世界観
あらすじ
襲名オーディション編(第1話)
星歴0041年。アイドルグループ「AKB0048」第68期研究生の星名ふれあは、「AKB学院」の入学オーディションにこそ受かったものの、ドジばかりで影の薄い存在。親友の北條乃愛には大きく水をあけられ、冴えない気分で過ごしていた。そんなある日、日ごろの行いを認められたふれあは、選抜メンバーのみが入ることのできる学院最上階に招待される。そこで出会った8代目の大島優子に背中を押され、近日中に迫る襲名オーディションに熱意を燃やすふれあ。だが、当日思わぬハプニングが発生する。
私が前田敦子?編(第2~3話)
オーディションでトラブルを起こしたにもかかわらず、伝説のセンター「前田敦子」の名を12代目として襲名することになった星名ふれあ。優しく心強い先輩メンバーに支えられつつも「なぜ自分が?」という疑問をぬぐえぬまま、デビューイベントや握手会の日が迫って来るのだった。
宇宙ライヴ編(第4~6話)
どうにか無事にセンターとしてのお披露目を果たし、次の宇宙ライヴに向けて努力を重ねる星名ふれあ。ライヴ予定地には芸能活動妨害をもくろむ「DES軍」が出現すると聞き、恐ろしくなるが、自分の務めを果たそうと、周囲も驚くほどの力を開花させていく。しかしリハーサル中、乗っていたリフトが転落。大怪我を負ったふれあにドクターストップがかかり、当日は代わりに北條乃愛がセンターに立つこととなる。それでも自分にできることを探し、イベント告知のビラ配りに街に出た。
5代目みなみと11代目敦子編(第7~9話)
宇宙ライヴツアーを成功させ、アキバスターへ帰還中の星名ふれあたち。襲名以降距離が開きがちな北條乃愛と、また昔のように親しくしたいと願うふれあだが、5代目の高橋みなみには「甘い」と一蹴されてしまう。彼女の意外な言葉の裏には、卒業した先代の前田敦子との複雑な関係が隠されていた。
関連作品
原作TVアニメ『AKB0048』に加え、姉妹作品となる漫画作品が同じ講談社作品内に3点存在する。『AKB0048 ?型オペレーション』『AKB0048外伝 とびだせ! AKBぜろぜろ女学園』『AKB0048 宇宙で一番ガチなヤツ!』がそれにあたり、それぞれ「別冊フレンド」「マガジンSPECIAL」「別冊少年マガジン」で連載された。
メディアミックス
本作『AKB0048 エピソード0』には原作となるTVアニメ作品が存在する。アニメ『AKB0048』は、平成24年4月から7月まで第1期が放送された。その後、第2期『AKB0048 next stage』が平成25年1月から3月まで放送された。本作は、アニメ版よりも過去の時代を描いたものとなっている。
登場人物・キャラクター
星名 ふれあ (ほしな ふれあ)
アイドルグループ「AKB0048」の第68期研究生。ドジで存在感の薄い存在だったが、突如「伝説のセンター」・前田敦子を襲名することが決まり、一夜にしてスターとなる。普段は目立たないがファンへの想いの強さは本物で、彼らへパフォーマンスを届けることに対しては並々ならぬ執着がある。時折超能力めいた、すさまじい輝きを見せるが、本人はその力の正体に気づいていない。 ニックネームは「あっちゃん」。
北條 乃愛 (ほうじょう のあ)
星名ふれあの親友。ふれあと同じく第68期研究生としてAKB学院に入学したが、彼女とは対照的に、歌・ダンス・ルックス共に素晴らしい実力を兼ね備えた超優等生。研究生の中で最も襲名に近い存在と言われ、本人も自らの才能を信じ切っていた。しかし実際は自分ではなく、ふれあが12代目の前田敦子に選ばれたことで精神に不調をきたし始め、やがて「ふれあに負けたくない」という想いが彼女を狂わせてしまう。
5代目 高橋 みなみ (ごだいめ たかはし みなみ)
「AKB0048」の選抜メンバーの1人でリーダー的存在。明るく親しみやすい公正な人物で、雑務中の星名ふれあを助けたことから彼女と知り合う。ふれあが襲名後も、時に優しく、時に厳しく彼女を指導し、常に温かく見守っている。小柄な身体と、ポニーテールの頂点で結んだ大きなリボンがトレードマーク。幼なじみ同士でAKB0048に加入したふれあと北條乃愛を、自分と「ある人物」に重ねて見ているところがある。 ニックネームは「たかみな」。
