概要・あらすじ
愛徳高校2年生のトオルとヒロシは、リーゼントにボンタン姿の不良コンビ。普段は女のシリを追いかけ回すのに一生懸命な2人だが、ナメられたときは黙っていない。戸塚水産高校や城東工業高校など、悪名高い学校の生徒たちが相手でも、持ち前の気合いと腕っぷしで立ち向かっていく。留年生活にもヘコたれず、暴力沙汰と色恋沙汰にまみれた、お気楽なツッパリ人生を送り続けるトオルとヒロシ。
登場人物・キャラクター
中間 徹 (なかま とおる)
愛徳高校に通う高校生。1966年(昭和41年)10月31日生まれ。B型。さそり座。宮島中学出身。中学時代のあだ名は「狂犬病」。高校2年生のときに留年。相棒は加藤浩志。2人とも、番を張ることや不良としての格などに対する興味がなく、自分たちさえ自由気ままに好きなことができればいい、というスタンス。 ただし、ケンカの勝ち負けについては執念深く、天保工業高校の朴や北高校の工藤をタイマン勝負で倒すなど、腕っぷしもかなり強い。性格は短絡的、しつこい、しぶとい、ズボラ、脳天気。退学の噂が広まった際は、立ち上げ予定の梅津一家本村組の松村が幹部候補生としてスカウトに来た。 視力は左右ともに2.0。ジッポーライターを愛用。二段特殊警棒を携帯。「五中の鬼姫」こと如月翔子に惚れられ、交際をしている。
加藤 浩志 (かとう ひろし)
愛徳高校に通う高校生。1966年(昭和41年)9月14日生まれ。B型。おとめ座。江南中学出身。中学時代のあだ名は「火の玉」。高校2年生のときに留年。相棒は中間徹。2人とも、番を張ることや不良としての格などに対する興味がなく、自分たちさえ自由気ままに好きなことができればいい、というスタンス。 ただし、ケンカの勝ち負けについては執念深く、ナイフやレンガなどの武器を使うことも厭わない。白山高校の江田やアパッチの三宅をタイマン勝負で倒すなど、腕っぷしもかなり強い。性格は短気、ズルイ、こすっからい、単純、助平。女にモテるタイプだが、要領のよさが裏目に出ることも多い。 他人の恋愛がうまくいくと嫉妬する。
兼子 信雄 (かねこ のぶお)
愛徳高校に通う高校生。1967年(昭和42年)5月3日生まれ。1つ上の学年だったトオルとヒロシをかねてより尊敬し、彼らが留年して同学年になったことを機に、舎弟となることを志願する。一人称は「あっし」。髪の毛が多く、異常に硬いため、普段は角刈りにしている。 ヒロシを救うため、立花商業高校菊永淳一の頭を木刀で割ったこともある。沙貴という彼女がいる。
菊永 淳一 (きくなが じゅんいち)
立花商業高校で番を張っている。卑怯なケンカなら誰にも負けない自信を持つ。溜まり場は「かべちょろ」という喫茶店。入学した当日、両手に鉛の塊を握り込んだ状態で、全クラスへ乗り込み、昼前には1年生をシメていた。愛徳高校の三原山順子に一目惚れをするも、からかわれ、菊リンというあだ名を付けられる。
郷 ミノル (ごう みのる)
立花商業高校のナンバー2。ゴリラと呼ばれると怒る。立花商業高校のトップは菊永淳一だが、彼の子分ではないため、ナメられた態度を取られたときは反抗する。菊永自身も、卑怯な手を使わないケンカならば、自分よりミノルのほうが上かもしれないと認めている。顔がそっくりな姉がいる。
前川 新吾 (まえかわしんご)
北高校の番長。見境なく女を取っかえ引っかえしているモテ男。自分の部屋に入った女でやっていないのは母親だけだと豪語。借りている部屋にはいつも4〜5人の女が滞在しており、別名「コーマンの館」と呼ばれている。
三原山 順子 (みはらやま じゅんこ)
愛徳高校に通う生徒。高校2年生のとき、トオル&ヒロシと同じクラスに転校してきた。トオルとヒロシを軽くあしらう数少ない存在。立花商業高校の菊永淳一を一目惚れささせるほどのいい女。菊永に菊リンというあだ名を付けた張本人。鹿戸農業高校のバカ牛にも惚れられる。 ヒロシをからかっていたら、突然キスされたことがある。
如月 翔子 (きさらぎ しょうこ)
