つまり好きって言いたいんだけど、

つまり好きって言いたいんだけど、

私生活はだらしないが仕事には手を抜かない人気イケメン俳優の藤代瀬那と、まじめで強気な女性マネージャーである冴島千歳のラブコメディ。二人はかつて幼なじみだったが、藤代から散々騙されてきた千歳は、藤代の言葉や行動を素直に受け止められない。すれ違う二人の様子をコミカルに描いた作品。「プチコミック」2019年7月号から連載の作品。2021年10月実写ドラマ化。

正式名称
つまり好きって言いたいんだけど、
ふりがな
つまりすきっていいたいんだけど
作者
ジャンル
ラブコメ
レーベル
フラワーコミックス α(小学館)
巻数
既刊4巻
関連商品
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あらすじ

千歳と宗純の再会

小さい頃は気弱ないじめられっ子だった冴島千歳は、成長すると共に心も体も強くなり、一部の人からは威圧感があり過ぎて怖いと恐れられるほどの存在となっていた。そんな千歳は芸能マネージャーを生業としており、所属タレントからも信頼を寄せられていた。ある日、千歳は事務所の人気タレントの不二宗純から、強引にマネージャーになるように指名を受ける。宗純はかつて自分をいじめていたグループの主犯格だったことが判明するが、千歳は仕事だからと割り切ることにする。宗純の女性にだらしなく、ウソつきなところに呆(あき)れながらも、千歳はベストな状態で彼に仕事に臨ませることが自分の仕事だと受け入れ、まじめに宗純と向き合う。一方の宗純はそんな千歳の一生懸命な姿に心を打たれ、恋心を抱くようになる。実は宗純が幼い頃に千歳をいじめていたのも、彼女への恋心の裏返しでもあった。宗純は千歳にアプローチを繰り返すものの、裏表のあるウソつきな性格だからと千歳からは相手にされなかった。そんな日々の中、千歳はいつも適当なことばかり口にして自分に絡んで切る宗純が、自分と距離を置いていることに気づく。

宗純のマンションに居候する千歳

ある日、冴島千歳が住むマンションでボヤ騒ぎが起こる。千歳の部屋は家財道具すべてがすすだらけになり、このままの状態で暮らすことは難しい状況となっていた。それを知った不二宗純は、あくまで担当マネージャーとして、自らが所有するタワーマンションの空き部屋に住まないかと声をかける。ほかに行き場所のない千歳は不本意ながらも宗純の申し出を受け入れ、同居生活がスタートする。宗純に対しては不誠実なウソつきという印象を抱いていた千歳だったが、共同生活を通して彼の意外な一面を知ることとなる。二人の距離が縮まっていく中、ゴシップ誌に宗純と同棲している本命彼女として、千歳の姿が掲載されてしまう。

ますます千歳に心惹かれていく宗純

冴島千歳が勤務している芸能事務所で、同僚マネージャーが突然退職するトラブルが起こる。その穴埋めのため、千歳は新たに桐生俊樹の担当を任される。人気俳優の不二宗純と、現役高校生、俊樹の二人を任された千歳は、以前よりさらに多忙になっていく。千歳と過ごす時間が減少したことで、宗純は改めて彼女に恋をしていることを自覚する。そんな中、宗純はもうすぐ誕生日を迎えることで、千歳はその準備を任される。事務所のメンバーから「宗純の誕生日には彼が気に入りそうな女の子を集めた方がいい」とアドバイスを受けた千歳は、その言葉に従って女の子を手配する。一方の宗純はいくら自分に気がないからといってあまりにも酷(ひど)い仕打ちだと、千歳に対して感情をあらわにする。

千歳と宗純の故郷へ

仕事中の冴島千歳のもとに、不二宗純の父親が危篤だとの連絡が入る。千歳は宗純にその事情を伝え、二人は急遽(きゅうきょ)生まれ故郷へ向かうこととなる。そこで千歳は宗純の兄から、地元にいた頃の宗純はなんでも器用にこなしてしまうが故に、本当の自分はどこにあるのかわからないと悩んでいた、と聞かされる。そこで千歳は自分に対するいじめも、宗純の不安定さが生んでしまったものではないかと悟る。結局宗純の父親は回復することなく、そのまま葬儀が行われる。宗純の兄から父親は不安定だった宗純の唯一の心の支えだったと知った千歳は、彼を少しでも元気づけようと、一日だけ地元で遊んでいかないかと提案する。

宗純の挑戦

不二宗純の人気はますます高くなり、大手化粧品メーカーのイメージモデルに決定する。広告は何よりもイメージが大切なことから、冴島千歳は宗純に対して女遊びは厳禁だと釘(くぎ)を刺す。すると宗純は、今は千歳一筋だから問題ないと返すものの、千歳は改めて自分はただの担当マネージャーであることを告げ、宗純を突き放す。その後、宗純は千歳と以前よりも距離を置くようになり、仕事を淡々とこなしていた。そんな中、宗純が担当したイメージモデルは大いに話題となり、次々と仕事が舞い込んでくる。その仕事のひとつとして、抜群の演技力と表現力を誇る人気俳優、麻倉匡人の相手役として、濡れ場も多い同性愛者をテーマにした映画への出演を決める。非常に難しい役柄に挑む宗純を、千歳は精一杯サポートしていく。撮影が順調に進んでいく中で、宗純は優れた役者である麻倉にあこがれを抱くようになる。そして宗純は、麻倉といっしょに行動することが多くなり、千歳は自分から離れていく宗純に対して、寂しさを抱くようになる。