8代目 大島 優子 (はちだいめ おおしま ゆうこ)
「AKB0048」の選抜メンバーの1人でエース的存在。ユーモア溢れる元気で人懐っこい性格。選抜メンバーに恐縮する星名ふれあを率先して和ませる。一方ポジション争いについてはシビアに考えており、対等なライバルの1人としてふれあの成長を楽しみに思っている。初代の大島優子を誰よりも尊敬しており、彼女の「常に120%のパフォーマンスをする」考え方を大切にして活動している。 ニックネームは「ゆうこ」で、本名は「平澤葵」。
10代目 板野 友美 (じゅうだいめ いたの ともみ)
「AKB0048」の選抜メンバーの1人。常に身だしなみに余念がなく、空き時間があればネイルやスキンケアに精を出す、非常にプロ意識の高い人物。一見ふれあに関心が薄いようで実はとても良く見ており、次第にセンターの自覚を強めていく彼女を、クールで的確な言葉で導いていく。ニックネームは「ともちん」。
3代目 渡辺 麻友 (さんだいめ わたなべ まゆ)
「AKB0048」の選抜メンバーの1人。無口で無表情、ミステリアスな雰囲気を持つが、食べることが大好きで、星名ふれあにも「まゆゆ先輩のベストショットは食事中の姿」と評されている。口数こそ少ないがふれあに強い関心を抱いており、時折ぽろりとこぼす発言によって、彼女を驚かせたり慌てさせたりしている。ニックネームは「まゆゆ」。
7代目 篠田 麻里子 (ななだいめ しのだ まりこ)
「AKB0048」の選抜メンバーの1人。穏やかでおっとりとした性格で、笑顔でスゴイ冗談を言うタイプ。他の選抜メンバーに比べると物静かで、積極的に目立とうとするタイプではないが、自然と高い存在感を放っている。ニックネームは「まりこさま」。
10代目 宮澤 佐江 (じゅうだいめ みやざわ さえ)
「AKB0048」の選抜メンバーの1人。活発で少年のような雰囲気の持ち主で、男装時の姿は星名ふれあも「見知らぬイケメン」と勘違いするほど。性格は気さくで心優しく、懇切丁寧な指導をすることから、メンバーには絶大な人気がある。10代目の秋元才加と行動を共にすることが多い。
10代目 秋元 才加 (じゅうだいめ あきもと さやか)
「AKB0048」の選抜メンバーの1人。黒髪ストレートロングに切れ長の瞳を持つ凛とした空気を漂わせる人物。思ったことをそのまま話し、竹を割ったような性格をしている。10代目の宮澤佐江とのコンビは2人共に長身なことから「ツインタワー」と呼ばれている。
11代目 前田 敦子 (じゅういちだいめ まえだ あつこ)
星名ふれあの前任者で、AKB0048の卒業生。5代目の高橋みなみとは幼なじみで、有名になって故郷の星を盛り上げるべく、AKB0048に加入しセンターを務めた。ゴーイングマイウェイな自由人で、現在は故郷でホテルを経営している。卒業の経緯から、5代目の高橋みなみとは確執ができている。
春花 舞 (はるはな まい)
星名ふれあの後輩。第72期研究生としてAKB48に入学間もない少女だが、高いパフォーマンス力ですでに注目の存在。ふれあがセンターに選ばれた理由を理解できず強く反発するが、根は素直で自分の間違いを正せる性格。特技はダンスで、好きな「AKB48」の曲は「ヘビーローテーション」。
神楽 伊織 (かぐら いおり)
星名ふれあが行く先々で出会う謎の少年。街で転んだふれあを助けたことで彼女と知り合う。ふれあには友好的なもののどこか影があり、特にアイドル文化については否定的な態度を見せる。やがて北條乃愛とも接触し、彼女にある取引を持ち掛ける。
トミサキ理事長 (とみさきりじちょう)
AKB学院の責任者。一見スーツを着た若い男性だが、彼が現れるところは何かが起こる、とAKB0048メンバー内で語り継がれる重要な存在。失敗の多い星名ふれあを叱咤しつつも高く評価しており、彼女をセンターに任命する。
鬼怒 (きど)
星名ふれあが仕事上で知り合うカメラマン。先代の前田敦子のカメラマンも務めたベテランだが、気難しく少し近寄りがたい雰囲気がある。暑い日も黒ずくめの服を着ているなど、容姿には強いこだわりがある様子。頼りないふれあを最初は軽視していたが、彼女の意外な行動力に考えを改めていく。
