概要・あらすじ
帝能大学法学部に通う3年生の田宮健介は、刑訴のゼミを受講するため龍本三郎研究会に所属する。だがそこは、中高一貫で大学へ入学してきたお坊ちゃま、お嬢様ばかりが受講するゼミだった。そのゼミの新歓コンパで、ピンチを救ってもらったことから田宮は藤堂貴明と出会い、心を動かされる。男性に惹かれている自分を認めたくない田宮だったが、藤堂は何かにつけて彼につきまとうのだった。
そんなある日、田宮は龍本三郎研究会の代行講師である教授の池田遼一郎に気に入られ、飲みに誘われる。泥酔した池田教授をマンションまで送って行くと、そこで別れのキスをされ、田宮は自分の感情をコントロールできなくなってしまう。藤堂にゲイであることを見透かされ、一度は憤慨するものの、田宮は彼の容姿や内面に葛藤しながらも心惹かれていくのだった。
登場人物・キャラクター
田宮 健介 (たみや けんすけ)
一般入試で帝能大学法学部に入学してきた3年生の青年。龍本三郎研究会に所属している。真面目で頭が良く、現役で択一試験に合格した。自分がゲイであることを認めたくないがために、藤堂貴明からの質問や態度にいつも憤慨している。
藤堂 貴明 (とうどう たかあき)
帝能大学付属高校からエスカレーター式に帝能大学法学部に入学した3年生の青年。龍本三郎研究会に所属している。父親が代議士ということもあり、学内ではちょっとした有名人。龍本三郎研究会の新歓コンパで出会った田宮健介に興味を示し、何かと田宮と関わろうとする。
寺田 (てらだ)
帝能大学付属高校から持ちあがりで帝能大学法学部に入学した3年生の女子学生。才色兼備で、現役で択一試験に合格した切れ者。性別は異なるものの、田宮健介にとっては良き相談相手でもある。
池田 遼一郎 (いけだ りょういちろう)
龍本三郎研究会の代行講師として、4回だけ講師を務める中年の男性教授。独身で、飲むと誰にでもキスをする癖がある。田宮健介にも酔った勢いでキスをしたが、次の日にはまったく覚えていなかった。
集団・組織
龍本三郎研究会 (たつもとさぶろうけんきゅうかい)
帝能大学法学部3~4年生が所属するゼミで刑訴を学ぶ。通称「タツサブゼミ」。大学の中でも最もゆるいゼミと言われており、そのため金とコネを持ち、楽して学生生活を送りたい生徒ばかりが所属している。
場所
帝能大学法学部 (ていのうだいがくほうがくぶ)
小・中・高のある付属校からの進学者が多い大学で、通っている学生のほとんどがお坊ちゃま、お嬢様。少ないものの一部には一般入試で入学してくる学生もいて、田宮健介は大学からの一般入学生である。ちなみに藤堂貴明は小学校からずっと持ち上がりで大学まで進学した。