アルスラーン戦記

王太子、アルスラーンが、ルシタニア王国により占領されたパルス王国の首都エクバターナの奪還のための戦いの中で、パルス王家の血筋に隠された謎に迫っていく。原作は田中芳樹の小説。

正式名称
アルスラーン戦記
原作者
田中芳樹
作者
ジャンル
ファンタジー
 
戦争
レーベル
講談社コミックスマガジン(講談社)
巻数
既刊7巻
関連商品
Amazon 楽天

あらすじ

第1巻

パルス歴320年、パルス王国の王太子、アルスラーンは14歳になり、初陣を迎えた。即位して以来負け知らずの国王、アンドラゴラス3世や優秀な万騎長達に囲まれて、初陣のアルスラーンが危機に陥る可能性は万に一つもないはずであった。だが、ルシタニア王国の策に陥ったパルス王国は、軍の大半を失う大敗北を喫してしまう。その退却中、アンドラゴラス3世はルシタニア王国に与(くみ)する銀仮面の男、ヒルメスに襲われ、絶体絶命の状況に陥る。一方、アルスラーンは混沌とした戦況の中、アンドラゴラス3世の側近ともいえた万騎長、カーラーンの裏切りを知る。そして、今はとにかく身を隠すべきとの側近、ダリューンの言葉を聞き入れたアルスラーンは、かつてパルス王国で万騎長を務めていたナルサスを頼るべく、彼の暮らす森へと向かう。

第2巻

身一つのアルスラーンダリューンを迎え入れたナルサスは、昨年パルス王国の王都、エクバターナを去って以降、完全に世捨て人として、森の中で優雅に絵を描いて暮らしていた。非道なルシタニア王国からパルス王国を守るために、なんとかしてナルサスの知恵を借りたいアルスラーンは、自身が王位に就いたあと、ナルサスを宮廷画家として迎え入れる約束を交わし、彼の忠誠を得る事に成功。かくして、アルスラーンとダリューン、ナルサスとナルサスの従者、エラムの四人は、パルス王国を救うために動き出す。一方、パルス王国では、王宮を陥落させたルシタニア王国の兵が権威を振りかざし、パルス国民を虐げていた。そんな中、ルシタニア王国の王、イノケンティス7世は、捕らえたパルス国王妃のタハミーネの妖艶さに心奪われ、彼女との婚姻を無理やり進めようと画策。だが、タハミーネと連れ添った男は、誰もが非業の死を遂げているとして、イノケンティス7世の腹心にして実弟であるギスカールは、この婚姻に猛反対する。

第3巻

カーラーンが、自身をおびき出すために適当な村を襲い、いたずらに国民を傷つけている事を知ったアルスラーンは、ナルサスの知恵を借りて、逆にカーラーンをおびき出す。大軍に不利な地形に誘い込み、見事、カーラーンを追い詰めたアルスラーンだが、生け捕る寸前に、カーラーンは不慮の事故により死亡。肩を落とすアルスラーンの前に、先代の遺言でアルスラーンに忠誠を誓う神官のファランギースと、彼女に惹かれてついて来た腕の立つ吟遊詩人のギーヴが現れる。戦力が増えた事から、ナルサスとダリューンはアルスラーンのもとを離れ、情報収集のためにパルス王国の王都、エクバターナへの潜入を試みる。そこでヒルメスと対峙する事になったダリューンは、互角以上の剣の腕を持つ彼に圧倒される。ナルサスが割って入ったため、ダリューンと痛み分けの形となったヒルメスは、銀仮面をとられ、ひどい火傷を負った素顔のまま、地下牢に捕らえたアンドラゴラス3世のもとへ向かう。そして、自身がアンドラゴラス3世の兄、オスロエスの嫡子であると明かし、自分こそがパルス王国の真の国王であると告げるのだった。

第4巻

ヒルメスは、かつて自身の父親のオスロエスがパルス国王であった時代に、アンドラゴラス3世の裏切りに遭って王位を奪われた事をひどく恨んでいた。アンドラゴラス3世とその息子のアルスラーンの虐殺を望むヒルメスは、カーラーンの息子、ザンデのもたらした情報から、ダリューンナルサスと合流したアルスラーンがペシャワール城塞へ向かっている事を知り、これを阻むべく動き出す。その頃、パルス王国内に散らばる数々の城の城主達は、アルスラーンに付いてルシタニア軍に侵略されたパルス王国の奪還を試みるか、アルスラーンの首を手土産にルシタニア王国に寝返るかを決めかねている状況にあった。そんな中、敵に回ったカシャーン城の城主、ホディールを討った事で、アルスラーン達はルシタニア軍に加え、ホディールの兵にも追われる事になってしまう。混沌とした戦況の中で仲間とはぐれたアルスラーンは、エラムギーヴと再会し、再びペシャワール城塞を目指すのだった。

第5巻

ルシタニア王国では、タハミーネに熱をあげるイノケンティス7世に、イアルダボート教の最高神官のボダンが不満を募らせていた。腹心が謎の死を遂げた事で、いよいよイノケンティス7世への不信感が最高潮に達したボダンは、数多い僧兵を連れてパルス王国の王宮を去って行く。ボダンがパルス王国を離れる際に用水路を決壊させ、パルス王国の農地を壊滅状態にしたため、ギスカールはせっかく手中に収めたパルス王国の今後に頭を痛める事となった。一方、エラムギーヴと共に死地をくぐり抜けながらペシャワール城塞を目指すアルスラーンは、ついにダリューンファランギースと合流を果たす。安否不明の仲間、ナルサスの身を案じたアルスラーンは、ダリューンとエラムにナルサスの捜索を任せ、再びペシャワール城塞を目指す事にした。一方、独りペシャワール城塞を目指していたナルサスは、ヒルメスの部隊に仲間を殺されたゾット族の娘、アルフリードと共に行動していた。そしてナルサスは、アルフリードの発言から、ヒルメスがオスロエスの息子である事に気づくのだった。

