あらすじ
第1巻
女子高校生の高杉小雪は、同じクラスの男子、小前田正勝のことが好きであこがれている。しかし、根暗で人見知りの小雪に対し、正勝は学校一のヤンキーで慕ってくる仲間も多いうえ、小雪は身長180センチで正勝は145センチと身長差も大きく、小雪はいつもひそかに正勝のことを見つめているだけだった。しかし、席替えでとなりの席になったことをきっかけに話す機会も増え、二人は親密な関係となっていく。そんな中、小雪のことが大好きな花咲・グレース・アリサがクラスに転入してきたことで関係はぎくしゃくするものの、学校行事を通じて小雪と正勝の距離は縮まっていき、正勝は自分が小雪を好きなことをはっきり認識するのだった。
第2巻
クリスマスの夜、高杉小雪は小前田正勝に告白するものの、自分に自信の持てない小雪は戸惑いを隠せない。一方の花咲・グレース・アリサは、そんな小雪の恋を応援しつつも、同じクラスの伊集院博士との距離を縮めていた。告白を受けた小雪は正勝とのデートを重ね、交際を続けていくが、ヤンキーの正勝とは住む世界が違うのではと思い悩んでいた。しかしアリサの励ましもあり、小雪は前向きな気持ちを取り戻し、正勝の愛を受け入れていく。
登場人物・キャラクター
高杉 小雪 (たかすぎ こゆき)
西高校に通う女子。小さい頃から背が高くて性格が暗かったため、クラスの男子からからかわれ、自分に自信が持てないでいる。現在は180センチの長身の美女だが、ネガティブな性格は相変わらずで、つねにおどおどしているため男子からはモテず、女子の友達もいない。クラスメイトの小前田正勝に思いを寄せているが、自分なんかには釣り合わないと考えているため、背後霊のように物陰から見守っている。誕生日は6月14日。好きなものは、うなぎパイ、裁縫、「ギロにゃん」という猫のマスコット。
小前田 正勝 (こまえだ まさかつ)
西高校に通う男子。高杉小雪のクラスメイト。身長145センチと小柄ながら、器の大きなリーダー気質のヤンキーで、そのケンカの強さから、他校の不良からは「西の狂犬」と呼ばれている。幼い頃から、小さな見た目を舐めてかかって来る連中をかたっぱしから打ちのめしてきた。倒されたうちの何人かは、子分にしてほしいと正勝を慕っている。クラスメイトで仲間の安田寿たちからは、「さん」付けで呼ばれ、話す時も敬語を使われている。そのため周囲からは舎弟を従えているように見えるが、小前田正勝自身は彼らのことを子分ではなく親友と思っている。ヤンキーとはいえ正義感が強く、クラスメイト全員の名前を初日に覚えるなど、仲間思いの熱血漢。誕生日は4月26日。好きなものは、オムライス、お菓子、運動全般。
花咲・グレース・アリサ (はなさきぐれーすありさ)
西高校に転校してきた女子。高杉小雪とクラスメイトになった。アメリカ人の父親と日本人の母親を持つハーフ。父親が社長をしており、家は非常に裕福。小雪は忘れていたが、幼い頃に数日遊んだことがあり、花咲・グレース・アリサは今でも小雪のことを慕っている。転入初日から小雪にべったりで、小雪の初めての友達となった。明るい性格のうえ、アイドルのようなかわいい容姿をしており、街に出るとすぐにナンパされる。小雪と小前田正勝の恋愛を陰ながら応援するうちに、クラスで委員長を務める伊集院博士といい仲になっていく。誕生日は2月22日。好きなものは、ショッピング、食べること、小雪。
安田 寿 (やすだ やすし)
西高校に通う男子。高杉小雪のクラスメイト。同じくクラスメイトの小前田正勝のことを兄貴分のように慕っている、正勝の子分六人衆ともいえるメンバーの一人。正勝からは「ヤス」と呼ばれている。ピンクの髪をヘアバンドでオールバックにしたチャラ男っぽい見た目のイケメン。仲間とのクリスマスパーティーの料理を自ら作るなど、料理も得意。誕生日は11月2日。好きなものは、料理と動物。
伊集院 博士 (いじゅういん ひろし)
西高校に通う男子。高杉小雪のクラスメイトで、クラスの委員長を務めている。七三分けで眼鏡をかけた、いかにも優等生という風貌だが、眼鏡を外すと、クラスの女子が写メを撮るほどのイケメン。実は眼鏡をかけているのは、視力が悪いこともあるが、一番の理由は人から顔だけで評価されることを嫌ってのことである。優秀な兄に対してコンプレックスを持っているため、すべてのおいて1位を取ることにこだわっている。委員長としてクラスの秩序を保つために、西校一のヤンキーである小前田正勝に対しても、臆することなく意見するなど、肝っ玉は座っている。クールな性格だが仲間を思う気持ちは強く、小雪と正勝のデートを見守るために尾行する花咲・グレース・アリサに対しても、一生懸命に同行した。「博士」という名前と見た目のせいで、幼い頃から「ハカセ」というあだ名で呼ばれてきたが、伊集院博士自身はそのあだ名を嫌っている。自分のことを顔だけで評価せず、「ハカセ」ではなく「ヒロシ」と呼ぶアリサに好意を抱いていく。