青葉くんに聞きたいこと

内向的な性格のコミュ障で、友人もいないぼっち少女の桜田麻陽は、バスケ部のエースで女子からもモテモテのイケメン･青葉光汰にほのかなあこがれを抱いていた。そんな麻陽は叔母の経営する「桜田聞き屋ファミリア」で、人の悩みを聞く「聞き屋」のアルバイトを始める。そんなアルバイト初日、麻陽が初めて担当した客が光汰で、彼は誰にも言えない悩みを抱えている様子だった。この日以来、聞き屋の仕事や部活をとおして距離を縮めていく、二人の切ない恋愛模様や高校生活がラブコメディを交えながら、少女漫画らしいの繊細なタッチで描かれる。

本作の舞台の一つとなるのは、桜田麻陽の叔母･桜田麻里亜が経営する「桜田聞き屋ファミリア」。「聞き屋」とは、悩みを誰かに聞いてほしいと願う客の話を一対一で聞いてあげるというもので、料金は10分500円。聞き屋側はあくまで客の話をただ聞くだけで、客に質問やアドバイスをいっさい行わないというルールがある。麻陽は聞き屋のアルバイトで、青葉光汰をはじめとするさまざまな人たちの悩みを聞くようになり、麻里亜の指導を受けながら聞き屋としての経験を重ね、のちに学生担当となる。ただし、アルバイト中は伊達眼鏡をつけたうえに髪型も変えて人畜無害の地味女を演じているため、光汰からはクラスメートの麻陽だと気づかれておらず、彼女自身もあくまで聞き屋として光汰に接している。

ヒロインの桜田麻陽は幼い頃から声が小さく目立たない存在で、人見知りな性格から友人もいない。中学生の頃に両親が離婚しており、その時に優しく励ましてくれた青葉光汰にあこがれを抱いていた。「聞き屋」のアルバイトをとおして光汰のことがますます気になるようになった麻陽は、光汰のことをもっと知りたいと考え、彼が所属するバスケットボール部のマネージャーとして入部する。光汰は1年生ながらエースを務める、完全無欠なリア充男子と思っていたが、実は以前から「好きな気持ちは必ず消える」という悩みを抱えており、聞き屋を訪れた際にバスケを辞めたいと発言している。やがて光汰は麻陽が聞き屋の少女だと知り、一度は距離を置くものの、さまざまな形で自分を支えてくれようとする麻陽に惹かれていく。