第6巻

ダリューンエラムと合流したナルサスアルフリードは、共にアルスラーンの匿われているペシャワール城塞へ向かう。ペシャワール城の主であるキシュワードは、アルスラーンらを歓待するが、楽しい宴の席に紛れ込んでいたヒルメスが、アルスラーンに襲いかかる。自身を破滅の人生へと追いやったアンドラゴラス3世とその息子、アルスラーンを心底憎むヒルメスの凄まじい怒りを目の当たりにしたアルスラーンは、やがて、ヒルメスがパルス王国王国の正統な血を引く者である事を知る。ヒルメスが正当な王位継承者ならば自分は何者なのだろうかと、アルスラーンは自身の出生に疑問を持ち始めるが、ちょうどその時、隣国、シンドゥラ王国のラジェンドラ王子が大軍を率いてペシャワール城塞を攻めて来た。だが、シンドゥラ王国は、病気で臥せている現国王の息子二人が王位を争っている最中にあり、王位継承争いをしながら不慣れな土地を攻めて来たラジェンドラは、知将、ナルサスの敵ではなかった。ラジェンドラはあっという間に捕らえられ、アルスラーンの眼前に連れて来られる事となる。

第7巻

シンドゥラ王国の王子、ラジェンドラを捕らえたアルスラーンは、ラジェンドラが王位を争っているシンドゥラ王国のもう一人の王子、ガーデーヴィとの闘いに味方する代わりに、今後同盟を組み、友好関係を築こうと持ちかける。パルス王国といい関係を持つ事は、ラジェンドラにとって悪い話ではない。盃を交わして共闘する事を承諾したラジェンドラに安堵するアルスラーンだが、どこか飄々としているラジェンドラに、ナルサスは不穏なものを感じていた。案の定、ラジェンドラはアルスラーンの部隊をおとりにしてガーデーヴィを討とうと企んでいたが、ナルサスの策でアルスラーン達はガーデーヴィの裏をかき、シンドゥラ王国への入り口にあるグジャラート城を制圧する事に成功。そんな中、自国へ舞い戻ったラジェンドラを迎え撃つべく、ガーデーヴィは秘蔵の戦象部隊を解放する。こうして、シンドゥラ王国の二人の王子の王位継承争いは、過熱の一途を辿っていく。

第8巻

ガーデーヴィの従える戦象部隊に苦戦するラジェンドラのもとに、アルスラーン率いるパルス軍が加勢する。寒さで動きが鈍くなっている象らを毒の槍で倒したアルスラーン達は、あと一歩でガーデーヴィを屈服させるところまで追い詰めるが、そこにシンドゥラ王国の現国王、カリカーラの勅命文が届く。それは、醜い骨肉の争いを続ける二人の王子に、神前決闘で決着をつけるようにと言いつけるものだった。それぞれが代理人に決闘させて勝敗を競う事になり、ラジェンドラは、並々ならぬ強さを持つダリューンに代理人として闘ってくれるように依頼する。アルスラーンの許可を得て決闘に参じる事になったダリューンは、ガーデーヴィが代理人として立てた痛みを感じない戦闘狂の化け物を相手に、辛くも勝利を収めるのだった。堂々たる決闘の結果に基づき、シンドゥラ王国の次代の国王はラジェンドラに決まったが、実は、彼の母親はもともと奴隷の身分であった。出自に関係なく国民の篤い支持を受けるラジェンドラ新国王を見て、己の出生を気にするアルスラーンは勇気づけられるのだった。

第9巻

決闘に敗れたガーデーヴィは見苦しくも王位に固執し、自らを王に選ばなかったカリカーラに剣を向ける。新国王となったラジェンドラはこれを重く見て、ガーデーヴィを謀反人として処刑するのだった。ガーデーヴィ亡きあと、彼に忠義を尽くしていたシンドゥラ人のジャスワントは、行くあてをなくして困り果てていた。ジャスワントはかつて、ラジェンドラ軍にガーデーヴィの間者として紛れ込んだ際、アルスラーンに逆賊として捕らえられたが、解放された恩があった。ラジェンドラがパルス王国と向こう3年、互いの領土に不可侵の盟約を結んだ事から、ジャスワントはアルスラーンに恩を返すべく、彼に付き従う事を決めるのだった。無事にペシャワール城塞に帰還し、キシュワードと再会を果たしたアルスラーンは、ルシタニア王国からエクバターナを奪還すべく、準備を始める。パルス王国からのルシタニア軍追討作戦は順調に計画を立てられているように思われたが、そんな中、パルス王国東部一帯に起きた大地震がアルスラーンらを襲う。震源は、かつてパルス王国を苦しめた蛇王、ザッハークの封印された地、魔の山、デマヴァントだった。

メディアミックス

2005年4月よりMBS・TBS系列でテレビアニメ『アルスラーン戦記』が全25話で放送された。コミックスの内容を追い越す形で制作されたため、11話以降は原作小説の1~4巻までの内容となっている。続いて2016年7月よりMBS・TBS系列でテレビアニメ『アルスラーン戦記 風塵乱舞』が全8話で放送された。こちらは原作小説の5~6巻までの内容となっている。また、過去には神村幸子がキャラクターデザインを担当した劇場版2作とOVA版4作が作られている。

