概要・あらすじ
警視庁捜査一課の田中課長を秘かに助けるスーパー・ロボット8マンは普段は東八郎として探偵事務所を開いている。実はかつて凶悪犯に射殺された刑事東八郎が、谷博士によって、東八郎の頭脳や性格を人間そっくりのスーパーロボットの電子頭脳に移し替えられ8マンとして蘇ったのである。難事件が発生すると東八郎は8マンに変身し、敵からのミサイル攻撃を防ぎ、敵のロボットと闘い、平和を守り続ける。
登場人物・キャラクター
8マン (えいとまん)
元警視庁捜査一課の刑事東八郎の頭脳と心を持ったスーパーロボットで、人間としての仮の姿は東探偵事務所の所長東八郎である。戦車よりも強く、加速装置によりジェット機よりも高速で移動し、瞬時に敵の銃を取りあげ、時には分身の術を駆使する。プラスティックの人工皮膚やハイマンガン=スチールの骨格の関節を変形して他人に変装することも可能である。 超音波さえ聞き取る耳、紫外線や電波を見ることのできる電子レンズの目を持つ。弱点は体内エネルギーの小型原子炉や電子頭脳が熱に弱く、バックルに仕込んだ強化剤タバコで冷却する必要がある。探偵事務所の秘書さち子からの好意は判っているがロボットであることを打ち明ける訳にいかず悩む。
谷博士 (たにはかせ)
アメリカでロボット研究をしていた天才科学者で人間の千倍優れたロボットを開発するが人殺しの兵器として使われるのを嫌がりロボットと共に日本へ逃げてきた。警視庁捜査一課の田中課長の依頼で、瀕死の重傷だった東八郎の頭脳と性格をロボットの電子頭脳に移し、8マンとして蘇らせた。
田中捜査一課長 (たなかそうさいちかちょう)
東八郎が警視庁の刑事であった時の上司。ピストルギャングの罠にはまり瀕死の重傷となった東八郎の救済を谷博士に依頼し8マンが誕生する。警視庁で扱えない難事件が発生すると8マンの仮の姿である東八郎の東探偵事務所に捜査協力を依頼する。
関 さち子 (せき さちこ)
8マンの仮の姿である東八郎の東探偵事務所の秘書。秘かに東八郎に恋している。
一郎 (いちろう)
8マンの仮の姿である東八郎の東探偵事務所の助手。ラーメン好きの少年。
かまきり
武器を密輸するナショナル商事に雇われた殺し屋。8マンは刑事殺しの犯人かまきりを捕らえ、変身能力でかまきりに化けてナショナル商事へと潜入捜査を行った。
ラインホルト=ゲーレン
武器を密輸するナショナル商事に呼ばれてヨーロッパから日本に来た殺し屋。ドイツの元ナチス暗殺隊長で8マンとの戦いで火薬庫で自爆する。
香山 ミナ (かやま みな)
少女のスターである。サタンの兄弟から誘拐すると脅迫を受けたため、東探偵事務所の東八郎に警備を依頼した。ダッコサン自動車会社提供のショー番組の本番中、サタンの兄弟に襲われ、東八郎が彼女を守ろうとしたが、強化剤が切れてしまい8マンの能力を発揮できなかったため、誘拐されてしまう。
サタンの兄弟 (さたんのきょうだい)
『8マン』の登場人物の兄弟。少女スター香山ミナに脅迫状を出し、TVショー番組の本番中の香山ミナを人形をトリックに使い、誘拐する。弟の自動車レーサーとしての運転技術は犯罪の目撃者を殺すことにも使われた。東八郎はサタンの兄弟の足取りを追い、鈴鹿サーキットで開催の国際自動車レースに参加する。
マック
アメリカから8マンを取り戻しに来たスパイ。8マンを生んだ谷博士のいた研究所で殺人ロボット00七を開発したホワイト博士の助手だったマックは00七を使い、谷博士の開発したスーパー=ロボットである8マンを倒してアメリカに連れ帰ろうとする。
00七
アメリカから8マンを取り戻しに来たスパイマックが連れてきた殺人ロボット。8マンを生んだ谷博士のいた研究所でホワイト博士が00七を開発した。ロボットとしての能力は00七が上だが、電子頭脳の知性は8マンが勝っている。
デーモン博士 (でーもんはかせ)
アメリカのロボット兵器の技術を探るために8マンを捕らえにソ連からからやって来た。ステッキに仕込んだ超小型ミサイルで8マンを攻撃し、空中アンテナで追跡する。また人間に対しては神経棒を使って麻痺させ、ロボットである8マンに対しては秘密兵器コウモリを操縦して電子頭脳を故障させる極超短波の発信で苦しめる。 後に超天才児大江博士と合流する超天才児ソフィア博士を追って再び日本に来たデーモン博士は、人類の敵である超人類一味を倒すために8マンを殺人ロボットに改造するよう谷博士に迫る。
水沢博士 (みずさわはかせ)
