には不良ではなく、喧嘩(けんか)も苦手としているマイルドヤンキー。ハコといっしょに蚤の市を巡るうちにハコの人柄に惹かれ、異性として意識するようになる。アクティブで何でもできる自分の母親に劣等感を抱いており、同じタイプの強い女性をやや苦手としている。

沢村 裕人 (さわむら ゆうと)

黒髪で笑顔が素敵な大学生の男性。優しく落ち着いた性格で、骨董品全般への愛と知識にあふれている。同じ大学の学生からは男女を問わず非常に人気がある。小森ハコの先輩で、蚤の市を訪れた際に偶然ハコと出会い、いっしょに巡ることになった。ハコの「ブロカント」に対する深い愛情に触れ、ハコのことを異性として強く意識するようになる。その後、ハコに対し真剣に交際を申し出るが、その際に自分と市丸とのあいだで揺れ動いているハコの気持ちに気づく。

店長 (てんちょう)

主にヨーロッパの「ブロカント」を取り扱っている雑貨屋、青錆堂の店主を務める中年男性。眼鏡をかけた端正な顔立ちをしている。年齢は32歳。口数は少なく、少々気難しい性格をしている。地元の蚤の市に欠かさず店を出店している。蚤の市で客として来店した小森ハコと古川市丸と出会った。ハコと市丸から何かを感じ取り、リスのぬいぐるみを購入しようとした市丸に対しクイズを出し、それに答えられたら商品を売るという、市丸の本気度を試すような行為をしていた。たびたびフランスに商品の買い付けに行っていたが、のちにその際の店番を市丸に任せるようになる。市丸からは「オヤジ」と呼ばれていた。のちに市丸に青錆堂を譲り、フランスへと移住する。

白瀬 早希 (しらせ さき)

綺麗なロングヘアの若い女性。小森ハコのかつてのアルバイト仲間。サバサバした性格で、はっきり物事を言うタイプ。ハコとは正反対の性格だがなぜか気が合い、よくいっしょに遊んでいた。白瀬早希がアルバイトを辞めてからハコとは疎遠になっていたが、ハコといっしょにいる古川市丸を街で見かけ、市丸に一目ぼれする。その後ハコに連絡を取り、市丸にアプローチして付き合おうとしていた。骨董品にはほとんど興味はないが、アンティークのスプーンは大好き。

市丸の母

古川市丸の母親。スタイル抜群の美女。輸入雑貨店を経営しているやり手の才女で、いつも忙しそうに各地を飛び回っている。明るくて華やかな雰囲気を漂わせているが、それが息子の市丸に、住む世界が違うと感じさせる要因となっており、市丸のコンプレックスともなっている。

場所

青錆堂 (あおさびどう)

主にヨーロッパのアンティーク品「ブロカント」を取り扱う雑貨屋。店長の眼鏡にかなった商品だけが置いてある。蚤の市にも欠かさず出店しており、たまたま店を訪れた小森ハコと古川市丸がなかよくなるきっかけを作った。のちに店長の信頼を得た市丸が店舗を任されるようになる。

その他キーワード

ブロカント

主にヨーロッパで長く使われ、愛されてきた庶民的な古道具や雑貨のこと。小森ハコはこの「ブロカント」が持つ独特のぬくもりに惹かれ、多くのブロカントを集めていた。古川市丸もハコの情熱に影響され、ブロカントに関する知識を蓄えるようになる。

書誌情報

青空とブロカント 全3巻 KADOKAWA〈シルフコミックス〉

第1巻

(2019-02-21発行、 978-4049123562)

第2巻

(2019-10-21発行、 978-4049128307)

第3巻

(2020-07-22発行、 978-4049132908)

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