CUFFS ~傷だらけの地図~

CUFFS ~傷だらけの地図~

一度も会ったことのない息子・沢渡憂作の身体に魂が乗り移ってしまった、喧嘩に長けたチンピラの久宝龍二が、憂作として第二の人生を歩もうとする姿を描いた不良バトル漫画。

正式名称
CUFFS ~傷だらけの地図~
ふりがな
かふす きずだらけのちず
作者
ジャンル
不良・ヤンキー
関連商品
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概要・あらすじ

生来の喧嘩の強さを武器に、チンピラとして35歳になるまで勝手気ままに生きていた久宝龍二は、ある日、銃で撃たれてしまう。意識を取り戻した龍二だったが、その姿はなぜか若い男に変わっていた。その後、龍二の体はすでに死亡したこと、若い男が一度も会ったことない息子・沢渡憂作で、龍二が撃たれたのと同一時刻に自殺を図ったことを知る。

その後、彼は沢渡憂作として、第二の人生を歩むことを決意。だが、生まれ変わった憂作の前には、次から次へとトラブルと強敵が出現する。結果的に第二の人生でも暴力で物事を解決しがちになる憂作。しかし龍二を知る人たちが、かつてどんな思いをしていたかを知り、また多くの新たな出会いを経験したことで、人間として大きな成長を果たすのだった。

登場人物・キャラクター

沢渡 憂作 (さわたり ゆうさく)

もともとは久宝龍二として、勝手気ままな人生を歩んでいたチンピラだった。沢渡涼子と結婚するも生活は彼女に頼るだけだったばかりか、涼子が妊娠したと知るや失踪。その後も、力に物を言わせる生活を続けた結果、35歳のときに銃で撃たれて死亡。しかしその魂が、一度も会ったことのない息子・沢渡憂作の身体に宿る。 憂作は進学校である芝田学園に通う高校生だったが、父親の犯罪歴が周囲に知られたことなどから過酷なイジメを受け、龍二が射殺された同じ日に自殺していた。こうしてかつての妻の息子として第二の人生を歩むことになった憂作は、今度は真面目に生きようと決意。しかし龍二の強気で挑発的な性格は変わらなかったため、周囲からはいじめられっ子が豹変したように映り、さらにイジメられそうになる。 だが、喧嘩の腕前も龍二のそれだったため、なんなくこれを撃破。その後、芝田学園に君臨する不良・長瀬や櫛渕高校のヤンキー、立江商業高校の花枝三兄弟、小松大工業高校の稲葉繁樹などの不良たちや、さらには龍二のころに因縁のあったヤクザなどと次々とトラブルになるが、すべて実力で打ち倒していった。 そうした中で、芝田学園随一の才女・笠原恵と知り合い、最初はいがみ合うが、次第に打ち解け、想いを寄せ合うように。だが、ブラックコートマフィアが恵をつけ狙い、これを守ろうと奮闘するも、最終的に恵は死亡してしまう。 この顛末を受け、憂作は芝田学園を退学し、ブラックコートマフィアの巣窟である小松大工業高校へ転校。恵の復讐のため、闘争を繰り広げる。さらに男死利祭を通して、全国から集った関西ノワールとも激突し、これを打ち倒した。髪型はリーゼント。なお、芝田学園では素行の悪さから留年した。

沢渡 涼子 (さわたり りょうこ)

久宝龍二の元妻で沢渡憂作の母親。龍二とは高校時代に出会い、付き合うようになり、後に結婚した。まともに働かない龍二を献身的に支えるが、妊娠を知った龍二に去られてしまう。それでも龍二を恨むことなく、憂作を女手ひとつで育て上げる。憂作を強く愛しているが、子離れができておらず、むしろ依存している一面も。 のちにハルオにそのことを指摘され、少し憂作と距離を持つようになった。龍二の魂が宿り、性格が激変した憂作にも特に違和感を覚えないなど、天然ボケぎみのおっとりとした性格。しかしヤクザの脅しに毅然とした態度を見せるなど、芯の強さもある。 高校生の息子を持つ母親ながら若々しい美貌の持ち主で、男性からの人気は高く、龍二の弟や後輩などから想いを寄せられる。

沢渡 琢郎 (さわたり たくろう)

沢渡涼子の父親で沢渡憂作の祖父に当たり、ラーメン屋を営む。少林寺拳法の達人で、かつて久宝龍二すら圧倒したほどの実力者。涼子と一緒になった龍二にはさまざまなチャンスを与えたものの、彼がすべて無駄にしたと考えている。一方、もっと寛大に受け止めるべきだったと後悔も。 長女の涼子のほか、次女に奈保子がいるが、奈保子もチンピラに惹かれて駆け落ち。琢郎自身も若かりし頃は不良だったため、その因果かと思い悩む。龍二を射殺したヤクザの仲間から、元身内ということで金銭を支払うよう脅迫されるが、これを断固拒否。さまざまな嫌がらせを受け、また肺癌をわずらったため一時は弱気になるものの、憂作の助力によって気を持ち直した。 癌ものちに快方に向かう。龍二の魂が宿って性格が激変した憂作のことは、それまでをむしろ不甲斐なく感じていたため、好もしく思っている。