登場人物・キャラクター

アルスラーン (アルスラーン)

パルス王国の国王(シャーオ)・アンドラゴラス3世と、王妃・タハミーネを両親にもつ、パルス王国の王太子。アンドラゴラス3世には気質も容姿も似ておらず、両親からの関心が非常に薄い。身分や敵味方を分け隔てなく思いやる優しい性格の持ち主。 幼少期は両親がいる王宮ではなく、城下の街で暮らし、自由民(アーザード)や放浪の民(ガジャル)の子供たちと遊び、街の塾へ通うなどして育った。育ての親である騎士階級(アーザーターン)の乳母夫婦が、古い葡萄酒(ナビード)の中毒が原因とみられる死を遂げ、その後、王宮で暮らすこととなった。王国の暦であるパルス暦320年秋、敵対するルシタニア王国軍のパルス王国侵攻に対し、アンドラゴラス3世が自ら軍を率いて敗れたアトロパテネ会戦で初陣を飾る。 アトロパテネ会戦の敗戦後は、パルス王国軍の万騎長(マルズバーン)・ダリューンと行動を共にする。ダリューンの旧友で、パルス領ダイラムの元領主・ナルサスらをはじめとする忠臣を増やしながら、ルシタニア王国軍に占領された首都・エクバターナ奪還と、捕らわれの身となった両親の救出を目指す旅を続ける。 アトロパテネ会戦以降、剣の稽古にも励むようになり、国王となるための自覚を持つ。それと同時に、自国の奴隷(ゴラーム)制度に対し疑問を抱き、全面撤廃の意志を固めていく。

アンドラゴラス3世 (アンドラゴラスサンセイ)

アルスラーンの父親で、パルス王国を統治する国王(シャーオ)。妻である王妃・タハミーネへの気遣いは見せるが、アルスラーンへの関心は薄く、突き放した態度をとることが多い。「負け戦知らずの不敗の王」として名高く、民衆の間では「13歳で獅子を倒した」と言い伝えられるほどの豪傑である。武力と剛腕に絶対的自信を持つ。強行的体制を固持し、奴隷(ゴラーム)制度を奨励して、国力を増大させてきた。 王国の暦であるパルス暦320年秋のアトロパテネ会戦で、敵対するルシタニア王国のパルス王国侵攻に対し、自ら軍を率いて出陣するが、パルス王国軍の万騎長(マルズバーン)・カーラーンの裏切りによって敗戦を喫し、退却を余儀なくされる。これによって、「臣下を見捨てて逃げた君主」との噂が流布され、求心力を失い、ルシタニア王国に捕縛される。 兄はパルス王国の先代国王(シャーオ)・オスロエス。兄の妻だったタハミーネに横恋慕し、兄を病死に見せかけて暗殺し、王位とタハミーネを手に入れた。

タハミーネ (タハミーネ)

アルスラーンの母親で、パルス王国の国王(シャーオ)・アンドラゴラス3世の妻。アルスラーンには関心を示さず、冷たい態度が目立つ。多くの男を虜にする類い慣れなる美貌の持ち主だが、関わる男を、ことごとく不幸な境遇に落とし込む不吉な女として名高い。 かつてバダフシャーン公国宰相の婚約者だったが、その主君であったカユマールス公に見初められ、婚約者が自殺。カユマールス公も、パルス王国軍によるバダフシャーン公国への侵攻によって絶命する。その後、パルス王国の先代国王(シャーオ)・オスロエスの妻となるが、オスロエスが弟のアンドラゴラス3世によって暗殺される。そして、新国王(シャーオ)となったアンドラゴラス3世の王妃となる。そのアンドラゴラス3世も、王国の暦であるパルス暦320年秋に勃発したアトロパテネ会戦で、自ら指揮をとったパルス王国軍がルシタニア王国軍に敗戦を喫して失脚している。 パルス王国が敗戦したため、タハミーネはルシタニア王国の捕虜となったが、ルシタニア王国国王・イノケンティス7世も、その美貌に魅了されて求婚している。

ヴァフリーズ (ヴァフリーズ)

パルス王国軍の大将軍(エーラーン)。万騎長(マルズバーン)・ダリューンの伯父にあたる。アンドラゴラス3世への忠誠心は固く、老身ながら、アンドラゴラス3世の王位即位以来の唯一の大将軍(エーラーン)として信頼され、王太子である主人公・アルスラーンの剣の稽古役を務めた。 敵対するルシタニア王国軍に敗戦を喫したアトロパテネ会戦前に、パルス王家とアルスラーンの出生の秘密を記した手紙を万騎長(マルズバーン)・バフマンに託す。しかし、甥のダリューンには詳細を話さず、「アルスラーン個人への忠誠を誓うように」とだけ進言する。アトロパテネからの撤退中に襲われたアンドラゴラス3世を守って戦死した。

ダリューン (ダリューン)