第五中学の生徒。通称「五中の鬼姫」。偶然、街で出会ったトオルに恋をし、彼女になると決意。熱烈なアタックの末、交際をするようになった。愛徳高校に入学するために勉強をしている。第五中学の1つ先輩である大前均太郎や黒田晋平、川端純に惚れられていた。
黒田 晋平 (くろだ しんぺい)
愛徳高校の生徒。1968年(昭和43年)12月12日生まれ。第五中学出身。中学時代のあだ名は「五中の赤い虎」。中学時代から、ツレである大前均太郎の親衛隊として体を張ってきた。じつは第五中学の1つ後輩である如月翔子に惚れていた。リーこと吉行恵利という彼女がいる。 根っからのダメ人間。
川端 純 (かわばた じゅん)
愛徳高校の生徒。1968年(昭和43年)6月20日生まれ。第五中学出身。中学時代のあだ名は「五中の黒い狼」。中学時代から、黒田晋平とともに大前均太郎がいない場所でも修羅場をくぐってきた。中学2年生のとき、パッソルでウイリーをし、瀬戸物屋の店先に突っ込んだことで、体中に傷跡がある。 じつは第五中学の1つ後輩である如月翔子に惚れていた。無類の巨乳好き。
大前 均太郎 (おおまえ きんたろう)
愛徳高校の元生徒。1968年(昭和43年)8月29日生まれ。第五中学出身。中学時代は番長だった。1年生のときに愛徳高校の番を張ろうと目論むも、トオルとヒロシにケンカを売ってしまい失敗。第五中学の1つ後輩である如月翔子に惚れていた。タチの悪いカツアゲを繰り返し、退学となる。
山田 敏光 (やまだ としみつ)
城東工業高校のトップ。大義名分のないケンカはやらない主義。ケンカは強く、誰にも負けない自信を持っている。愛徳高校のトオル、ヒロシとともに、天保工業高校のガチャピンに会うため、JR沿線に遠征。スポーツ用品屋で購入した小熊くんバットを片手にひと暴れした。
藤本 輝男 (ふじもと てるお)
城東工業高校の生徒。中学時代、宮島中学にいたトオルの左足の内ももと、右足の太ももをドスで突く。が、直後にドスを奪われ、自らの両手を刺されたあげくに前歯4本を折られている。城東工業高校に入り、ボンタン狩りを実行した際には、トオルの鼻に折ったエンピツを叩き込んだ。
柴田 (しばた)
城東工業高校の中退者。高校2年生のとき、3年生の教室へ乗り込み、金属バットを振り回したことで退学となった。愛徳高校のトオルとヒロシに殴られ、前歯を折られる。有田商会KKに就職が決まるも、先輩を殴ってクビに。借金癖があり、よくお金の工面に苦労している。
西 (にし)
城東工業高校の中退者。ツレの柴田とともにトオルやヒロシとモメる。「CUL-DE-SAC」というカフェ&バーで働いていたが、客として来店した城東工業高校時代の後輩を殴ってしまう。やがて、ソムリエの修行をするためにパリへと旅立つが、6泊8日ですぐに帰国。 ビリヤードのプロになると言い出す。
江田 (えだ)
白山高校の生徒。大杉、松本と並び、白山高校の三羽ガラスと並び称される。中学時代にストリップでチャッピーという踊り子にステージへ上げられ、童貞を卒業したことから、あだ名がチャッピーとなる。ただし、本人はその呼び名を気に入っていないため、呼んでいることがわかると親しい相手でも半殺しでは済まされない。 トオルとヒロシを一撃で沈めるほどのパンチを持っている。
大杉 (おおすぎ)
白山高校の生徒。江田、松本と並び、白山高校の三羽ガラスと並び称される。江田の左目の上にある傷を付けた男。何度もナイフで人を刺した経験を持つ。愛徳高校のヒロシとモメた際、背後から傘で殴りつけ、血だらけにさせる。松本が退学になった後、白山高校内で勢いをつける。
松本 (まつもと)
白山高校の生徒。江田、大杉と並び、白山高校の三羽ガラスと並び称される。愛徳高校のヒロシと2度ケンカをしているが、どちらも正々堂々とした勝負をしてもらっていない。後日、「傷害が何か」で逮捕されて退学となり、白山高校内のパワーバランスが崩れるきっかけを作る。
梶谷 一 (かじや はじめ)