ハルオ

バーを経営するゲイで、久宝龍二の知人。ヤクザとのトラブルで助力が必要になった沢渡憂作が、以前の知識を明かすことで自身が龍二であることを信じさせた。その後、さまざまな局面で憂作に協力する。かつては医師だったが、オカルト趣味に傾倒しすぎたために医師免許を剥奪された。 だが、腕前は確かで、憂作やその仲間の治療にあたることもしばしば。沢渡涼子とも面識がある。暴力団・小倉会の会長・小倉正哉の愛人。

笠原 恵 (かさはら めぐみ)

芝田学園で一番の成績を誇る秀才で、教師からの信頼も厚い。沢渡憂作に対しては、当初は印象が良くなく、「変態」「野蛮人」などと蔑んでいた。だが、たまたま手に入れてしまったパープルヘイズを回収しようとするブラックコートマフィアから憂作が守ってくれたこと、さらに趣味が一致したことなどで急速に親しくなっていく。 白血病を患っており、治療のためカナダに渡ることが決まっていたが、旅立ちの前日に気持ちを抑えきれずに憂作に会いに行き、共に外出したところをブラックコートマフィアに襲われた。襲撃で怪我を負ったこと、悪天候のなかで無理をしたことが原因で、急激に体調が悪化。 病院に連れて行こうとする憂作の背中で息を引き取った。憂作との出会いから別れまでは、わずか3日間の出来事。病気が原因で、留年を経験している。また、父親は芝田学園で生活指導を担当する教師。

黒田 有美 (くろだ ゆみ)

沢渡憂作の幼なじみで、いじめを受ける憂作のことを気にかけていたところ、言動が激変したことに違和感を覚える。一方、男らしい振る舞いに惹かれ、好意を寄せるようになった。のちに憂作から事の次第を明かされ、龍二の魂が宿っていることを知る数少ない人間のひとり。 両親が離婚した際に金髪してグレかけるが、元々が真面目な性格であり、すぐに挫折した。憂作が小松大工業高校に転校したのちは関係が疎遠になる。

長瀬 (ながせ)

久宝龍二の魂が宿った沢渡憂作が幅を利かせるまで、芝田学園に君臨していた不良。同校の生徒に愛着があるわけでなく好き勝手に振る舞っているだけだが、長瀬が危険人物なあまり周辺校から恐れられ、結果的に進学校である芝田学園の生徒たちの安全を担保していた。憂作とは当初、激しくいがみ合い、2度にわたってタイマンを行うが、いずれも敗れる。 だが、拳を交える中で通じ合った。黒人米兵の父と日本人の母との間で生まれたハーフだが、父は母子を捨て帰国。肌の色の違いで幼いころはイジメられていた。そうした状況を打破するため、力で相手をねじ伏せるように。また、いかつい見かけとは裏腹に、3か国語を操るなど、学力は非常に優秀。 憂作に敗北後は芝田学園を退学し、ひとりアメリカへ渡った。のちに軍人となり、イラク派兵に加わっていたが、男死利祭のことを知り、憂作に助力するため帰国を果たす。

花枝三兄弟 (はなえださんきょうだい)

長男がO次郎、次男がマリリン、三男がレニーで、3人とも立江商業高校に通う。O次郎は、蟷螂拳を操る狂気の男。マリリンは知謀にも優れ、合気道の達人で、残虐な性格。レニーはカポエラの使い手だが、知能は低い。沢渡憂作と対立し、敗北。のちにドラゴン会をめぐる一件では、O次郎およびレニーが憂作と共闘する。 ブラックコートマフィアには3人揃って手ひどくやられた。男死利祭では当初腰が引けていたが、不良としての意地を貫くため、長瀬らとともに激闘を繰り広げる。

稲葉 繁樹 (いなば しげき)

小松大工業高校の生徒で、イナーキの通称で知られている。幼いころ久宝龍二が喧嘩をしているところに遭遇したことがあり、憧れるようになった。もともとは龍二が起ち上げた格闘道場・誠龍会(通称・ドラゴン会)を乗っ取る。その後、復讐に訪れた誠龍会関係者100人をたったひとりで撃破した。 誠龍会をさらに高め、ドラゴンズなる格闘家集団を結成しようと画策。イナーキの目的は、台頭するブラックコートマフィアに対抗する組織を作り上げることだった。しかし龍二の親友で、ともに誠龍会を起ち上げた平松誠治の娘・平松史奈が誠龍会の看板を取り戻そうとし、それに沢渡憂作が巻き込まれたことで、対立するようになる。 打撃にも寝技にも精通するファイターだが、憂作によって勝負の場を多数の車が行き交う高速道路へと誘われ、敗北を喫した。介入してきた警察に逮捕され、少年院に送られる。男死利祭では少年院から脱走し、憂作らの危機に駆けつけた。