パルス王国軍の万騎長(マルズバーン)の一人。「ダリューン一人で1万の兵力」と恐れられる豪腕剣士で、愛馬の黒馬・シャブラングは無類の瞬足を誇る。パルス王国では5本の指に入る「戦士の中の戦士(マルダーン・フ・マルダーン)」と呼ばれ、国内外で一目置かれている。 叔父であるパルス王国軍の大将軍(エーラーン)・ヴァフリーズと同じく、パルス王家への忠誠心が強い。特に王太子・アルスラーンの人柄に好意を抱いており、ヴァフリーズからも「アルスラーン個人への忠誠を誓うように」と進言され、厚い忠義心を持っている。 王国の暦であるパルス暦320年に勃発したアトロパテネ会戦で、敵対するルシタニア王国の不穏な動きを察知し、国王(シャーオ)・アンドラゴラス3世に軍の撤退を進言する。しかし、これに逆上したアンドラゴラス3世から万騎長(マルズバーン)を解任される。騎兵隊を指揮する権限を失ったが、混乱するアトロパテネの戦場で、一番にアルスラーンのもとに駆けつけ守り抜いた。敗戦後は王都・エクバターナ帰還を目指すアルスラーンと行動を共にし、古くからの友人であるパルス王国領ダイラムの元領主・ナルサスを訪ねて協力を仰ぐ。旅の道中では、ヴァフリーズの代わりに、アルスラーンの剣の稽古相手も務めるようになった。

スルーシ、アズライール

パルス王国軍の伝書役を担う2羽の鳥。飼い主は万騎長(マルズバーン)・キシュワードだが、パルス王国の王太子である主人公・アルスラーンには、飼い主よりも先に帰還の挨拶に訪れるほどなついている。

キシュワード (キシュワード)

パルス王国軍の万騎長(マルズバーン)の一人。2本の剣を使う戦闘スタイルから、「双刀将軍(ターヒール)」の異名をもつ。パルス王国軍の伝書を担う2羽の鳥、スルーシ、アズライールの飼い主でもある。王国の暦であるパルス暦320年秋に勃発したアトロパテネ会戦で、敵対するルシタニア王国にパルス王国が破れた後は、パルス王国領の東方国境にあるペシャワール城塞に常駐して任を務める。

カーラーン (カーラーン)

パルス王国軍の万騎長(マルズバーン)の一人。優秀なパルスの騎士だが、パルス王国の亡き先代王であるオスロエスの息子・ヒルメスに、正統な王位継承者として忠誠を誓うようになる。王国の暦であるパルス暦320年秋のアトロパテネ会戦で、ヒルメスと共謀をして敵対するルシタニア王国に加担し、現国王(シャーオ)・アンドラゴラス3世率いるパルス王国軍を打倒する。 王位継承者である主人公・アルスラーンの殺害を企てるが、ダリューンとの戦いの途中で馬の手綱が切れ、不慮の事故死を遂げる。

バフマン (バフマン)

パルス王国軍の万騎長(マルズバーン)の一人。パルス王国軍の大将軍(エーラーン)・ヴァフリーズから託された文書により、パルス王国の王太子である主人公・アルスラーンの出生の秘密を知り、一人苦悩する。

ガルシャースフ (ガルシャースフ)

パルス王国軍の万騎長(マルズバーン)の1人。速戦即決の激情家である。ルシタニア王国軍によるパルス王国の首都・エクバターナ攻囲戦で、ルシタニア王国軍の呼びかけに蜂起した奴隷(ゴラーム)たちを武力でねじ伏せようとしたため、戦況を悪化させ戦死した。

マヌーチュルフ (マヌーチュルフ)

パルス王国軍の万騎長(マルズバーン)の一人。敵対するルシタニア王国軍にパルス王国軍が敗戦したアトロパテネ会戦で戦死を遂げ、パルス王国の首都・エクバターナの城壁外に晒し首にされる。

ハイル (ハイル)

パルス王国軍の万騎長(マルズバーン)の一人。敵対するルシタニア王国軍に敗戦したアトロパテネ会戦で戦死を遂げ、パルス王国の首都・エクバターナの城壁外に晒し首にされる。

シャプール (シャプール)

パルス王国軍の万騎長(マルズバーン)の一人。敵対するルシタニア王国軍に敗れたアトロパテネ会戦では、パルス王国軍を率いていた国王・アンドラゴラス3世の敗走の報せに戸惑いながら、生真面目にパルス王家への忠誠を貫く。ルシタニア王国に捕えられ、ルシタニア王国の国教であるイアルダボート教の教会大司教・ボダンから拷問を受ける。 晒し者にされながら、最期までパルス王国軍騎士の誇りを示した。

クバード (クバード)

パルス王国軍の万騎長(マルズバーン)の一人。しらふの時がないとも言われる、酒飲みの大男である。身の丈ほどもある大剣を振り、槍使いにも長けた豪腕ぶり。隻眼となった左目の傷は、竜と闘ってできたという風説がある。アトロパテネ会戦で敵対するルシタニア王国軍の猛攻によって、パルス王国軍の敗戦が濃厚となった時、王国軍を率いていた国王(シャーオ)・アンドラゴラス3世が逃げたという噂を聞き、すぐさま忠誠を撤回して軍を離れた。

サーム (サーム)

パルス王国軍の万騎長(マルズバーン)の一人。パルス王家に揺るぎない忠誠を示しており、ルシタニア王国軍にパルス王国が敗戦を喫したアトロパテネ会戦以来、行方知れずとなっていたパルス王国の国王・アンドラゴラス3世と、王太子・アルスラーンの身を案じていた。その後、ルシタニア王国軍の侵攻を許した、パルス王国の王都・エクバターナ攻囲戦では、冷静な判断力で攻防するも、槍で胸を打たれて倒れる。 しかし、意識を取り戻した後、槍を放ったのがパルス王国の先代王・オスロエスの息子・ヒルメスと知り、正統な王位継承者として、ヒルメスに忠誠を誓うようになる。