太陽の一億倍の熱を出す光線兵器レーザーを開発した女性科学者。科学者である夫は国際スパイ団の黒いちょうのゲオルグ=ミューラーにより新兵器開発のために誘拐されたが、開発を断って殺害された。殺された夫の復讐をするため、犯人をおびき寄せようと、国際ギャング団の鬼頭にレーザーを提供したために、8マンと対峙することとなる。
ドクター=ユーレイ
国際スパイ団黒いちょうの団長。火の玉作戦として中性子爆弾を強奪し金塊100億円を要求する。強奪された中性子爆弾を追ってアメリカ情報局から捜査官マッド=クレージーが日本にやって来る。
00五
アメリカ情報局から派遣された捜査官で、国際スパイ団黒いちょうの中性子爆弾強奪事件を追って日本に来た。実は8マンと同じスーパー=ロボットであり、アメリカへ8マンを連れ帰る役目も負っている。
小島 ナミ (こじま なみ)
小島家では古くから何代かをおいて妖術使いの女性を輩出するが、ナミも超能力者エスパーの資質を持っていた。宇宙線実験装置ビバトロンの事故で放射線を浴びてしまったナミの眠っていた超能力の資質が、もう一人の魔女として出現し、動物を操り、テレパシーや念動力で8マンを苦しめる。
タランチュラ
死刑囚のタランチュラは、数々の爆破事件を起こしながら完全アリバイがあり、死刑を控えて独房にいながらも警視庁の田中捜査一課長に復讐を仕掛けてくる。8マンは完全アリバイには双子の兄がいると睨み、タランチュラにトリックを仕掛ける。
ケン
アメリカから谷博士を探しに来る8マンそっくりの容貌を持つ男。実はケンは8マンの生みの親である谷博士がアメリカに残してきた一人息子であったが、人体実験を志願してスーパー=ロボットの体となり、谷博士をアメリカに連れ戻し、スーパー=ロボット(8マン)を破壊するために日本にやって来た。
大江博士 (おおえはかせ)
6歳でアメリカの大学に入学し7歳で原子物理学と電子工学の博士になったIQ190の9歳の超天才児。同じく超天才のソフィア博士、アルフと共に超人類ミュータントの組織を結成する。彼の発明した重力制御装置を狙ってきた国際スパイ団黒いちょうのミスター=ビックらを倒し、逆に彼らを手先として犯罪を行わせる。
ソフィア博士 (そふぃあはかせ)
ソ連の9歳の超天才児。強力なエネルギー幕を作り出す防御装置を発明する。同じく超天才児大江博士、アルフと合流し超人類ミュータントの組織を結成する。
アルフ
超天才児で大江博士、ソフィア博士と共に超人類ミュータント組織を結成する。ロボット魔王を作り出す。
コズマ博士 (こずまはかせ)
アメリカの軍事秘密研究所で元素転換を発明したコズマ博士は自分自身を元素転換炉に改造する。コズマ博士は鋼鉄人間に変身し、口から溶けた鉄をはき出したり、手を触れた鉄を金に変えたりできるようになる。軍事秘密研究所の仲間であった谷博士に手を組んで世界征服を持ちかけるが断られる。
ノラ=コズマ
アメリカの軍事秘密研究所で元素転換を発明したコズマ博士の夫人。CIAに追われるコズマ博士に代わり国際ギャング団ビッグ=ゴーガンと接触し、コズマ博士をCIAから守る見返りに、元素転換で生み出した黄金を売りさばくよう取引を持ちかける。
サイボーグマン
アメリカCIA本部からCIA日本支部長テン大佐の元へ差し向けられたサイボーグマン28号、サイボーグマン29号、サイボーグマン30号の3名は機械と人間を組み合わせ人間の100倍以上能力を持つ秘密工作員。軍事秘密研究所で元素転換を発明し、自分自身を元素転換炉に改造して鋼鉄人間に変身するコズマ博士を逮捕し、更に谷博士と8マンをアメリカへ連れ帰る任務を持ち、8マンを苦しめる。
光井 鋭 (みつい とし)
バンタム級のボクシング選手。ランニング中に殺人事件を目撃してしまうが、世界タイトルマッチを前にして事件に巻き込まれたくないと黙っていたが、事件の首謀者によって暗殺の危機にさらされる。光井鋭の護衛を買って出た東八郎は、8マンとして世界タイトルマッチの試合の観客から暗殺者を探す。
吉良所長 (きらしょちょう)
吉良研究所の所長で二十年かけた反重力装置の発明を発表する直前に、二十年前に共同研究していて自殺したと思われた浅野名義の脅迫状を受け取る。娘の吉良ジュンからの依頼で東八郎探偵は8マンの能力で吉良所長に変装して吉良研究所内部の調査を開始するが、脅迫者によって殺されかかり、二十年前の真実を知る。
大滝 雷太 (おおたき らいた)