岸川 秀人 (きしかわ ひでと)

小松大工業高校の生徒で、転校してきた沢渡憂作に近づき情報を提供、以後ブラックコートマフィアとの抗争に明け暮れる憂作と行動を共にする。暴力団・岸川一家の次男坊で、父親から渡された1000万円を元手に、マリファナ煙草・パープルヘイズを製造し、それを販売させるためにブラックコートマフィアの前身組織を起ち上げた。 のちに金の匂いを嗅ぎつけた兄・岸川秀寿に組織を譲るよう求められ、特に執着していなかったためそれに従う。憂作には確かな友情を感じており、二心なく協力していたが、父親が暴力団の抗争で殺害されたことで変心。その裏側には、植物状態の母親の存在があった。 母親の命を維持するには莫大な金が必要で、それを捻出するため新生ブラックコートマフィアのボスに就任。憂作を味方に引き入れようと尽力するが、ことごとく拒絶されたため、最終的に憂作と1対1の激闘の末、敗北した。さらにその場に乱入してきた小倉正哉によって右腕を切り落とされる(ただし正哉の手配により、外科手術を施され、元通りに縫合された)。

堀田 速人 (ほった はやと)

小松大工業高校の生徒で、ブラックコートマフィアのひとり。棒術の達人。沢渡憂作とブラックコートマフィアが対立するなか、さまざまな局面で憂作を助ける行動を見せた。その正体は、ブラックコートマフィアの対抗組織・関西ノワールを主導する人物。関西ノワールを率いて男死利祭を主催し、2000人超の不良とともに憂作らが住む町を襲撃しようとする。 彼の最終目的は、不良たちを暴れさせることにより世間の危機感を煽り、少年法をより厳しく改正させること。背景には薬物にはまってしまった堀田の妹が、粗悪な代物を摂取したことによって死亡するが、製造者が未成年だったため少年法によりろくに処罰されなかったという過去がある。

小倉 正哉 (おぐら まさや)

暴力団・小倉会の会長で、上部組織王塚組の次期組長と目されている。非常に血の気が多く、かつ残忍な性格。特に日本刀の扱いに長け、いったん刀を抜くと誰かの血を見るまで鞘に納めることはない。ついた渾名は人斬り正哉。作中ではブラックコートマフィア幹部の指や、岸川秀人の腕を斬り落としている。 なお、秀人の父親で暴力団・岸川一家の組長を殺害させた人物だが、秀人の腕を斬り落としたのは、可愛がっている姪を秀人がさらい、沢渡憂作をおびき寄せる人質として使ったため。憂作とは、彼が暴力団に攫われた沢渡涼子を救おうと、単身乗り込んできた際に知り合い、その男気を買っていた。 なお、ハルオの愛人である。

集団・組織

ブラックコートマフィア

『CUFFS ~傷だらけの地図~』に登場する集団。煙草に見せかけたマリファナ・パープルヘイズを製造・販売するため、岸川秀人によって組織された。ただしブラックコートマフィアという名称は、秀人の兄・岸川秀寿が命名したものである。轟史郎を筆頭に、地域の不良校・小松大工業高校に通う10名の猛者によって構成。 構成員のひとり・加地屋裕貴が正規ルートではなくパープルヘイズをさばき、それを偶然笠原恵が入手したことから、沢渡憂作との因縁が生まれる。パープルヘイズを回収しようとした過程で、恵が死亡。憂作の復讐の対象となった。

イベント・出来事

男死利祭 (だんじりまつり)

『CUFFS ~傷だらけの地図~』に登場するイベント。堀田速人によって主催された不良のための祭典。東京ばかりが目立つことに不満を抱いた、東京以外の不良をいったん神戸に集結させ、ジャックした大型船で憂作らの地元である東京を襲撃するというもので、集った地方の不良は2000人を超えた。たとえこれで死亡したとしても、不良としてのステージが上がる。 「“男”は“死”んで“利”益を得る」ということで男死利祭と命名。ただし、上記はすべて堀田による詭弁であり、その本当の目的は、多くの不良少年による暴動を引き起こすことで世間の危機感を煽り、甘すぎる少年法を厳罰化させようとするものだった。

その他キーワード

番長番付 (ばんちょうばんづけ)

『CUFFS ~傷だらけの地図~』に登場するWebサイト。投稿されたエピソードにより閲覧者が投票し、全国の不良をランキングしている。通称・バンバン。沢渡憂作は不動の一位として君臨しており、その他の上位ランカーも多くが東京勢(本作の舞台は東京の架空の都市・達川町)。その事実に地方の不良たちは不満を募らせ、それが男死利祭参加へのモチベーションとなった。 なお、憂作のエピソードを逐次投稿していたのは岸川秀人。

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