天保工業高校の番長。愛徳高校のトオルとヒロシを仲間10人で囲むも、逆に大暴れされてしまう。悔しさから、2人を半殺しにしたというデマを流し、再び自分たちの地元へおびき寄せる。副番朴と2人で、トオル、ヒロシの相手をした。
朴 (ぱく)
天保工業高校の副番。JR沿線にやってきた愛徳高校のトオルとヒロシとケンカになる。天保工業高校へは、その二カ月ぐらい前に転入。以前の学校では番を張っており、ケンカの腕は天保工業高校トップのガチャピンにも負けないと言っている。後日、再び訪れたトオルとヒロシを番長のガチャピンとともに迎えうった。
矢農 政明 (やの まさあき)
鹿戸農業高校の生徒。JR沿線の西白山にある仕立屋フクガミの前で、愛徳高校のトオルと出会う。頭はよくないが、天保工業高校の副番である朴を一方的にぶちのめすほどの腕力を持つ。男気について三原山順子に説教されたのがきっかけで、彼女に惚れてしまう。
黒木 (くろき)
愛徳高校近くの公園に出没する中年男性。しゃべくり一筋で生き抜いてきたペテン師。警察にも顔と名前が割れている。ぼったくりのピンサロへ連れ込むポン引きのほか、マルチ商法や裏ビデオ制作など、怪しい儲け話も次々と持ちかけてくる。何度もシンナーで補導されている娘がいる。
ベンツ島田 (べんつしまだ)
高校中退者。シボレー吉田の兄。元城東工業高校の柴田が、バイト先で知り合った男。頭は悪いがケンカは強い。ベンツに乗るのが夢らしいが、免許はまだ持っていない。ママチャリに前のカゴにベンツのマークを、ベルの代わりにベンツホーンを付けている。親から手切れ金として500万円を渡されている。 兄弟ともどもノブオと仲がいい。
シボレー吉田 (しぼれーよしだ)
高校中退者。ベンツ島田の弟。兄と同様に、物忘れが激しくワケがわからない男。笑ったときの「にこっ」や、うなずくときの「こくっ」などを声に出して言い、すぐに「しゅっ」と出刃包丁をギラつかせる。学校には通っていないが、いつも学生服を着ている。兄弟ともどもノブオと仲がいい。
集団・組織
愛徳高校 (あいとくこうこう)
男女共学の私立高校。生徒数は1026名(男子602名、女子424名)。偏差値は49〜73。前年度の退学処分者数は12名。数年前までは県内有数の進学校だったが、受験者数の減少にともない、優秀な生徒と定員を満たすために入学させる生徒との格差が広がる。通称「学力カースト制度」。 校訓は「誠実であれ 勤勉であれ 謙虚であれ」。
立花商業高校 (たちばなしょうぎょうこうこう)
『BE-BOP-HIGHSCHOOL』に登場する学校。男女共学の県立高校。生徒数は457名(男子196名、女子261名)。偏差値は40〜48。前年度の退学処分者数は13名。菊永淳一を頂点とし、郷ミノルがナンバー2を務める。何度か愛徳高校と大規模な抗争へ発展しそうになったことがある。
北高校 (きたこうこう)
『BE-BOP-HIGHSCHOOL』に登場する学校。男女共学の県立高校。生徒数は711名(男子312名、女子399名)。偏差値は50〜55。前年度の退学処分者数は8名。トップは前川新吾。2年生の工藤たちが暴走し、愛徳高校と全面抗争寸前の状態になったことがある。
城東工業高校 (じょうとうこうぎょうこうこう)
『BE-BOP-HIGHSCHOOL』に登場する学校。男女共学の私立高校。生徒数は983名(男子981名、女子2名)。偏差値は38〜44。前年度の退学処分者数は28名。山田敏光が番を張っている。生徒の大部分が不良であり、その数は愛徳高校の約10倍。藤本輝男らがボンタン狩りを実行した。
戸塚水産高校 (とつかすいさんこうこう)
『BE-BOP-HIGHSCHOOL』に登場する学校。私立の男子高校。生徒数は118名。いくつもの高校を退学になった者が、最後に行き着く場所。トップは岸直樹。卒業生の半数近くが暴力団員になるという噂もある。沿線を走る7時10分発の準急・戸塚行きの電車は、通称「戸塚電車」と呼ばれ、あまりの傍若無人ぶりに戸塚水産高校の生徒以外は誰一人として乗りたがらない。