概要・あらすじ
1943年、ロシア南部でソビエト連邦軍と戦うドイツ軍東部戦線第8戦車中隊は「黒騎士中隊」と呼ばれ、勇猛な戦いぶりで敵から恐れられていた。すでにドイツ軍が劣勢に転じた中で、中隊長のエルンスト・フォン・バウアーは時に司令部の命令を無視しても、部下を無駄死にさせまいと活躍。ソビエト連邦軍の大攻勢を受けながらも転戦を続け、残った戦車を寄せ集めて「黒騎士中隊」を再編し、撤退する友軍を守って奮戦する。
登場人物・キャラクター
クルツ・ウェーバー
ドイツ軍東部戦線第8戦車中隊に配属されてきた新任の補充兵。最初は上等兵として中隊長のエルンスト・フォン・バウアーが乗るタイガー戦車の装填手。ドイツ軍司令部直属の戦車中隊に再編後は軍曹に昇級して砲手に、そしてついには戦車長になった。全滅を逃れて退却した際は、それが軍律違反とされて軍法会議にかけられたが、そこに乗り込んできた中隊長によって救われている。 物語の語り手的な役割を務め、その活躍は英雄的というほどではないが善戦を重ねた。敗戦まで生き残って復員した後、中隊長の墓に参った際に、墓前で中隊長の父で元陸軍大将のエミール・フォン・バウアーとおぼしき人物と再会している。
エルンスト・フォン・バウアー
ドイツ軍東部戦線第8戦車中隊隊長で、位は中尉。陸軍大将エミール・フォン・バウアーを父親に持つ、1913年1月28日生まれの30歳。家族には、ほかに母親と妹のエンゲがいる。クルツ・ウェーバー着任後のT-34との戦闘で右目を失い、以後、眼帯を付けて戦った。 勇猛果敢に第8中隊を率い、通称「黒騎士中隊」と呼ばれる彼の中隊には、ソビエト連邦軍から5万ルーブルの懸賞金がかけられていた。軍律に違反したことで、戦車を使わない戦車猟兵大隊に転属させられるが、その後「黒騎士中隊」がドイツ軍司令部直属の戦車中隊として再編された際、大尉に進級してその隊長となった。 しかしソビエト連邦軍の大攻勢によって戦車の半分を失い、残ったドイツ軍の戦車をかき集めて「黒騎士中隊」を再度編成。その活躍により「騎士十字章」を与えられるが、1945年5月9日、撤退する友軍をソビエト連邦軍から守って戦死した。
エミール・フォン・バウアー
ドイツ軍第12装甲軍司令官の陸軍大将。息子三人のうち長男と三男をすでに戦争で失い、次男のエルンスト・フォン・バウアーに家を継がせたいと思っている。そのためエルンストを後方に回そうとするが受け入れられず、後に陸軍参謀長代理として、エルンストに「騎士十字章」を授けることになった。 その後どうなったかは定かではないが、エミール・フォン・バウアーとおぼしき人物が戦後、エルンストの部下だったクルツ・ウェーバーと再会している。
オットー・シュルツ
ドイツ軍東部戦線第8戦車中隊の中隊長搭乗戦車の砲手として登場する曹長。中隊長のエルンスト・フォン・バウアーとはそれ以前からの戦友だったが、共に戦歴を重ねたエルンストが「騎士十字章」を与えられた後、准尉の位で戦死している。
マイヤー
ドイツ軍東部戦線第8戦車中隊の隊長搭乗戦車の操縦手として登場する伍長。ハンブルクに妻と子供がおり、父親はソーセージ作りの職人。軍曹に進級した後にどうなったかは不明。
ハンス
ドイツ軍東部戦線第8戦車中隊の隊長搭乗戦車の無線手として登場する上等兵。隊長のエルンスト・フォン・バウアーと共に戦歴を重ねて伍長に進級するが、その後どうなったかは定かではない。