あらすじ
第1巻
園田れみは、夫と死別してから一人娘の園田るりと、母親の吉田りらの三人で暮らしていた。そんなある日、となりの市に婿養子に行っていた幼なじみの鍵谷李が離婚して実家に戻ってきた。りらから李の情報を得て、機を見て李に再会したれみは、李の離婚の理由が「種なし」だったことを聞かされてしまう。その後、家のシャワーヘッドの交換を李に手伝ってもらったれみは、帰り際に李を励ますが、李は気丈な態度で自分は死なない、明日以降も会おうと約束する。そんな李の姿を見たれみは、学生時代のまだ思春期だった頃の自分たちを思い起こすのだった。(第1話。ほか、4エピソード収録)
登場人物・キャラクター
園田 れみ (そのだ れみ)
ごくふつうの主婦。年齢は39歳で、旧姓は「吉田」。物事を冷静に見られるクールな性格をしている。夫である園田忠との死別後、一人娘の園田るりと、母親の吉田りらの三人で暮らしている。幼なじみの鍵谷李が離婚して実家に戻ってきて以来、数年ぶりに李との交流を始め、その過程で思春期に体験した李や忠との思い出を、少しずつ思い起こすようになる。幼い頃は泣き虫の李に頼られてばかりだった。昔は猫が嫌いだったが、李といっしょに捨て猫を拾ってからは、猫好きになった。
鍵谷 李 (かぎたに とき)
会社員の男性。年齢は39歳で、飄飄としているが、実は極度の寂しがり屋。園田れみの幼なじみで、実家はとなりにある。となりの市に住む大地主の娘に婿養子入りし、順風満帆な人生を送っていたが、「種なし」だったために離婚して実家へと戻ってきた。それからは母親と二人暮らしをしながら、慎(つつ)ましく暮らしている。男女問わず人から好感を持たれることが多く、友人や仕事仲間から慕われており、昔から女性にもよくモテていた。小さい頃は泣き虫で、トラブルに巻き込まれると、よくれみに泣きついていた。離婚後は事あるごとに鍵谷李自身の境遇を嘆き悲しみ、夜ごと苦しんでいるが、それでも強く生きようとしている。友人からは「鍵」というあだ名で呼ばれている。
園田 忠 (そのだ ただし)
園田れみの夫で、故人。素直で温厚な性格をしている。鍵谷李とは高校時代からの親友同士で、「チューやん」というあだ名で親しまれていた。生まれつき病弱で人一倍体が弱く、そのせいで両親が離婚するなど、荒(すさ)んだ家庭環境で育った。高校時代かられみと付き合いを始め、結婚してから一人娘の園田るりを授かるが、闘病の末に若くして亡くなった。
園田 るり (そのだ るり)
園田れみの一人娘の女子中学生。年齢は14歳で、明るく朗らかだが、母親に似てクールな一面がある。鍵谷李とも面識があるが、離婚後に実家に出戻りしてきた李のことを、当初は怪訝(けげん)な目で見ていた。演劇部に所属しており、自宅でも発声練習を日々行なっている。
吉田 りら (よしだ りら)
園田れみの母親。老齢の女性で、れみと園田るりといっしょに暮している。れみと鍵谷李が学生時代に付き合っていたと勘違いしており、そのたびにれみに否定されているが、何回言われても信じようとしない。それとは別に、れみと李には特別な精神的つながりがあったと思っている。
小山 里美 (こやま さとみ)
専業主婦の女性。園田れみや鍵谷李の中学時代からの友人で、現在は結婚して姓が「早坂」になっている。離婚して実家に戻ってきた李が、公園のベンチで昼間から酒を飲んでいる際に再会した。里美は李をよく覚えているが、李は覚えてはいるものの、別段印象に残っていない相手だった。
田中 (たなか)
口の軽いお調子者の男性。鍵谷李の学生時代からの友人で、実家は酒屋を営んでいたが、コンビニ経営に鞍替(くらが)えした。離婚して出戻りした李と経営するコンビニで再会し声をかけるが、李は田中をあまり覚えていなかった。
ミハル
金髪の不良少女。園田忠の幼なじみで、忠が住んでいる団地の向かいの棟に住んでいた。高校入学後、すぐに2年生をシメたことが原因で退学に追い込まれている。忠に妹のように懐いており、母親が留守がちな忠の面倒をよく見ていた。初対面の人間に対しては厳しいが、身内や友人には非常に優しく、人懐っこい。家族の引っ越しと共に忠の前からいなくなった。
書誌情報
1日2回 5巻 集英社〈マーガレットコミックス〉
第3巻
(2022-06-23発行、 978-4088446608)
第4巻
(2023-06-23発行、 978-4088447841)
第5巻
(2024-06-25発行、 978-4088430225)