あらすじ
第1巻
暴走族「愛沢連合」の総長だった愛沢浩司は、マルチ商法にはまって多額の借金を背負いながらも、一念発起してラーメン屋「ラーメン爆走族・愛」をオープンさせた。努力の甲斐あって、少しずつ固定客もついてきた矢先、ヤクザの滑皮秀信が店に現れる。滑皮は愛沢と同郷の出身で、借金を背負った際に世話になって以来、愛沢は彼に頭が上がらない。そんな滑皮が何の前触れもなく突然現れた事に驚く愛沢に対し、滑皮はラーメンを作ってくれるように頼む。愛沢の作ったラーメンを食べた滑皮はその味を高く評価するが、その直後、「ビジネスの話」と称して彼が取り扱っている「水」の卸売を勧め始める。(第6話。ほか、6エピソード収録)
第2巻
滑皮秀信のバックアップを受け、愛沢浩司はラーメン屋「ラーメン爆走族・愛」の本格的な経営に乗り出したものの、売上が伸び悩んでいた。愛沢が自分に支払う上納金もままならない状況を見かね、滑皮は宣伝担当としてG10という男を紹介する。胡散臭い外見のG10に眉をひそめる愛沢だったが、彼は「オサレ皇帝」として若者達を中心に絶大な人気を誇るファッションリーダーだった。そしてG10による宣伝効果を発揮し、愛沢のラーメン屋は幅広い客層から支持を集めていく。滑皮は愛沢に多角経営を勧め、その一環として2号店の出店を提案し、新たな店舗の出店に向けて、愛沢はスタッフを選び始める。(第11話。ほか、6エピソード収録)
第3巻
ヤクザとして盃を受けた元イベントサークル代表の石塚ミノルは、ヤクザの親分から上納金が少ない事を詰め寄られ、新たな収入源を獲得する事を迫られていた。そんな中、石塚は気晴らしに滑皮秀信のバックアップを受けて急成長を遂げている「ラーメン爆走族・愛」に立ち寄る。そこで、経営者の愛沢浩司がかつてヤンキーだった事を知った石塚は、新たな収入源としてラーメン屋を開業する事を考える。さっそく石塚は愛沢の店の前に自身のラーメン屋を開店し、愛沢の店から客を奪い始める。だがその事実は愛沢のバックにいる滑皮の知るところとなり、やがてヤクザ同士のトラブルへと発展していく。(第18話。ほか、6エピソード収録)
登場人物・キャラクター
滑皮 秀信 (なめりかわ ひでのぶ)
ヤクザの男性。若琥会若琥一家二代目猪背組の幹部候補生として、組織内部で急速に力をつけてきた。人間の頭に向かって金属バットでフルスイングができるほどの凶悪な性格の持ち主であり、収入源となる相手を見つけると、即座に入り込んで手段を選ばずビジネスに持ち込む。ラーメンに対しては独特のこだわりを持っており、たとえカップラーメンであっても食べ方や調理方法にかなりうるさい。 その一方で、食べ方は非常に汚い。基本的には金を手に入れ、組織内部でのし上がっていく事を目的としているが、自身の部下に対しては誕生日にプレゼントを贈るなど、仲間思いの一面もある。
戌亥 (いぬい)
滑皮秀信の仲間の男性。本職のヤクザである滑皮とは異なり、あくまでも一般人の協力者として滑皮と接する。自身は滑皮と一定の距離を置きつつ、滑皮にとって有益な情報を提供して立場をキープしている。本業は探偵であり、知人に新聞記者がいるなどさまざまなパイプを持っており、滑皮からも利用価値が高い人物と認識されている。たびたび滑皮に呼び出されては食事に付き合わされており、その際に無理難題を投げかけられて振り回される事も多い。
愛沢 浩司 (あいざわ こうじ)
ラーメン屋の男性で、かつて暴走族「愛沢連合」の総長を務めていた。滑皮秀信とは同郷の出身であり、マルチ商法にはまって多額の借金を背負った際に滑皮に相談した事から、彼との人脈を築いた。現在はラーメン屋「ラーメン爆走族・愛」を開業し、努力の末に「愛沢スペシャル」というオリジナルのラーメンを完成させた。滑皮のバックアップに加え、この愛沢スペシャルがインターネットを中心に話題を集めた事で、まずまずの繁盛店となっている。