ポワ
星名ふれあの前に現れた謎の存在。手のひらに乗るほどの大きさで、ポワポワと光ることからこう名付けられた。普段はふれあの周りを楽しげに漂っているだけだが、彼女がここ一番の頑張りを見せる際には協力し、エネルギーを与えているような姿が見られる。
あっちゃんマスター
AKB0048のファンの1人。熱心な前田敦子のファンで、前田敦子を務めた歴代の人物たちについて知らないことはないと言われている。彼の評価でメンバーのその後の人気が変わるほどの絶大な影響力を持ち、その存在は星名ふれあを震え上がらせることになる。
みお
AKB0048のファンの1人。星名ふれあとはイベント開催予定地で知り合い、お披露目前の彼女を「新・前田敦子」と見抜いた鋭い少女。ふれあが「前田敦子」であることを誰よりも強く信じており、熱心に応援してくれるようになる。将来は自分も前田敦子になりたいと願っている。
A子さん (えーこさん)
AKB0048に伝わる怪談に登場する女性。襲名を目指し日夜懸命にレッスンに取り組んでいたが、ある日階段から転落し絶命。当時彼女がよくレッスン時に使っていた部屋の床板が、現在は移動用戦艦に用いられているため、戦艦内に彼女の霊が出るという噂がある。
キララ
ポワの正体。手のひらに収まるほどのかわいらしい生命体で、その生態は不明。強い魂の輝きを持つ人間に寄り添う習性があり、主と認めた人間の魂の輝きの高まりによって光り輝くことがある。キララの光には「不可能を可能にする能力」が秘められており、星名ふれあが時折見せる不可思議なパワーは、ポワの手助けによるもの。
集団・組織
AKB0048 (えーけーびーぜろぜろふぉーてぃえいと)
アイドルグループ「AKB48」の遠い未来の姿。惑星アキバスターに存在する「AKB学院」を本拠地とし、かつての人気メンバーの名を襲名した「選抜メンバー」と、襲名前の「研究生」の2種類のメンバーで構成されている。
DES軍 (ですぐん)
芸能禁止法を掲げ、AKB0048と対立する武装集団。芸能人の弾圧、芸能活動の停止のためなら武力行使もいとわない危険な存在で、AKB0048の選抜メンバーは対抗手段として、武器「アサルトマイクサーベル」を扱うことが許可されている。グループのセンターとなった人間は特に集中的に狙われるため、訓練が必要となっている。
場所
惑星アキバスター
AKB0048の本拠地で、AKB学院が建つ星。メンバーたちはこの星を基点に、宇宙全域で活動を行っている。学院には教室、ダンスのレッスン室、食堂、学生寮等も完備されており、他の星からオーディションを受けて合格した生徒はここで生活している。
その他キーワード
襲名制度 (しゅうめいせいど)
初代AKB48の親和性を守るため、現在AKB0048で取られている方式。初代メンバーのいずれかと、外見のみならず魂の輝きが近いと判断された者が、聖なるその名を引き継ぎ「第○代目××」を名乗ることが許される。星名ふれあは前田敦子と魂の輝きが近いと判断され、彼女の名を襲名した。
センターノヴァ
AKB0048におけるセンターの中でも、絶対的な輝きを持つ者にのみ与えられる称号。幾千のキララを従え、不可能を可能にする光を放つ。ゆえにセンターノヴァの称号を得た者は「アイドルの中のアイドル」といえる。しかし、歴代センターノヴァに選ばれたものは急な卒業や失踪をするものが多く、「光を高めすぎた者は消えてしまう」と伝えられている。
芸能禁止法 (げいのうきんしほう)
星歴0041年現在、宇宙で広まっている芸能を禁止・弾圧する法令。「芸能」や「歌」は人の心を乱すものであるという考えのもとに成立した。芸能禁止下の惑星で芸能活動を行ったものはテロリスト扱いされ、芸能弾圧派のDES軍の妨害に遭うことがある。
アサルトマイクサーベル
一見コンサート用のマイクだが、DES軍の妨害に遭った際はスイッチを押し、光を発する護身用の剣として使用できる。その長さや威力は使用者の心の強さに比例するため、生半可な覚悟で使いこなすことは難しい。