不死身のプロレスラーだが、空腹で倒れているところを東八郎に助けてもらう。インターナショナル宇宙研究所の狩野所長は大滝雷太の不死身さに目をつけて、彼をだまして鉱山用サイボーグ人間・PV1号に改造してしまう。怒り狂うPV1号を止めようと8マンは自分が東八郎だと明かす。
集団・組織
黒いちょう (くろいちょう)
『8マン』に登場するグループ。国際スパイ団で数々の犯罪を行う。団員は黒い蝶の入れ墨があり、捕らえられると入れ墨に仕込んだ毒を飲み自殺して秘密を守る。
イベント・出来事
超人サイバー (ちょうじんさいばー)
『8マン』に登場する世界最大の電子頭脳。人間の頭脳の一万倍の能力があり、人間支配装置を開発者の泉博士らの科学者達に取り付け人間を支配しようとする。人間支配装置を制御する信号を追って潜入捜査に来た8マンを捕らえて調べ上げ、8マンそっくりの5体のロボットフィンガー=ロボットを作り8マンを襲わせる。
その他キーワード
強化剤 (きょうかざい)
スーパーロボット8マンの電子頭脳は熱に弱く、冷却用にタバコ型の強化剤を吸う必要がある。タバコ型強化剤は8マンのバックルに仕舞われている。またタバコ型強化剤を敵の車に轢かせてタイヤの痕跡を電子レンズの目で追跡するような使い道もある。
加速装置 (かそくそうち)
スーパーロボット8マンは加速装置によって人間の目には止まらぬ高速で動く。銃を構える敵の銃を取りあげたり、ミサイルが爆発する瞬間に身をかわしたりする。時には動きを制御することで分身の術を使うことも可能。
超小型ミサイル (ちょうこがたみさいる)
ソ連から8マンを捕まえに来たデーモン博士の秘密兵器。ステッキに仕込まれた超小型ミサイルは自在に向きを変えて標的を追いかける。それでも超小型ミサイルの攻撃をかわす8マンを捕らえるためにデーモン博士は2段式短針ミサイルを新たに作る。
空中アンテナ (くうちゅうあんてな)
ソ連から8マンを捕まえに来たデーモン博士の秘密兵器。アンテナを備えた浮遊するボールで、逃げる8マンを追跡する。モニタしながらの遠隔操縦で照準を合わせて電子頭脳を狂わす電波を放射する。
こうもり
ソ連から8マンを捕まえに来たデーモン博士の秘密兵器。複数のこうもりはデーモン博士の操縦機により飛び回り、極超短波を発信して8マンの電子頭脳を狂わす。
レーザー
女性科学者水沢博士が開発した人造ダイヤは投光器にはめ込み、太陽の一億倍の熱を出す光線兵器レーザーとなる。水沢博士は8マンのスピードに追いつくため、自動式サイト装置を付けた新型のレーザーを開発する。
人間支配装置 (にんげんしはいそうち)
世界最大の電子頭脳で人間の頭脳の一万倍の能力がある超人サイバーが人類支配のために、開発者の泉博士らの科学者達の脳に埋め込んだ機械。人間支配装置を埋め込まれた人間は自分で考えることができなくなり、超人サイバーに操られる。人間支配装置をコントロールする電波を追って潜入捜査してきた8マンも人間支配装置を電子頭脳に付けられてしまい、田中課長や警官と戦うことになってしまう。
フィンガー=ロボット
世界最大の電子頭脳で人間の頭脳の一万倍の能力がある超人サイバーが、潜入捜査してきた8マンを捕らえて調べ上げ、8マンと姿形、力、スピードが同じ5体のロボットフィンガー=ロボットを作り8マンを襲わせる。
人間ロケット (にんげんろけっと)
星製作所が開発した世界一の旅客航空機。ジェット機の50倍の早さで飛び地球上どこにでも30分で到着する。
ビバトロン
宇宙線の起こす様々な現象を作り出す巨大な実験施設。装置の事故に偶然居合わせた小島ナミはビバトロンの放射能の影響で、元々持っていた超能力エスパーの資質がもう一人の人格として現れるようになる。
魔王 (まおう)
超人類ミュータントの超天才児アルフが発明した、重力制御により空を飛び、目からは十万度の熱線を発するロボット。遠隔操作で動いていたが8マンに負け、対抗するため超人類大江博士たちによって国際スパイ団黒いちょうのミスター=ビックの脳を電子頭脳の代わりに植え付けられる。
短針銃 (たんしんじゅう)
国際スパイ団黒いちょうのミスター=ビックが使う超兵器。5万本の針を打ち出し強力な破壊力がある。
スパイ=ボール
デーモン博士が発明した超兵器。超高速で回転することで見えなくなり、触れる物体の分子結合を破壊する。人類を支配しようと計画する超人類ミュータントの超天才児大江博士に対抗するため、デーモン博士の提案で8マンはスパイ=ボールの超高速振動装置を取り付ける改造を受けて殺人ロボットになる。
クレジット
- 原作