BLUE DRAGON ラルΩグラド

闇の世界より来た怪物・カゲの女王を倒すべく、強力なカゲ・グラドと融合した少年・ラルが仲間たちと旅をする冒険譚。ゲームソフト『ブルードラゴン』のメディアミックス展開による漫画化企画だが、ゲームとの共通点は少ない。原作者のあとがきによれば、タイトルの「Ω」はオメガではなく「ドラゴンヘッド」という記号。

正式名称
BLUE DRAGON ラルΩグラド
原作者
鷹野常雄
作者
ジャンル
ファンタジー
レーベル
ジャンプコミックス(集英社)
巻数
全4巻
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概要・あらすじ

闇の世界から来たカゲという怪物に荒らされる人間たちの世界。スフェライト王国の少年・ラルは、生まれてすぐ強大なカゲであるグラドと融合し、城の地下に幽閉されていた。カゲを支配する女王・ビラを倒し、闇の世界に帰るため、グラドはラルと協力して戦う。またラルも、幽閉されている間に教育係をしていたミオの願いを聞き、人間の女性たちを救うためビラ打倒の旅に出る。

登場人物・キャラクター

ラル

スフェライト王国に生まれた15歳の少年。生まれてすぐグラドと特殊融合し、その結果得た強大な力を恐れられて城の地下に幽閉されていた。幽閉中は完全な闇の中におり、グラド以外では教育係のミオのみを話し相手として育つ。そのためミオを「ミオ先生」と呼び慕っている。解放された後は、ミオの体に触れたことから女性の体に興味を持ち、ミオから女性の体について教わることを条件に、カゲと戦う約束をした。 特に女性の乳を揉むことに強い関心を示す。当初は他の人間を軽視し、女性のためにのみ戦う意志を見せていたが、ビラ打倒の旅の中で次第に人間性を身につけていく。グラドを実体化させなくても、その力を一部使用することでドラゴンの翼や腕を生やし、かなりの戦闘能力を発揮する。

グラド

15年前、スフェライト王国に出現し、生まれたばかりのラルに特殊融合したカゲ。いわゆるドラゴンのような形状をしており、他のカゲからは「狂乱の魔獣ブルードラゴン」、「最強のカゲ」などと呼ばれて恐れられている。ラルの中から姿を現す時は数メートルほどの大きさだが、最大は数十メートルの大きさとなり、見渡す限りの山々を焼き払うほどの炎を放つ。 最大の攻撃は青い炎。カゲを支配して人間たちの世界で活動させているビラを嫌い、ビラを倒して闇の世界に戻ることを目的としている。カゲとしては知能が高い。しかし、それが災いし、油断したため、自分の子を閉じ込めるとは思わず、ラルと共に15年間、城の地下で完全な闇の中に幽閉されていた。 幽閉中にラルと情を通わせ、また命を共有していることもあって、ラルを大切に思って常に守ろうとする。人間の知恵を認めており、通常はラルに主導権を預けているが、自分が傷つけられたり、自分の姿を模倣されたりすると怒りを露にし、ラルの制止も聞かず全力で報復しようとする。

ミオ

スフェライト王国の城下で幽閉されたラルに対し、15年間教育係を務めた女性。常に眼鏡を着用しており、裸眼で外出している姿を目撃したラルが驚きの声を上げたこともある。年齢は不詳だが、教育係に就いた時はまだ幼い少女であったため、20代半ばと思われる。清楚な出で立ちをしており、戦闘能力はないが、広範な知識を備え、とくにカゲについての知識は誰にも負けないと自負している。 ラルが解放されるまで互いに姿を見せ合うことはなかったが、会話による交流は長く、ラルには肉親のような情を抱いていた。豊満な胸を持ち、そこに興味を抱いたラルに、女性の体について教えることを交換条件としてカゲと戦うことを承諾させる。ラルとグラドの、ビラを倒す旅に同行し、自分の力不足やラルの独り立ちを悲しむこともあったが、己の知識を役立てることで自信を回復させる。 旅の途中から、身を守るために硬鎌獣というエイに似たカゲを自らにつけた。