ナルサス (ナルサス)

万騎長(マルズバーン)・ダリューンの古くからの友人で、パルス王国領ダイラムの元領主。芸術的創造に余生を捧げるため、従童(レータク)・エラムと共に、パルス王国領・アトロパテネ北西の山中で隠居生活を送っていた。アトロパテネ会戦の敗戦で、落ち延びてきたアルスラーンとダリューンを匿う。博識で、智略に長けているが、金や高い地位という対価では決して動かない性格。剣の腕も立つが、ダイラム領主時代には、パルス王国へ侵入した50万に及ぶトゥーラーン、シンドゥラ、チュルクの三国同盟軍を、兵力を使わずに退散させている。この活躍によって、パルス王国軍の名を大陸に轟かせることとなり、その褒美として、国王(シャーオ)のアンドラゴラス3世から宮廷の書記官に任命された。しかし、要職の不正に対する改革案が通らず、自らダイラムの領地を返上して宮廷を出たため、激怒したアンドラゴラス3世によって追放処分が下され、ダリューンを含む宮廷の従者たちとの交際を禁じられることとなった。 ルシタニア王国にパルス王国軍が敗戦したアトロパテネ会戦後、パルス王国の王太子である主人公・アルスラーンへの力添えをダリューンに頼まれるが、権力の場に戻る意志はなかったため、当初は拒否の姿勢を貫いていた。しかし、アルスラーンが示した「自分がパルス王国の国王になった暁には、宮廷画家として迎える」という条件に、臣下となることを即決する。しかし、肝心の絵画は、周囲からは圧倒的な不評を買っている。 奴隷(ゴラーム)制度廃止を信条としており、ダイラム領の先代領主で、父親のテオスから領地を相続した時には、全ての奴隷(ゴラーム)を解放した。従童(レータク)・エラムは、その時に自由民(アーザード)となった一人である。アルスラーンの優しく分け隔ての無い人柄を知り、自らの信条に沿った理想の王としての器を期待している。

エラム (エラム)

パルス王国領ダイラムの元領主・ナルサスの従童(レータク)。アトロパテネ北西の山中で隠居生活を送るナルサスのもとで、ナルサスの食事など、身の回りの世話役として働く。やがてアルスラーンへ忠誠を誓ったナルサスと共に、旅の従者となる。料理の腕前と細やかな気配りでアルスラーンたちの旅を支える一方、短剣や弓、智略にも長けており、偵察や裏方の仕事を担うこともある。 かつてはダイラム領の奴隷(ゴラーム)であった。ナルサスがダイラム領の先代領主・テオスから領地を相続した際に、領地全土の奴隷(ゴラーム)を解放したことによって、両親と共に自由民(アーザード)となる。その恩義を強く感じていた両親の遺言により、ナルサスの世話役となる。料理の腕は、奴隷(ゴラーム)時代に、ナルサスに褒められたことをきっかけに、職業として通用するレベルまで磨きをかけた。ナルサスに、ただならない敬愛の念を抱いており、「大人になるまでナルサスの下で学び、将来の道を決めてもらう」と決めている。ナルサスの婚約者を勝手に名乗り、アルスラーンたちの旅に同行することとなった、ゾット族の娘・アルフリードとは犬猿の仲。 アルスラーンとは年齢が近いが、身分の違いから、「友人になりたい」というアルスラーンの申し出に対して当初は戸惑いを見せていた。

ギーヴ (ギーヴ)

旅の楽士、流浪の吟遊詩人を名乗る青年。得意の琵琶(ウード)演奏や歌で報酬を得る他、盗みで手に入れた金品を糧に旅を続けている。金品財宝と女性に目が無いキザで軽薄な男だが、弓や剣、槍の腕が立ち、才知にも優れている。その能力を活かし、依頼理由や報酬、成功の可能性次第で、裏仕事を請け負うこともある。 旅の道中、アトロパテネ会戦でパルス王国軍を破ったルシタニア王国軍によって攻囲された、パルス王国の王都・エクバターナへ立ちより、ルシタニア軍の拷問によって辱めを受けるパルス王国軍の万騎長(マルズバーン)・シャプールを目撃する。パルス王国軍の兵士たちが、「敵になぶり殺されるより、味方の矢に射殺されたい」というシャプールの訴えに躊躇する中、一撃の矢でシャプールの眉間を射抜き絶命させる。シャプールを苦しみから救った功を讃えられ、パルス王国の王妃・タハミーネから恩賞を受ける。しかし、自らを亡国の王子だと身分を偽り、タハミーネの侍女をたぶらかしたことが露呈して、報奨金が減額された。 パルス王国の宰相・フスラブからタハミーネの王都脱出に協力するように依頼され、一度は引き受けたが、信条に合わないことを理由に遂行途中で離脱する。陥落寸前のエクバターナを一人で脱出し、旅を再開した道中で、アルスラーンの行方を捜していたミスラ神殿の女神官(カーヒーナ)・ファランギースと出会う。若く美しいファランギースに一目惚れし、行動を共にする大義名分を得る目的で、アルスラーンの一行に合流する。

ファランギース (ファランギース)

