B壱

B壱

特殊な能力を持つ代わりに制約に縛られる能力者・道化師が存在する国・邪本を舞台に、仲間たちとともに恐怖工場と戦う将太郎の活躍を描くアクション漫画。「月刊少年ガンガン」2001年3月号から2003年6月号にかけて連載された。

正式名称
B壱
ふりがな
びーいち
作者
ジャンル
アクション
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概要・あらすじ

「人類の進化の道を化かした」特殊能力者・道化師が存在する邪本。その中心都市のTOY京にやって来た真夏は、親友のエミネを探している道化師の少年・将太郎と出会う。その頃、TOY京では都知事が道化師に誘拐されるという事件が起きていた。副知事から都知事救出を依頼された将太郎は事件解決のため、真夏とともにTOY京都庁に潜入する。

登場人物・キャラクター

将太郎 (しょうたろう)

道化師の少年。幼い頃からの親友であるエミネを探している。生物の骨を口にくわえると、その力を引き出すことができる。制約は「一日一善」。陽気でマイペースな性格だが、道化師に目覚める前から、周囲の人間から差別や暴力を受けていた過去を持つ。TV番組に登場するヒーロー「カリスマジャスティス」の大ファンで、自身の必殺技にも彼の技名を取り入れている。

檜 真夏 (ひのき まな)

友達を作るためにTOY京にやって来た少女。将太郎と出会い、ともに都知事誘拐事件を解決したことをきっかけに友達になる。武術が盛んな地域「中極地方」出身で、空手に似た拳法を使う。ただ、実家の流派が一子相伝であったために、幼少期に稽古をつけてもらえず、周囲に馬鹿にされて孤独な思いをした過去を持つ。

七海 陽平 (ななみ ようへい)

珍宿近郊で将太郎と真夏が出会った青年。トゥールの友人。ヘビースモーカーで、天才的な発明家。恐怖ロボのチップを持ち出したことにより、恐怖工場に追われていた。かつては道化師狩りとしてノフィックスと戦い、仲間をすべて失ったという過去を持つ。

トゥール

河童の青年。人間が捨てたゴミの山で育った。キウイが大好物。ロボットなどあらゆる「物の声」を聞くことができる。七海陽平が道化師狩りだった頃からの友人。陽平が過去のトラウマを引きずって仲間に頼ろうとせず、いつも1人でいようとすることを気にかけている。

ノフィックス

道化師の青年。「回転王」の異名を持つ。道化師狩りだった頃の七海陽平の仲間を皆殺しにし、その時の生き残りである陽平の命を狙っている。恐怖ロボを操って人々を襲う他、体に触れたあらゆるものを回転させる能力を持つ。また自身の細胞を活発化させて、受けた傷を素早く回復することも可能。ただしこれらの力は心臓への負担が強く、寿命が短い「短命」の制約を持つ。

エミネ

将太郎の親友の少年。道化師による組織・道化師連合の監視者を務める。能力は自身の血を使った治癒や蘇生。幼い頃に将太郎とともに、周囲の人間から激しい差別を受け、彼を守りたいと思って道化師に目覚める。制約は将太郎の「一日一善」と相反する「一日一悪」。

鈴 琴羽 (りん きんぱー)

道化師の少女。エミネの側近を務める。父親から虐待を受けて道化師に目覚めた。フォークやトレイを暗器のように使って戦う。「人体自在破壊」の能力を持ち、敵の攻撃を受ける前に、自身の体を自由に切り裂くことができる。制約は他人に尽くすこと。

アップル=シノダ

道化師の男性。エミネの側近を務める。能力は「究極運動神経」で、音速を超えるパンチをはじめとした強力な運動能力を駆使して戦う。その制約として、知恵の実であるリンゴを食べ続けなければならないため、歯槽膿漏になりがち。

ロディジー

道化師の男性。恐怖工場の副社長をしている。表向きは民衆に親しまれる善良な副社長だが、上井博士が完成させた恐怖ロボで人々を襲い、IC県を支配しようとしている。光や電気を操る能力を持ち、電撃攻撃を得意とする。制約は光を浴びること。

上井博士 (あげいはかせ)

科学者の男性。恐怖工場に協力している。「らしいじゃないか?」が口癖。恐怖ロボのチップ以外の部分を開発した。また恐怖ロボ以外にも多くのロボットを開発・所有しており、七海陽平を助けるために、恐怖工場に侵入して来た将太郎たちの行く手を阻む。

ズーノ

道化師の男性。恐怖工場の課長をしている。アンテナのように伸びた鼻毛を使い、情報の取り込みや伝達ができる「伝波キャッチ」の能力を持つ。制約は「記憶消去」で、能力によって情報をキャッチする度に、自身の記憶を1つ消去しなくてはならない。

アッシー

恐怖工場で社員として働く少年。ズーノのアシスタントを務めている。「記憶消去」の制約を持つズーノが、指令の要点など大事なことを忘れた時に備えて、常にメモ帳を持ち歩いている。

狂骨 (きょうこつ)

将太郎の中に存在している謎の骸骨。日本の骸骨妖怪である「狂骨」をモチーフとしている。恐怖ロボを操るノフィックスとの戦いの中で、将太郎に力を貸すために目覚める。仲間を守ろうとする将太郎に呼びかけ、強力な力を与える。牛乳が好き。

恐怖ロボ (きょうふろぼ)

恐怖工場が開発した巨大なロボット。チップは七海陽平が、それ以外の部分は上井博士によって開発された。のちにノフィックスとともに陽平たちを襲うが、トゥールと狂骨の力を得た将太郎によって、「しりこだま(魂)」を抜かれて停止する。

集団・組織

道化師狩り (どうけしがり)

道化師討伐部隊。邪本政府によって作られた。道化師を1人残らず排除しようとする人間のみによって構成されている。かつて七海陽平が、部隊長として所属していた組織。陽平の部隊にノフィックスの殺害を命じるが、返り討ちにされる。

道化師連合 (どうけしれんごう)

道化師による道化師のための組織。道化師が道化師狩りに対抗するために作られた。エミネ一派や恐怖工場など、数ある道化師組織が所属している。また、それらのトップが集まる「仮面集会」と呼ばれる会合を、定期的に開いている。

場所

恐怖工場 (ふぃあーふぁくとりー)

IC県にある総合電機製造企業。表向きは民衆に高く評価される善良企業「幸福工場」だが、真の名前は「恐怖工場」であり、恐怖ロボをはじめとした兵器によって、IC県の支配を目論んでいる。全工場の全権は、副社長であるロディジーが握っている。

その他キーワード

道化師 (どうけし)

周囲の虐待から自身を守るための防衛本能によって、異質な能力に目覚めた人間。「人類の進化の道を化かした師(もの)」と評される。普通の人間が脳を3割程度しか使っていないのに対し、脳の機能を5割以上引き出すことにより、特殊な能力を使うことが可能。しかし代償として、能力に見合った制約に縛られている。

制約 (せいやく)

道化師が能力の代償に課せられる縛り。例えば将太郎の制約である「一日一善」の場合、一日一回、人助けをはじめとした「良いこと」をしなければならない。制約を破った道化師は、「自分の中の大切なもの」を失ってしまう。

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