魔王ダンテ

魔王ダンテ

ヒマラヤ山脈に封印されていた悪魔王ダンテと融合した少年宇津木涼に焦点をあて、太古から続く神と悪魔の戦いを描く。永井豪の代表作『デビルマン』の原型といわれる。

正式名称
魔王ダンテ
ふりがな
まおうだんて
作者
ジャンル
ダークファンタジー
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概要・あらすじ

主人公の高校生・宇都木涼は毎夜のように見る悪夢に悩まされていた。悪夢の内容は「ヒマラヤ山脈の氷に閉じ込められた怪物に自分が出会う」というもの。ある日、日本アルプスを登山中の宇都木涼は、不思議な力によってヒマラヤ山脈にテレポートしてしまう。ヒマラヤ山脈の氷の中に封じ込められていた悪魔王ダンテことイスカリオテのユダが、宇津木涼を利用してこの世に復活しようとしているのだった。

ダンテに心を操られ、封印を解いてしまった宇津木涼は、そのままダンテに食い殺されてしまう。復活したダンテは日本に飛来し、街を破壊し始める。しかし、その意識を支配しているのはイスカリオテのユダではなく、宇津木涼だった。

登場人物・キャラクター

宇津木 涼 (うつぎ りょう)

山岳部に所属する高校生。イスカリオテのユダに操られ、悪魔王ダンテの封印を解いてしまう。その後、ユダに捕食されるが、逆に意識を支配してダンテの肉体とその能力を得る。その後は日本に戻り、変身能力を使ってかつての生活に戻るが、人間社会に敵対する存在となってしまったことで苦悩する。

イスカリオテのユダ

2000年前、ナザレのイエスとの戦いに敗れてヒマラヤ山脈の氷の中に封印されている。悪魔王ダンテの肉体を持ち、宇津木涼を利用して復活することを企む。

悪魔崇拝者の青年 (さたにすとのせいねん)

悪魔を信仰する悪魔崇拝者(サタニスト)の1人で、黒ミサを行うために女学生を誘拐する。ダンテとなった宇津木涼に、悪魔王ダンテとして生きるように呼びかける。

大柴 壮介 (おおしば そうすけ)

神の結社に所属している人物。普段は宇津木涼と同じ高校に通う高校生。サディスティックな性格で、悪魔崇拝者(サタニスト)たちの黒ミサを襲撃する際も、銃は使わずに、刀を使うことを好む。涼を同志として神の結社に引き入れようとしている。

宇津木 康介 (うつぎ こうすけ)

宇津木涼の父親で宇津木総合病院の院長。しかし、実は神の結社の指導者であり、悪魔や悪魔崇拝者(サタニスト)たちを殺害することを厭わない狂信的な人物。だが息子である涼はそのことを知らない。

宇津木 沙織 (うつぎ さおり)

宇津木涼の妹で、活発な性格の女の子。兄の涼に起こった変化も、父の宇津木康介が神の結社に所属していることも知らずに、のんきに普通の生活を送っている。

ゼノン

『魔王ダンテ』に登場する悪魔。かつてはダンテとともに神と敵対して戦っていたが、神の力を恐れ、自らが率いる百の悪魔とともに神に隷属する。神から授かった力を使い、復活したダンテに挑むが敗北する。死に間際に、ダンテに悪魔軍団を作り、再び神と戦うように言い残す。

メドッサ

『魔王ダンテ』に登場する悪魔。人間の姿をしてダンテとなった宇津木涼に接触し、ダンテの記憶を刺激して、紀元前百万年の地球で栄えた古代都市ソドムとゴモラで起こった出来事を思い出させた。元々はダンテとともにソドムで平和に暮らしていた古代人だったが、神の力を吸収して悪魔となり、他の悪魔とともに神と争い続けていた。

(かみ)

『魔王ダンテ』に登場する神。宇宙から太古の地球に飛来した、不定形のエネルギー生命体。実体を持たないが、強力な超能力を使う。平和に暮らしていた古代人たちの都市ソドムとゴモラを超能力で破壊した。その後、神は古代人たちの肉体を奪い、地球人として繁栄した。現在では地球人に宿る意識や魂として、何十億にも分散しており、それらがひとつになったものが神である。 ソドムの街の生き残りを悪魔と名付け、殲滅しようとしている。

ダンテ

『魔王ダンテ』に登場する悪魔。元々はメドッサとともにソドムで暮らす古代人。恐竜狩り用に作った戦闘機で、神に戦いを挑むが、偶然通りかかった翼竜と肉食恐竜に襲われ、恐竜たちもろとも神の攻撃を受ける。しかし、神のエネルギーを受けて体を変化させ、二匹の恐竜と戦闘機との融合を果たして、異形の怪物・悪魔王ダンテとなる。 同じように悪魔へと体を変化させたソドムの住人たちを集め、神との戦いを開始する。長い戦いで神に敗北しヒマラヤ山脈に封印されるが、その際にイスカリオテのユダに肉体を渡し、まだ赤ん坊だった宇津木涼に精神を宿すと、再び復活する時を待ち続けていた。

集団・組織

悪魔崇拝者 (さたにすと)

『魔王ダンテ』に登場する組織。悪魔を信仰し、神を否定する人間によって構成されている。構成員たちは、太古の地球で栄え、神によって滅ぼされた都市ゴモラに暮らした古代人たちの末裔である。サタンによって残された予言の書に従って黒ミサをとり行い、ダンテを復活させることを目論む。神の結社とは敵対関係にある。

神の結社 (かみのけっしゃ)

『魔王ダンテ』に登場する組織。神に仕え、悪魔を滅ぼそうとしている狂信者たちによって構成されている。長年悪魔崇拝者(サタニスト)たちとは敵対関係にあり、16世紀には大規模な魔女狩りを行っていた。近年における悪魔崇拝者(サタニスト)たちの増加を危惧している。

場所

ソドム

紀元前百万年の、太古の地球に栄えた古代都市。優れた科学力を持ち、人々は平和に暮らしていたが、宇宙から飛来した神の超能力によって破壊される。さらにソドムの住人たちは神によって虐殺されるが、逆に神の持つエネルギーを吸収して体を変化させ、悪魔へと変貌した。

ゴモラ

ソドムと同じく、紀元前百万年の地球に栄えた古代都市。ソドムで古代人たちがエネルギーを吸収して悪魔に変貌することを知った神は、ゴモラの住人達が力を持つことがないよう、直接手を下さずに大洪水を起こしてゴモラを破壊した。生き残ったゴモラの住人の末裔たちは、現在では悪魔崇拝者(サタニスト)と呼ばれ、神に弾圧されている。

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