女神官(カーヒーナ)。ミスラ神を信仰し、パルス王国領・フゼスターン地方にあるミスラ神殿に仕える。精霊(ジン)にしか聴こえない水晶笛(ライシャール)を用いて、精霊(ジン)に問いかけ、霊波から答えを読み解く能力を持つ。弓、短剣などの武芸に冴えを見せ、学問にも練達している。絶世の美女と自他共に認める美貌の持ち主だが、言い寄る男たちを寄せ付けず、言動は常にクール。また、かなりの酒豪でもある。 パルス王国軍のアトロパテネ会戦における敗戦の報せを受け、王太子・アルスラーンを援護する使者として、ミスラ神殿から、パルス王国の王都・エクバターナへ送られる。ミスラ神殿は、アルスラーンが誕生した際に、アルスラーンの名前で寄進されたものであることから、先代から当代の女神官(カーヒーナ)長に、「アルスラーンに何かがあった時には、武芸に優れた者が援護するように」との遺言が残されていた。自分が選ばれたことについては「体のいい厄介払い」と思っており、眉目秀麗、文武両道である自分を妬む、同僚女神官(カーヒーナ)たちの企みであると考えている。 アルスラーンを探す旅の道中で、旅の楽士を名乗る女好きの青年・ギーヴに付きまとわれながらも、アルスラーンの一行に合流する。

アルフリード (アルフリード)

ゾット族の族長・ヘイルターシュの娘。ゾット族は盗賊であり、報酬次第では傭兵の依頼を引き受けることもある猛者揃いの一族である。そのため、女だてらに剣や弓に優れ、戦闘能力が高い。 縄張りに侵入した銀仮面卿・ヒルメスの一党に父親や仲間を殺害された時には、ゾット族としての誇りと気の強さで、仇討ちにでる。しかし、ヒルメスの剣の前で、窮地に追い込まれたところを、偶然通りがかったナルサスに救われる。ナルサスの剣術と頭の良さに惚れこみ、勝手に婚約者を名乗り、強引に旅に同行する。父親の仇討ちを果たす目的もかねて、ナルサスが仕えるアルスラーンの一行と合流した。ナルサスを敬愛してやまないエラムとは、年齢は近いが、ナルサスを巡る小競り合いが絶えない犬猿の仲。

フスラブ (フスラブ)

パルス王国の宰相。敵対するルシタニア王国軍による攻囲戦で、パルス王国の王都・エクバターナが陥落すること予期して、王都脱出を企てる。自分の命が危機に瀕した時には、あっさりパルス王国王妃・タハミーネの隠れ場所を白状した。

ヒルメス (ヒルメス)

パルス王国先代国王(シャーオ)・オスロエスの子。名前や素性は、ごく一部の人間以外には伏せているため、周囲には「銀仮面卿」と呼ばれている。王位を継承する王太子として生まれ育ったが、実の叔父である現国王(シャーオ)・アンドラゴラス3世によって父親が暗殺され、自分も炎の中に投げ込まれてしまう。奇跡的に生還を果たしたが、銀仮面で覆った顔面には、酷い火傷の痕が残されている。 アンドラゴラス3世と、何も知らずに新たな王位継承者となったアルスラーンに、強い恨みと復讐心を持つようになった。パルス王国軍の万騎長(マルズバーン)・カーラーンに自らの正体を明かし、パルス王国の正統な王位継承者として忠誠を得て、アンドラゴラス3世の失脚を目指して暗躍する。アトロパテネ会戦では、正体を隠してパルス王国軍と敵対するルシタニア王国軍側の客将として策を講じ、アンドラゴラス3世が率いるパルス王国軍を打倒した。

ザンデ (ザンデ)

パルス王国の万騎長(マルズバーン)・カーラーンの息子。すさまじい闘志を持つ豪勇で、身の丈ほどもある大剣を振り回す怪力の持ち主だが、性格は極めて短絡的である。パルス王国の先代国王(シャーオ)・オスロエスの息子・ヒルメスの生存を知り、父親の遺志を継いで、ヒルメスの臣下となった。

エトワール (エトワール)

パルス王国と敵対するルシタニア王国軍の騎士見習い。パルス王国の王太子である主人公・アルスラーンとは同じ年齢である。ルシタニア王国の国教であるイアルダボート教の信者で、イアルダボート神に忠誠を尽くし、その教えに従わない異教徒は根絶やしにするべきだと盲信している。幼い頃から、邪教徒国家であるパルス王国の国王(シャーオ)・アンドラゴラス3世やその息子のアルスラーンは2本のねじれた角をもち、口は耳まで裂け、黒くとがったしっぽが生えていると聞かされて育った。 祖父によって、聖(サン)マヌエル城の城主で、ルシタニア国軍の将軍・バルカシオン伯爵に預けられ、騎士見習いとなったが、戦場での実戦経験はない。11歳の時に、仲間と共にパルス王国の捕虜となり、パルス王国の王都・エクバターナに連行された。しかし、アルスラーンを人質にとって脱走する。この時は、アルスラーンが王太子であるとは気付かなかった。

バルカシオン (バルカシオン)

パルス王国と敵対するルシタニア国軍の将軍。伯爵位を持つ聖(サン)マヌエル城の城主であり、騎士見習いのエトワールの後見人。ルシタニア王国の国教であるイアルダボート教の敬虔な信者だが、異教徒の徹底排除を叫ぶ攻撃性はなく、温厚な性格である。エトワールについては、その祖父から預かった大切な身であるという理由で、戦場へ赴く事を良しとしていない。

イノケンティス7世 (イノケンティスナナセイ)