ビラ

闇の世界に住まうカゲたちの女王(闇女王)で、人間たちの世界に侵攻してきた強力なカゲ。人間の姿を持つ「クリアヒューマン」と呼ばれるタイプのカゲで、自分と宿主ともども姿を消すことができる。また、カゲに対しては睨むだけで消滅させる能力を持っているが、これを使う際には姿を見せる必要がある。「美の追求」を喜びとしており、人間の美しい女性を次々と宿主に選んで己の美しさを高めている。 そのため特殊融合できる能力を持ちながら、個々の宿主には通常の寄生に留まっていた。最終的な目的は、自分と同等に強く美しくなった配下のカゲとの間に子を作り、後継者とすること。そのため全てのカゲに競い合って美を追求するよう強制しているが、それがグラドなど多くのカゲの反発を招いている。

アイア

カゲに寄生され、スフェライト王国の城下で他のカゲと共に幽閉されていた少女。13歳だが年齢以上に幼げな容姿と、拙い口調が特徴。ラルがビラ打倒の旅に出る際、仲間選びのため他のカゲと一緒に解放された。寄生しているカゲはカメレオンに似ており、名前は「クルクル」。クルクルの戦闘能力は低いが、アイアから離れて長距離を移動できる。 また、耳がよく、無音で行動できるため偵察に活躍する。

マレロ

カゲに寄生され、スフェライト王国の城下で他のカゲと共に幽閉されていた男。大柄で、ネイディブアメリカンのような風貌をしている。巨体で怪力のカゲ・「ゴルバゴ」を従えており、ラルとグラドの力試しで実力と人間性を認められ、宿主を食っていた邪悪なカゲをラルに代わって始末した。ゴルバゴもビラによる支配を嫌って闇の世界に帰ることを望んでいる。 ラルが旅立った後の、城の守りを任された。

カフカ

旅に出たラルたちが立ち寄ったストラ城の騎士。「リズ」という薔薇の花と荊(いばら)を備えたカゲと共存しており、その高い防御能力をもって他のカゲから城を守っていた。城主である姫を慕う生真面目な男だが、姫の命令でラル一行に加わった。容姿端麗で冷静沈着だが、船に酔いやすく泳ぎも苦手であるため、海上ではひどく取り乱した。 「ヌイ」という、カゲの気配に敏感な犬を飼い慣らしている。

スンス

旅に出たラルたちが立ち寄った城塞都市・ルリール街で、強引に一行に加わった少年。姉がビラ配下のカゲに攫(とら)われた時、より大きな被害を救うためとはいえ、姉を見捨てて街を出たガネットを恨んでいた。「水上移動に役立つカゲを宿せば連れて行く」というラルの言葉に従い、アメンボとゲンゴロウを合わせたようなカゲ・「ゲンスイ」を寄生させた。 泳ぎが得意な上に、ゲンスイを水上に出していれば、呼吸不要で水中に居続けることができる。手先が器用で、魚型カゲの甲羅とヒレを使って即席の小船を作り、ラル一行の旅を助けた。元のゲンスイは小さく非力なカゲだったが、毒蛇型カゲの死体を取り込んだことで大型化し、毒牙の能力も得る。ガネットに対しては、ラルとの共闘による勝負に勝って一矢報いた。

