魍魎戦記摩陀羅BASARA

魍魎戦記摩陀羅BASARA

魔物を体に宿した少年・伐叉羅と、前世からの宿業によって伐叉羅を導こうとする甲賀三郎の戦いを描いた和風ファンタジー作品。登場人物が108回の転生を繰り返して戦う設定のファンタジー『魍魎戦記MADARA』シリーズの続編のひとつ。キャラクターはほぼ全員が『魍魎戦記MADARA』のキャラクターの転生、あるいは同一モチーフをもった存在となっている。初出時は『魍魎戦記MADARA摩陀羅』本編コミックス5巻から7巻の「第2部」部分を指し、『魍魎戦記MADARA摩陀羅弐』と題されていた(この『摩陀羅弐』はサブタイトル的な扱い)。後に復刊時に本編と切り離したいという田島昭宇の意向により、『魍魎戦記摩陀羅BASARA』に改題された。原作は大塚英志。

正式名称
魍魎戦記摩陀羅BASARA
ふりがな
もうりょうせんきまだらばさら
原作者
大塚 英志
作者
ジャンル
バトル
 
和風ファンタジー
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概要・あらすじ

耶倭土にある山彦の村で育った少年・伐叉羅は、謎の男・甲賀三郎によって13歳の新月の夜に迎えに行くと予告されていた。そのことを知った村の長老徐福は、伐叉羅に宿る力が甲賀三郎に悪用されることを恐れ、成人の儀式にかこつけて伐叉羅を村から逃がす。しかしそれを知った甲賀三郎と彼の率いる鬼面衆たちによって村は壊滅。

徐福の意図をはかりかねて村に戻った伐叉羅もまた、深手を負わされてしまう。しかしそのとき、伐叉羅の体が魔物のように変化し、鬼面衆のひとりを圧倒的な強さで殺害。その様子を見た甲賀三郎は、得心した様子で引き上げていったのだった。

登場人物・キャラクター

伐叉羅 (ばさら)

山彦の村で育った少年。13歳。甲賀三郎によって山彦の村を壊滅させられたことから、彼を仇と狙う。13年前に文観の「神無月の新月の晩に生まれた子が禍いをもたらす」という予言によって集められた赤子の一人。しかし焼き殺された赤子の中でひとり無傷だったことから、ダキニ天が降りた予言の子であると確信した甲賀三郎によって助けられ、山彦の村に預けられていた。 大怪我を負うなどするとダキニ天の力によって魔物と化し、理性を失くして暴れてしまう。芙蓉に助けられたことから、彼女を恐山へ送り届ける約束をする。前世は『魍魎戦記MADARA』に登場した影王。

芙蓉 (ふよう)

維縵の皇女。蓬莱山のふもとにある維縵第二の都すばるで暮らしていたところを、耶倭土朝廷の兵士に火を放たれたため、御付の老女とともに山彦の村近くに逃れていた。甲賀三郎によって壊滅した山彦の村跡に倒れていた伐叉羅を助けたことから、維縵第一の都がある恐山へと二人で旅立つことになる。 他人の怪我を治す治癒能力を持つ。

獅子丸 (ししまる)

東日流の皇子。剣技に長けた青年。維縵の皇女・芙蓉を妻にするため、行方不明となった彼女を探している。愛染寺を破壊した後倒れた伐叉羅を助けたことから、邪兎によって連れ去られた芙蓉が都にいると知り、一時伐叉羅と行動を共にする。前世は『魍魎戦記MADARA』に登場した金剛国八大将軍蛇括神憑分。

甲賀 三郎 (こうが さぶろう)

蛇眼を持つ男。山彦の村の出身だが、村を出て各地に散らばるアソベ族を統合、現政権への反乱軍として組織しはじめる。伐叉羅が13歳になった時にアソベ族反乱軍の王と迎えに来ると言い渡していたが、徐福によってそれを阻まれたため、自分の故郷でもあり、伐叉羅が生まれ育った山彦の村を鬼面衆を率いて襲撃、住民を皆殺しにする。 その目的は伐叉羅から仇として狙われることだった。耶倭土朝廷には協力する様子を見せつつも、影では策謀をめぐらせている。ただひとり、八百比丘尼には献身的に仕えている。最終的な目的は全てを無に帰すことと、我が子である伐叉羅に殺されること。 八百比丘尼は妻でもある。前世は『魍魎戦記MADARA』に登場した魔王ミロク帝。

文観 (ぶんかん)