石原 (いしはら)
愛沢浩司の後輩の男性。かつて愛沢が総長を務めていた暴走族「愛沢連合」のメンバーの一人であり、愛沢連合が解散した現在は無職で、カツアゲなどをして生計を立てている。ラーメン屋として成功した愛沢に金の無心をするが、愛沢によって逆にラーメン屋で働かないかとスカウトされる。愛沢の事は「愛沢連合」に所属していた当時は見下していたが、ラーメン屋として身を立てた愛沢を見直し、やがて愛沢のラーメン屋「ラーメン爆走族・愛」の2号店を任される。
G10 (ごと)
自称ファッションモデルの男性。雑誌の読者モデルとして絶大な人気を集めるファッションリーダーであり、特に若年層に対しての高い影響力を持っている。滑皮秀信の所属する組から金を盗んだ事で滑皮に殺されそうになるが、G10は自身が金を生み出す才能を持っている事を滑皮にプレゼンし、その結果愛沢浩司のラーメン屋「ラーメン爆走族・愛」の宣伝部長に任命される。 持ち前の発信力によって愛沢のラーメン屋は屈指の人気店となっていく。
石塚 ミノル (いしづか みのる)
ヤクザの男性。かつて数々のイベントを仕切るイベントサークルの代表として活躍していたが、現在は上納金が少ない事に頭を悩ませる日々を過ごしている。気晴らしに立ち寄ったラーメン屋「ラーメン爆走族・愛」の店長である愛沢浩司が元ヤンキーである事を知り、自身もラーメン屋で金を稼ごうと試みる。しかしラーメンに対するこだわりはまったくなく、味にも一貫性がないためすぐに飽きられてしまう。 体重が重く、見た目も太った体型のため、周囲からは「豚塚」と呼ばれている。
その他キーワード
愛沢スペシャル (あいざわすぺしゃる)
愛沢浩司が独学で研究した末に開発したラーメン。チャーシューをふんだんに使ったボリューム感と、あっさり系のスープでバランスをとったラーメンで、愛沢の店「ラーメン爆走族・愛」の看板メニュー。その後も改良が続いており、現在は4回目のバージョンアップが完了している。
クレジット
- 原作
ベース
闇金ウシジマくん (やみきんうしじまくん)
10日で5割という法外な金利で金を融資している、無届けの貸金業者(闇金)、カウカウファイナンスを訪れる顧客たちの人間模様を描く。数話から長い時には20話以上の話をひとつのエピソードとして章立てし、サブ... 関連ページ:闇金ウシジマくん
関連
闇金ウシジマくん外伝 肉蝮伝説 (やみきんうしじまくんがいでん にくまむしでんせつ)
真鍋昌平の『闇金ウシジマくん』に登場する肉蝮を主人公にしたスピンオフ作品。本編でもその凶悪な非道ぶりで強烈な個性を発揮する肉蝮を中心に、彼と彼に振り回される周囲の人達の騒動を描く。小学館「やわらかスピ... 関連ページ:闇金ウシジマくん外伝 肉蝮伝説
少年院ウシジマくん (しょうねんいんうしじまくん)
真鍋昌平『闇金ウシジマくん』の公式スピンオフ。漫画制作は『闇金ウシジマくん外伝 らーめん滑皮さん』でもスピンオフを手がけた山崎童々。1990年代のとある少年院を舞台に、傷害罪の現行犯で収容された15歳... 関連ページ:少年院ウシジマくん
書誌情報
闇金ウシジマくん外伝 らーめん滑皮さん 5巻 小学館〈ビッグ コミックス〉
第1巻
(2018-03-12発行、 978-4091898388)
第2巻
(2018-06-29発行、 978-4098600328)
第3巻
(2018-10-30発行、 978-4098601714)
第4巻
(2019-02-28発行、 978-4098602575)
第5巻
(2019-05-30発行、 978-4098603466)