ルシタニア王国の国王。過度の肥満であり、好物は砂糖水。移動時は輿に乗り、数人がかりで担がせる。呆けた風貌と態度ではあるが、マルヤム公国とパルス王国という、2つの大国への侵攻を成功させた権威と、ルシタニア王国の国教であるイアルダボート教の教会への功績は大きい。しかし、戦地で活躍した武将よりも、聖職者を厚遇するため、弟のギスカール公爵からは快く思われていない。 異教徒であり、敵国でもあるパルス王国の王妃・タハミーネに一目惚れをし、求婚したことで、イアルダボート教教会との間にも溝が生じてしまう。

ギスカール (ギスカール)

ルシタニア王国の国王・イノケンティス7世の弟。公爵位を持つ。アトロパテネ会戦で、ヒルメスをルシタニア王国軍の参謀に迎え、パルス王国の王都・エクバターナの奪取に成功した策士。ルシタニア王国の国教・イアルダボート教の教会を厚遇するイノケンティス7世を快く思っていないが、表向きは兄を支える弟を装っている。

ボダン (ボダン)

イアルダボート教の教会大司教で、異端審問官。改宗者を信用せず、異教徒と見れば、女子供に関係なく残虐な拷問にかける。イアルダボート聖典以外は、悪魔が書かせたものと考えており、研究の価値が高い医学書などの書物であっても、容赦なく焼却してしまう。 また、聖職者であるにもかかわらず、ルシタニア王国軍が命を懸けてパルス王国の首都・エクバターナ攻囲戦に勝利して手に入れた財宝に目がない。そのためルシタニア王国軍の中には、「抵抗できない者をいびり殺す、口だけの聖職者」「蛮人」「猿」と呼んで反感をもつ者も多い。

モンフェラート (モンフェラート)

ルシタニア王国軍の騎士。ルシタニア王国の国教であるイアルダボート教の敬虔な信者だが、異教徒への拷問など国内にまかり通っている教義解釈に、疑問を持っている。冷静な観察眼をもっており、パルス王国を打倒したアトロパテネ会戦で客将として策を講じた銀仮面の男の素性にも、怪訝な思いを抱いている。

ボードワン (ボードワン)

ルシタニア王国軍の騎士。ルシタニア王国の国教であるイアルダボート教の信者。見さかいのない異教徒への拷問や殺戮に対し、引っかかる気持ちを覚えてはいるが、死んだ者は天国に行きパルス王国の豊かな国土を支配できるのならば、と割り切っている。

ぺデラウス (ペデラウス)

ルシタニア王国宮廷の重臣。伯爵位をもち、国教であるイアルダボート教の教会司教を務める。異教徒への虐殺を嬉々として行い、それを武勇伝のように語る様子は、ルシタニア王国軍内で不評を買う。

ヒルディゴ (ヒルディゴ)

ルシタニア王国の国教であるイアルダボート教会が擁する、マルヤム公国領駐在の聖堂騎士団(テンペレシオンス)団長。ルシタニア王国がマルヤム公国へ侵攻した後、騎士団を率いて、異教徒・異端者約150万人を虐殺。その半分以上は女子供や老人、病人であった。以来、ルシタニア王国の国王・イノケンティス7世と、その弟のギスカールの失脚を目論み、ボダン大司教を教皇とする教会主導政権の青写真を描いている。 イアルダボート教の教義とは程遠い俗物で、ギスカールからの賄賂を受け取り、あてがわれた女性との同衾中に、何者かによって殺害される。

ホディール (ホディール)

パルス王国の王都・エクバターナの東方、ニームルーズ山中にあるカシャーン城の城主。自分自身の権勢を優先する性格で、訓練された3000の騎兵と、3万5千の歩兵を抱えているが、アトロパテネ会戦におけるパルス王国敗戦時には、自発的に出兵して援護に向かうことはしなかった。しかし、パルス王国の王太子・アルスラーンの一行が、王都・エクバターナ奪還に向けて兵力増強の協力を求めて訪れた時には、「忠誠を誓う機会を得られた」と饒舌ぶりを発揮している。 調子良く打倒ルシタニアの意志を示すが、腹には王太子であるアルスラーンに1人娘を嫁がせ、外戚として権勢を振るうという目的があった。その上で、アルスラーンが信条とする奴隷(ゴラーム)解放が、自分の領地を統括する政策の邪魔になると考え、撤回させるように画策する。

銀仮面卿

銀色の仮面をつけた男性で、ルシタニアに協力し、パルス軍壊滅に尽力した。アンドラゴラス3世に強い恨みを抱いており、撤退するアンドラゴラス3世の前に伏兵として姿を現した際には、怨嗟の言葉をなげつけた。ルシタニアと行動を共にしているものの、彼らを軽蔑している。

場所

パルス王国 (パルスオウコク)

大陸公路の中心に位置し、栄華を極める王国。先代の国王(シャーオ)・オスロエス亡き後は、アンドラゴラス3世が国王(シャーオ)として統治する。王妃はタハミーネ、王太子は主人公・アルスラーン。 王都・エクバターナは、パルス王国を東西に横切る大陸公路に位置し、人と物流が絶えず、文化的な発展を遂げた。国土は豊かな銀山や、広大な穀倉地帯を有し、南部の港町・ギランの貿易も盛んであることから、パルス王国100万の民は飢え知らずと言われている。パルス王国では、その労働力を確保するために奴隷(ゴラーム)制を布いている。奴隷(ゴラーム)の数が国力に比例すると考えている者も多い。 稀代の豪腕国王(シャーオ)として名高いアンドラゴラス3世が率いるパルス王国軍は、不敗の強兵として大陸最強を誇っている。アンドラゴラス3世が即位して以来、唯一の大将軍(エーラーン)となったヴァフリーズ以下、万騎長(マルズバーン)らが率いる騎兵隊は、パルス王国の子どもたちの憧れである。 アトロパテネ会戦では、万騎長(マルズバーン)のうち8名に各1万の騎兵を付け、国王親衛隊5000騎兵と、歩兵13万8000の大軍で臨んだが、敵対するルシタニア王国軍に破れる。5万3000の騎兵、7万4000の歩兵が戦死し、国軍総兵力の半数を失った。