耶倭土朝廷の摂政。帰化人の僧侶。伐叉羅の生まれた13年前、牛頭大帝に取り入り、「神無月の新月の晩に生まれた子が禍いをもたらす」という予言をした。牛頭大帝にダキニ天を降ろす儀式を行う。作中では名前を明言されていないが、容姿などから前世は『魍魎戦記MADARA』に登場した金剛国八大将軍・妖焔候戊倭主であるとされる。

両面宿儺 (りょうめんすくな)

蓬莱幕府の征夷大将軍。伐叉羅によって畿央が壊滅した後、東日流を除く四州を統一。牛頭大帝から帝の証・神剣クサナギを譲り受けようと情報を聞き出し、恐山のある東日流に侵攻する。しかしその途中で闇の王と化した伐叉羅に真っ二つに斬られた後に半身をつけて復活させられ、二人となる。 前世は『魍魎戦記MADARA』に登場した金剛国八大将軍・凄斬刃双臂。

徐福 (じょふく)

伐叉羅の正体を知り、伐叉羅を手助けする存在の総称。ひとりは山彦の村の長。既に身体を捨てた意識だけの存在となっており、甲賀三郎によって村が壊滅したとき、その意識も消えた。また伐叉羅と芙蓉が旅の途中で出会い、三途の川を生きたまま渡れるよう導いた女性も「徐福」と名乗った。

牛頭 (ごず)

耶倭土朝廷の王。「牛頭大帝」と呼ばれている。13年前、文観の「神無月の新月の晩に生まれた子が禍いをもたらす」という予言を恐れ、我が子を含めその日に生まれた赤子を皆殺しにした。文観の謀略によって蓬莱幕府征伐を決定。しかしその出兵の日に伐叉羅によって都が壊滅状態に陥り、蓬莱幕府の両面宿儺に捕えられてしまう。

八百比丘尼 (やおびくに)

愛染寺に住まう女性。気が触れたふりをしつつ、龍脈の力を集め、ダキニ天の降りた伐叉羅を呼び寄せていた。元は維縵の女王で、伐叉羅の母親。

邪兎 (じゃと)

小柄な僧侶のような外見の男。文観に仕える忍。愛染寺で魔物と化した伐叉羅が暴走した隙に、芙蓉をさらう。

無常 (むじょう)

金剛山の僧侶。甲賀三郎の目的を知る男。甲賀三郎から八百比丘尼を託される。

集団・組織

鬼面衆 (きめんしゅう)

『魍魎戦記摩陀羅BASARA』に登場する組織。耶倭土朝廷に仕えるアソベ族の戦士一族。四つの家から成る。文観の命令によって甲賀三郎と行動をともにしている。代々アソべ族の王を守ることが使命と伝えられている。

アソベ族 (あそべぞく)

『魍魎戦記摩陀羅BASARA』に登場する組織。かつて耶倭土の地を治めていた一族。初代の王が火を自在に操ったということから、火の民とされている。現在では戦うことをやめ、山彦の村を作り静かに暮らしている。伐叉羅、甲賀三郎もこの一族の出身。

山彦の村 (やまひこのむら)

『魍魎戦記摩陀羅BASARA』に登場する組織。アソベ族の村。長老徐福によって統治されている。伐叉羅、甲賀三郎の出身地。

場所

東日流 (つがる)

『魍魎戦記摩陀羅BASARA』に登場する国家。「螺旋城」を根拠地としている。皇子の獅子丸が実質、国を統治している模様。

維縵 (ゆいまん)

『魍魎戦記摩陀羅BASARA』に登場する国家。「根の国」ともいわれる隠れ里。死者の魂を祀る巫女の国。第一の都は恐山に、第二の都は蓬莱山にある。入り口は蓬莱山と恐山にしかないと言われているが、実際は様々なところに隠されている模様。

蓬莱幕府 (ほうらいばくふ)

『魍魎戦記摩陀羅BASARA』に登場する国家。「穢土」に都を置く戦人の政府。征夷大将軍・両面宿儺によって統治されている。

耶倭土朝廷 (やわとちょうてい)

『魍魎戦記摩陀羅BASARA』に登場する国家。統州・畿央に都を置く。牛頭大帝によって統治されている。蓬莱幕府は元々この朝廷に仕える戦人であったが、反乱によって幕府を起こした。

恐山 (おそれざん)

『魍魎戦記摩陀羅BASARA』に登場する土地。地下に維縵第一の都が置かれている場所。耶倭土の地が大陸から離れる前に麒麟という名の比丘尼がここを訪れ、御霊摩陀羅と呼ばれる子を産み、その赤子と供の女性たちを連れて隠れ里に入定したのが維縵の始まりと伝えられている。御霊摩陀羅の魂は恐山に祀られており、これが復活するとき、耶倭土が滅びるとされている。

クレジット

原作

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