概要・あらすじ
バルスブルグ帝国によって滅ぼされたラグス王国の王子であるテイト・クラインは、記憶を失い、帝国軍人の卵として士官学校で生活していたが、ある時、自分が王国の王子であることを思い出す。士官学校を脱出したテイトは、教会によって庇護される。力をつけなければ帝国にあらがうことはできないと悟った彼は、教会内で修練を積み、さまざまな特権を持つ司教となることを目指す。
やがて司教見習いとなったテイトだが、彼にはかつて世界に災いをまきちらした死神フェアローレンと、絶大な魔力を誇る魔石ミカエルの瞳が封じられていた。彼は自らの出自を知るべく、かつてフェアローレンと戦った司教フラウらとともに巡礼の旅に出る。
登場人物・キャラクター
テイト・クライン (ていとくらいん)
かつて世界を二分していた大国ラグス王国の王子。側室の子であったため王妃に疎まれ、封印された災厄である死神フェアローレンを宿され、記憶を奪われたうえで追放されていた。王国がバルスブルグ帝国に滅ぼされた後は、フェアローレンを宿すものとして捕らえられ、秘密裏に監視下に置かれ、表向きは帝国軍人候補として士官学校で教育されていた。 記憶の一部を取り戻して士官学校を脱走した後は教会に身を寄せ、帝国にあらがえるだけの力を身につけるとともに、自身の体に秘められた謎を解き明かす旅に出る。隠しごとのできないまっすぐな性格をしており、考えるよりもまず体が動いてしまうタイプで、教会の司教たちによくたしなめられている。
ミカゲ=セレスタイン (みかげせれすたいん)
士官学校におけるテイト・クラインのルームメイトで、奴隷とさげすまれていた彼の唯一無二の親友。記憶を取り戻したテイトの脱走に助力したため、軍参謀のアヤナミによってとらえられ、魂の半分を奪われた操り人形のような状態で、テイトへの刺客として差し向けられる。テイトと再会した後は、もはや自らの命がないことを告白し、テイトに自分を殺すよう告げる。
アヤナミ
バルスブルグ帝国軍参謀長官を務める重鎮。皇帝直属の部隊“ブラックホーク”の指揮権限を与えられており、士官学校を脱走したテイトを追跡する。元々はラグス王国の人間だったが、死神フェアローレンの魂が転生しており、己の体が封じられたテイト・クラインと、封印を解放する鍵となるミカエルの瞳を執拗に狙っている。
ハクレン=オーク (はくれんおーく)
ミカゲ=セレスタインに非常によく似た姿をした少年。教会に身を寄せたテイト・クラインと知り合う。プライドの高い性格で、最初は彼と衝突するがじょじょに友情が芽生え、共に司教を目指す間柄となる。幼いころコールにとりつかれた母を救ってくれたフラウに憧れている。良家の出で、見合いの話がひっきりなしに訪れるため女性をやや苦手としている。
フラウ
テイト・クラインが身を寄せる教会の司教。司教という立場でありながらエロ本を読んだり、喫煙したりと世間の垢にまみれた振る舞いを見せる。ぶっきらぼうな性格に見えるが実際は優しい人物で、行き倒れていたテイトを教会にかくまった。かつてフェアローレンから世界を救ったとされる7人の死神セブンゴーストの1人であり、鎌を使った極めて高い戦闘力を誇る。
オウカ
年寄りめいた口調で話すツインテールの少女。暴漢に襲われていたところをテイト・クラインに助けられる。世間知らずの少女に見えるが実際は、死亡したバルスブルグ帝国の王女のクローンのような存在で、本物のオウカの魂が宿っている。フェアローレンを封じたミカエルの瞳と対になるラファエルの瞳を有している。
カストル
かつてフェアローレンを封印したセブンゴーストの一人。現在は教会の司教でありフラウらとともに、教会に身を寄せたテイト・クラインをアヤナミの手から守るべく戦う。魂と魂をつなげる“繋魂”という力を持ち、絆の深い間柄の者であれば、片方のエネルギーを使ってもう片方を蘇生させることすらできるほかコールを無生物の人形に込めて自在に操作することができる。
ラブラドール
かつてフェアローレンを封印したセブンゴーストの一人で、教会の司教。草花を愛する、心優しい少年。未来を極めて高い精度で予知する“預魂”の力を持つほか、自然の植物を自在に操ることができる。テイト・クラインの未来を予知しフラウらとともにアヤナミの魔の手から彼を守るべく戦う。
バスティン
教会の大司教の補佐を務める人物。フラウの師匠にあたる人物で、司教たるものの気構えなどを説き、神を信じていなかったフラウの心を開いた人物。清廉潔白な人物だが、それゆえに罪人を憎む気持ちが強くなりすぎて、禁忌の黒魔術に手を染めてしまい、最終的に死亡する。アヤナミ直下の部隊“ブラックホーク”の一員であり、秘密裏にテイト・クラインの情報を流していた。
ミロク
テイト・クラインが通っていた士官学校の理事長で、元帝国軍の元帥。ラグス王国が滅びた際にテイトを引き取って士官学校に入れた人物。軍人として引退した今でも出世欲が強く、帝国の中枢に食い込むための手段としてミカエルの瞳を宿すテイトを利用しようと画策していた。
ヒュウガ
バルスブルグ帝国軍の少佐で、アヤナミ率いる部隊“ブラックホーク”の一員。ひょうひょうとした性格の持ち主で上官であるアヤナミを“アヤたん”、同僚のクロユリを“クロたん”と呼ぶなどする。しかし、戦闘技術は非常に高く教会屈指の力を誇るフラウと互角に渡り合う実力者。
その他キーワード
フェアローレン
『07 GHOST』に登場する用語。天界の長によって生み出されたもので、あらゆる英知を持つとされる死神。骸骨を模した姿をとり、生物の命を管理するものと見られていたが、天界の長に逆らい、その娘イヴを殺害し地上に降臨、疫病などの災いをばらまいたため、彼を追ってきた7人の死神セブンゴーストとミカエルの瞳、ラファエルの瞳によって肉体と魂をそれぞれ封印された。 魂の憑依したアヤナミとなって肉体の復活を目論んでいる。
ミカエルの瞳 (みかえるのひとみ)
『07 GHOST』に登場する用語。意思を持った赤い魔石。テイト・クラインにフェアローレンの肉体が封じられた時、彼を守るためにテイトに託された。彼の感情のたかぶりによって、顕現するもう一つの人格のような存在となっており、テイトと異なり尊大な態度を取るが、フェアローレンの宿主となっているテイトのことを敬っており、顕現した際は彼の支援に尽力する。
ラファエルの瞳 (らふぁえるのひとみ)
『07 GHOST』に登場する用語。意思を持った青い魔石。バルスブルグ帝国の王女オウカに宿されておりミカエルの瞳同様、宿主の意識のぶれによって顕現する。しかし、瞳の持つ本来の高潔な人格は帝国軍の技術によって抑圧・操作されており、その魔力を持って絶大な威力を誇る兵器として運用されていた。オウカとテイト・クラインが出会った時もテイトをミカエルの瞳を宿すものと認識せず殺害しようとするがハクレン=オークが機転を利かせてオウカを目覚めさせ、危機を脱した。