ペシャワール城塞 (ペシャワールジョウサイ)

パルス王国の東方国境を守る赤い砂岩の城塞。パルス王国の万騎長(マルズバーン)・キシュワードが駐在する。国境線となるカーヴェリー大河の対岸は、シンドゥラ王国となっている。

カシャーン城 (カシャーンジョウ)

パルス王国の領地内にあるニームルーズ山中の城塞。パルス王国の王都・エクバターナと、東方国境を守るペシャワール城塞の間に位置する。城主のホディールが、パルス王国の伝統に則り、多くの奴隷(ゴラーム)に労働を強いて、豊かな領地を築いた。ホディールによって良く訓練された1000の騎兵と、3万5000の歩兵を持つ。

アトロパテネ (アトロパテネ)

パルス王国領地内に広がる平原。大陸で不敗神話を轟かせたアンドラゴラス3世率いるパルス王国軍が、敵対するルシタニア王国軍の侵攻を許して敗北した、「アトロパテネ会戦」の地である。

マルヤム公国 (マルヤムコウコク)

パルス王国の西側に隣接する、イアルダボート教信仰国。異教徒に排他的なイアルダボート教の中でも、柔軟姿勢を見せる「東方教会派」に属する。そのため、イアルダボート教を国教としないパルス王国と同盟関係を結んでいた。同じイアルダボート教信仰国で、イアルダボート神の名の下に異教徒の徹底排除を信条とする「西方教会派」に属するルシタニア王国に侵攻される。 一度はパルス王国の援軍派遣によって難を逃れたが、再び侵攻を許した時には要請する間もなく滅亡している。以後、ルシタニア王国のイアルダボート教の聖堂騎士団(テンペレシオンス)の駐屯地となった。

ルシタニア王国 (ルシタニアオウコク)

パルス王国の王都・エクバターナ西北方に位置する、イアルダボート教信仰国。国王のイノケンティス7世は、国教であるイアルダボート教への信仰があつく、戦地に赴くルシタニア王国軍よりも、ボダン大司教が君臨するイアルダボート教会に優位な政策を行っている。 イアルダボート教の中でも、とりわけ異教徒に排他的な「西方教会派」に属しており、ルシタニア王国の民は、全ての異教を邪教と見なすように教えられている。このため、ルシタニア王国軍は、異教徒の皆殺しを掲げ、イアルダボート神の名の下に他国での聖戦を繰り広げる。 異端審問官でもあるボダン大司教と、マルヤム公国領に駐屯する聖堂騎士団(テンペレシオンス)は、拷問による異教徒改宗を展開。女子供や老人、病人に対する虐殺行為も行うので、ルシタニア王国内でも疑問を抱く者が少なくない。 異教国家であるパルス王国とは、長年にわたって敵対関係にある。アトロパテネ会戦で、騎兵・歩兵合わせて5万以上を失いながら、初めて大陸での不敗神話を誇るパルス王国軍を破った。

聖マヌエル城 (サンマヌエルジョウ)

パルス王国の王都エクバターナと、東方国境に位置するペシャワール城の間に位置する城塞。旧時代はパルス王国の砦だったが、放置され、荒廃していたところをルシタニア王国軍が改築して使用している。城の名は、パルス王国の貴族として初めてイアルダボート教に改宗した人物に由来している。現城主は、ルシタニア王国軍の騎士見習い・エトワールの師匠であるバルカシオン伯爵。

その他キーワード

イアルダボート教 (イアルダボートキョウ)

イアルダボート神を唯一絶対の神と崇め、イアルダボート聖典の教えを絶対とする宗教。宗派は「東方教会派」「西方教会派」に分かれており、「東方教会派」は比較的柔軟だが、「西方教会派」はイアルダボート教以外を邪教と見なし、異教徒が改宗を拒む場合は、徹底的に排除するという強硬姿勢を示す。ルシタニア王国は「西方教会派」に属しており、拷問によって異教徒に改宗を促し、改宗しない者は殺害してもかまわないと考えている者が多い。 イアルダボート神の下では人は皆平等という教えから、イアルダボート教徒が奴隷(ゴラーム)となることは許されないと考えられている。このため、ルシタニア王国の民を捕虜として奴隷(ゴラーム)へ転用してきたパルス王国とは、長く敵対してきた歴史がある。

クレジット

原作

田中芳樹

書誌情報

アルスラーン戦記 =THE HEROIC LEGEND OF ARSLAN 既刊7巻 講談社〈講談社コミックスマガジン〉 連載中

第1巻

(2014年4月発行、 978-4063950502)

第2巻

(2014年5月発行、 978-4063950632)

第3巻

(2015年2月9日発行、 978-4063953077)

第4巻

(2015年10月9日発行、 978-4063955088)

第5巻

(2016年5月9日発行、 978-4063956603)

第6巻

(2016年11月9日発行、 978-4063957938)

第7巻

(2017年5月9日発行、 978-4063959376)

SHARE
EC
Amazon
無料で読む
マンガリスト
logo