両思いになった千歳と宗純

冴島千歳は自分から離れていく不二宗純に寂しさを覚え、さらに麻倉匡人から宗純に好意を抱いているのではないかと指摘を受けたことで、千歳は宗純への恋心を自覚する。そして千歳は宗純に好きだと告げ、二人はついに思いを通じ合わせる。麻倉と共演した映画によって、俳優として名誉ある賞を受賞した宗純の仕事はますます忙しくなり、担当マネージャーの千歳も会社内での評価を上げていた。そんな中、千歳は社長から別の業務にも取り組んで欲しいと依頼され、宗純のマネージメント業務から外れることとなる。今や大人気俳優になった宗純と、いちマネージャーである千歳は、付き合っていながらもなかなか会えなくなっていた。それでもなんとか時間を作り、さらに変装をして千歳に会いに行った宗純だったが、その姿を再びゴシップ誌に盗撮されてしまう。さすがに2回目であること、そして恋人関係であることも事実のため、千歳は会社に辞表を提出する。

メディア化

実写ドラマ

2021年10月、本作『つまり好きって言いたいんだけど、』の実写ドラマ版『つまり好きって言いたいんだけど、』がテレビ東京ドラマParavi枠で放送された。キャストは、冴島千歳を大原櫻子、不二宗純を櫻井海音が演じている。

登場人物・キャラクター

冴島 千歳 (さえじま ちとせ)

芸能事務所のマネージャーを務める独身女性。年齢は25歳。小学生の頃に陰湿ないじめを受けていたことから、弱い自分を変えたいと思うようになる。そして実際に自分を変えようと積極的に行動を起こし、心身共にたくましく成長していく。その甲斐(かい)あって、現在では周囲に威圧感を与えるほどの圧倒的な存在となっている。山根香凛など一部の所属タレントからは怖いと思われていると同時に、丁寧でまじめな仕事ぶりを評価されている。日々業務をこなしている際に、不二宗純から自分のマネージャーになって欲しいと指名を受ける。宗純はかつて小学校時代に自分をいじめていた主犯格の男子であることに気づき、戸惑いつつも仕事だと割り切り、彼と行動を共にするようになる。そんな中、宗純から好意を寄せられるようになるが、彼の腹黒い性格を知っていることから、ウソをついて自分をからかっているだけだろうと相手にしていない。特技は護身術で、その腕前は相手が成人男性であっても身を守ることができるほど。宗純からは「ちーちゃん」と呼ばれている。

不二 宗純 (ふじ そうじゅん)

冴島千歳が勤務している芸能事務所に所属する俳優の男性。年齢は25歳。小学生の頃に千歳と同じクラスに在籍しており、当時は彼女をいじめていた。しかし、それは千歳のことが嫌いだからではなく、むしろ好きだからこそちょっかいを出していたが、真意が伝わらずに千歳がトラウマを抱えることとなった。芸能界デビュー後、所属事務所で千歳がマネージャーを務めていることを知り、社長に直訴して彼女を担当マネージャーに指名する。当初は興味本位から千歳を指名したものの、彼女のまじめな仕事ぶりを知るうちに恋心が再燃し、アプローチを繰り返すようになる。しかし千歳からは、からかいの対象にされているだけだとカンちがいされているため、なかなか相手にされていない。以前は性に奔放で女遊びばかりしていたが、千歳に恋心を抱くようになってからは一途に彼女を大切に思っている。何ごとも器用にこなす一方で、裏表のある腹黒い性格のため、千歳からはウソつき扱いされている。抜群のスタイルと整った顔立ちから、俳優だけでなくモデルとしても活躍している。実家は由緒正しい神社ながら、イメージが古臭いからと秘密にしている。芸名は「藤代瀬那」。

麻倉 匡人 (あさくら まさと)

芸能界で俳優として活動している男性。不二宗純よりも一つ上の世代にあたる。宗純が出演する映画で主役を務めたことで、マネージャーの冴島千歳とも顔見知りになる。抜群の演技力と表現力から、芸能界の中では頭一つ抜け出た存在。個人事務所を設立している。イメージがあるために公言はしていないが同性愛者で、それを隠そうともしていない。

桐生 俊樹 (きりゅう としき)

冴島千歳が勤務している芸能事務所に所属する俳優で、現役の男子高校生。芸能事務所のマネージャーに急な欠員が出たことで、急遽(きゅうきょ)千歳が担当することとなった。かわいらしい顔立ちの明るい朗らかな性格ながら、演技に入るとワイルドな一面を見せる。芸能の仕事は気に入っているものの学校との両立もあり、中途半端な状態になっていることに悩んでいる。

森崎 (もりさき)

冴島千歳が勤務している芸能事務所で、マネージャーを務める男性。かつて千歳が劇団に所属していた時の先輩にあたり、彼女を現在の職場に誘った人物でもある。以前は不二宗純の担当マネージャーだったものの、彼の要望から千歳に業務を引き継いだ。その後も千歳からはたびたび宗純に関する相談を受けており、彼女にとって頼もしい存在となっている。

山根 香凛 (やまね かりん)

冴島千歳が勤務している芸能事務所に所属する若い女優。不二宗純の担当になる前の千歳がマネージメントを務めていた。千歳のことは威圧感があって怖いと感じている一方で、堅実に業務をこなしてくれることもあり、大いに信頼を寄せていた。かわいらしい容姿に加えて、明るく朗らかな性格の持ち主。ストーカー行為に遭った際、千歳に助けられたこともある。

書誌情報

つまり好きって言いたいんだけど、 4巻 小学館〈フラワーコミックス α〉

第1巻

(2020-01-10発行、 978-4098707782)

第2巻

(2020-03-10発行、 978-4098707928)

第3巻

(2020-09-10発行、 978-4098711239)

第4巻

(2021-03-10発行、 978-4098712700)

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