花のみぞ知る

花のみぞ知る

ふとしたことで出会った2人の男子大学生が、気持ちを揺らしながら惹かれ合っていく様子を丁寧に描いたボーイズラブ作品。作中では花や植物が多く登場し、物語の中で叙情的な雰囲気を作り出している。「CRAFT」2009年42から2012年12にかけて連載された作品。

正式名称
花のみぞ知る
ふりがな
はなのみぞしる
作者
ジャンル
BL
関連商品
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概要・あらすじ

大学の法学部で学んでいる有川洋一は、ある日駅で御崎詔太とぶつかり、その際に御崎が付けていたネックレスをいつの間にか持って帰ってしまう。それ以来、有川は御崎の夢を見るようになり、大学で再会した御崎に強い興味を持つ。そして有川は、御崎が所属している植物分子生理学研究室に手伝いとして訪れるようになり、ますます御崎を気に掛けるようになっていく。

一方の御崎は最初は有川を苦手に思っていたものの、徐々に心を許していく。そんななか、有川は御崎に関わりのある川端聡の存在を気にするようになっていく。複雑な想いに苦しむ有川だったが、研究室の手伝いに別の学生が見つかったため、研究室を去ることになる。これを知った御崎は、自分の気持ちを伝えるために有川を追いかけるのだった。

登場人物・キャラクター

御崎 詔太 (みさき しょうた)

農学部3年生の男子大学生。いつも花をモチーフにしたネックレスをしている。ある日、駅で有川洋一とぶつかった時にネックレスを失くし、のちに有川がそれを持っていることを知るが、返さなくてもいいから捨ててほしいと告げる。そのネックレスは、過去に想いを寄せていた川端聡からもらったものであり、川端との思い出を捨てたいと願いながらも、捨てられずに苦しんでいたものだった。 最初は自分に興味を示す有川を苦手に思っていたが、自分が所属する植物分子生理学研究室に有川が手伝いに来るようになってから、少しずつ心を許すようになる。中学1年生の時に両親を事故で亡くしており、植物学の研究をしていた御崎の祖父に引き取られて育った。人と距離を置きがちな性格の一方、動揺するとカメの餌の量を間違えるなど、ドジで天然な一面がある。

有川 洋一 (ありかわ よういち)

法学部3年生の男子大学生。かなみという彼女がいるが、しばらく会っていない。駅で御崎詔太とぶつかった時、いつの間にか御崎の花のネックレスを持ち帰っていたことに気づく。それ以降、御崎の夢を毎日見るようになり、大学で御崎と再会した時には、彼が何度も夢に出てきたことを話し、夢の中では御崎のことが大好きなのだと告げる。 この時はあまり意識していなかったが、御崎のいる植物分子生理学研究室に手伝いに行くようになってから、どんどん御崎に惹かれていくようになる。もともとは何事も「はい」か「いいえ」で割り切れるさっぱりした性格だったが、御崎への想いが強くなり、御崎と川端聡の関係には割り切れない気持ちを抱えて苦悩している。器用で何でもこなし、人懐っこいことから、他の研究室の手伝いとしても重宝されている。

川端 聡 (かわばた さとる)

昔、御崎の祖父の研究に携わっていた男性。その縁で、祖父に預けられていた高校1年生の御崎詔太と出会う。そして御崎に惹かれていくが、普通でありたいという気持ちが強く、御崎への想いを振り切るように福居と付き合うことになった。このことが、川端聡に想いを寄せていた御崎の心に影を落とすことになる。しかし、その後も御崎に執着する気持ちは変わらず、御崎を束縛し続けて苦しめる。

御崎の祖父 (みさきのそふ)

御崎詔太の父方の祖父で、故人。御崎が中学1年生の時に両親を事故で亡くしたため、引き取ることになる。厳しく寡黙な性格で、御崎はしばらく御崎の祖父が植物学の研究をしていることを知らなかった。しかし、研究室の生徒である川端聡に対しては饒舌に何でも話す。多くの植物を育てる温室を持っており、御崎が寂しくないようにと彼に譲った。

辻村先生 (つじむらせんせい)

御崎詔太が研究をしている植物分子生理学研究室の先生。御崎のことを可愛がっており、彼が考えごとをしている時にもお茶目に声を掛ける陽気な男性。植物学で大学の臨時講師を務めていた御崎の祖父のことをよく知っており、その縁で御崎にも目をかけている。研究室の手伝いとして有川洋一を連れて来た張本人である。

池島 (いけしま)

農学部3年生の男子大学生で、有川洋一の友人。有川がかなみと付き合っていることを知っており、自分に彼女がいないことを気に病んでいる。有川が友人に頼まれて池島に返した農学部生の資料の中に、御崎詔太のものがあったため、御崎と有川が再会することになった。有川を超人と思っている節があり、有川が弱音を吐いた時には「普通の人間だったのか」と安心している。

かなみ

有川洋一の彼女。有川の部屋で花のネックレスを発見し、寝言で有川が「ミサキ」と口にしているのを聞いて、自分以外の相手の陰を感じ取り有川に距離を置こうと提案する。好きなことに夢中になっている有川が好きだったが、有川の様子から彼に好きな人がいることを察し、自ら別れを告げる。

福居 (ふくい)

川端聡の彼女。実際は、川端が御崎詔太への想いをカムフラージュするために付き合い始めた女性。川端が福居を御崎に紹介したことがきっかけで、川端に想いを寄せていた御崎の心に深い傷を残すことになった。川端とは結婚の約束をしている。

場所

植物分子生理学研究室 (しょくぶつぶんしせいりがくけんきゅうしつ)

辻村先生の研究室であり、御崎詔太が研究を行っている。植物の突然変異の研究や微生物の算定などの作業が行われている。研究室に通う学生は御崎ともう1人の学生のみだったが、その学生が来なくなったため、辻村先生が手伝いとして有川洋一を連れて来た。

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