黒服物語

黒服物語

成田マナブの代表作の一つで、原作は『嬢王』や『夜王』など、水商売を題材にした数々の作品で知られる倉科遼が務めている。現代日本の池袋を舞台に、浪人生の小川彰が黒服としてキャバクラに入店し、欲望渦巻く夜の世界でのし上がっていく姿を描いたサクセスストーリー。集英社「スーパージャンプ」2005年9号から2006年15号にかけて連載。2014年10月に実写ドラマ化され、テレビ朝日系で放送された。彰を中島健人、杏子を佐々木希が演じている。

正式名称
黒服物語
ふりがな
くろふくものがたり
原作者
倉科 遼
漫画
ジャンル
水商売
 
裏社会・アングラ
レーベル
ジャンプコミックスデラックス(集英社)
巻数
全4巻完結
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黒服になった青年のサクセスストーリー

本作は、キャバクラ嬢たちを支える裏方「黒服」に焦点を当てた、華やかさと欲望が渦巻く夜の世界における愛憎劇。大学受験を断念した青年、彰がキャバクラの黒服として夜の世界に足を踏み入れ、さまざまな出会いや仕事を通じて一人の大人として成長していく姿を描いている。彰の活躍や直面する困難を通じて、キャバクラを取り巻く夜の世界の厳しい現実を知ることができる。また、当初は素人同然だった彰が、ハードな仕事やトラブルを乗り越えながら成り上がっていく王道のサクセスストーリーも大きな魅力となっている。

医者の息子が夜の世界へ

医者の父を持つ予備校生の彰は大学の医学部を目指して勉強に励んでいたが、医者になることへの情熱を見出せず、再び受験に失敗してしまう。親が敷いたレールに沿った人生に疑問を抱き始めた彰は、夜の池袋の街を彷徨っていた際に、キャバクラ「Juliet」で働く杏子に出会い、一瞬で心を奪われてしまう。彰は杏子のそばにいたい一心で、Julietの黒服になることを決意する。当初は門前払いを受けたものの、幸運にも店のスタッフが不足しており、彰はJulietの新人黒服として夜の世界に足を踏み入れることになる。

嫉妬の炎と成長への試練

彰は黒服としての仕事にも慣れ、順調に成長を遂げていた。しかしある日、彰は尊敬するチーフ黒服の原田とあこがれの杏子が二人でホテルから出てくる姿を目撃してしまう。その瞬間、彰の尊敬の念は嫉妬と憎悪に変わり、彼は原田に対して黒服としてのプライドを賭けた勝負を挑むことを決意する。この騒動はキャバクラ「Juliet」の人間関係に大きな亀裂を生じさせ、やがて店全体を巻き込む波乱へと発展していく。また、店に在籍する個性豊かなキャバクラ嬢たちは、それぞれなんらかの悩みや問題を抱えている。彰は新人黒服として、彼女たちと真摯に向き合い、解決に奔走する中で、彼自身も人間的に大きく成長していく。

登場人物・キャラクター

小川 彰 (おがわ あきら)

医者の父の跡を継ぐため、大学の医学部を目指して三浪中の青年。年齢は20歳。長野県飯田市出身。受験に失敗し失意の中、キャバクラ「Juliet」の杏子と出会い、彼女に強いあこがれを抱くようになる。その後、紆余曲折を経てJulietの新人黒服として働き始め、キャバクラ嬢たちを支えながら日々奮闘している。初日からグラスを割るなどの失敗が続いたが、先輩の原田たちの助けを受けながら、次第に黒服としての才能を開花させていく。そして、のちに原田に代わってJulietのチーフ黒服として成長を遂げる。

杏子 (きょうこ)

池袋のキャバクラ「Juliet」で君臨する伝説のNo.1キャバクラ嬢。北海道函館市出身。濃い茶髪のロングヘアが印象的なスタイル抜群の美女。偏見を持たれがちな職業にも誇りを持ち、真摯に取り組むプロ意識の高さを兼ね備えているが、ふとした瞬間にミステリアスな一面を垣間見せることもある。夜の街を彷徨っていた彰と出会い、彼にとってのあこがれの存在となる。そのカリスマ性から、Julietのキャバクラ嬢や黒服たちからも深く尊敬されている。しかし、チーフ黒服の原田との関係が誤解され、Julietを去ることになる。

クレジット

原作

書誌情報

黒服物語 全4巻 集英社〈ジャンプコミックスデラックス〉

第1巻

(2005-08-04発行、978-4088595238)

第2巻

(2005-12-20発行、978-4088595481)

第3巻

(2006-04-04発行、978-4088595696)

第4巻

(2006-08-04発行、978-4088595931)

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