ガネット

ソンボレロ状の帽子をかぶった旅の剣士。「アディオス(さようなら)」と「タルデス(こんにちは)」が口癖。「ホワイトタイガー」と呼ばれるカゲ・ガイラから選ばれ、特殊融合されている。ガイラが宿る前から「無敵の剣士」と呼ばれ、単身で数体のカゲを倒すほどの戦闘力を備えていた。己の強さに自信を持ってはいるが、慎重であり、ビラ攻略にあたっても、しっかりと戦略を練るタイプ。 また、ガイラが最強の剣士を宿主として求めているため、己の強さを示し続けることに余念がない。ラルの愚かさを笑い、一時は敵対するが、ラルとスンスの作戦に敗れた時は負けを認め、以後は協力関係となった。ガイラに選ばれた時は一人旅だったが、現在はセノルとリーラという二人の女性を同行させている。

ガイラ

ガネットと特殊融合しているカゲで、人間側に味方している。四足歩行の肉食獣のような姿をしており、非常に俊敏。ビラを倒して闇の世界を復活させることを目的としており、常により強い宿主を求めている。新しい宿主に移ると前の宿主は殺して喰い、その知恵や能力を得ているため、ガネットには強さを示し続けねば殺される、というプレッシャーを与えている。 特殊融合には本来、生涯で一人の人間としかできないという制限があると判明するが、ガイラが特殊なのか、前の宿主を殺して喰うことで可能となるのか、ガネットより前の宿主とは特殊融合しなかったのかは不明。顔の横からワイヤー状の糸を伸ばし、ガネットとの連係で敵に巻きつけて一度に多数を斬り刻む戦法を得意とする。 ビラ配下のカゲからは「確信の猛獣ホワイトタイガー」と呼ばれて恐れられている。

セノル

ガネットに付き従って旅をしている2人の女性のうちのひとり。ツインテールにした髪(角のように描かれることもある)と、太ももを露にした短く白いワンピースが特徴。陽気で思ったことをすぐ口にし、普段は様づけで呼んでいるガネットに対しても、時々呼び捨てになることがある。黒猫に似たカゲ・「ミーシュ」を宿しており、ミーシュの闇を作る能力を利用して、人間へカゲを自在に付け外しできる。

リーラ

ガネットに付き従って旅をしている2人の女性のうちのひとり。長い黒髪と、スリットの深いロングの黒いワンピース、丸い黒眼鏡が特徴。口数が少なく冷静だが、ガネットの言動にはしばしば苦言を呈す。コウモリに似たカゲ・「ブラッツ」を宿しており、その飛行能力、音波による索敵能力、吸血能力をもって、ガネットの旅を助けている。

ヤヤ

ビラに従うカゲ・コリーと特殊融合している幼い少女。貴族のような豪奢な出で立ちをしており、ラルたちには非情な態度を見せた。元はビラに宿主候補として捧げられた少女だった。幼すぎて選ばれなかったものの美しく成長することを期待され、コリーと融合させられる。ビラ配下のカゲたちからも「ヤヤチャン」と呼ばれ、ビラに匹敵する人気を得ていた。 本心ではビラを恐れているが、主導権はコリーに握られているため、表面上は非情で冷酷な言動を崩さない。コリーが持つフェニックスの力を使うと、手を軽く振るだけで、離れた位置にいる敵を切り裂くことができる。

コリー

鳥や翼竜に似た姿のカゲ。不死の能力を持ち「死なないカゲ」と呼ばれる。カゲには珍しい「雌」。傷を受けても瞬時に再生し、宿主がいない、または融合した宿主が死んだ状態でも生きることができる。人間とカゲの勝ち残った側につくため中立の立場にいたが、その態度に腹を立てたビラによって玉の中に封印される。そして幼いヤヤを美しく成長させるべく、ビラの命で特殊融合させられていた。 さらに、ビラの配下のカゲたちが攫(さら)った女性らを閉じ込める塔の番を命じられており、女性たちの解放を目指して訪れたラルたちと敵対する。不死の能力以外にも強力な戦闘能力を持ち、グラドとガイラの2体と互角以上に戦ってみせるほど。だがグラド、ガイラだけでなく、協力し合うラルやミオたちに感銘を受け、人間の知恵と力と勇気に自らの負けを認めた。 ラルたちとビオの決戦に対しても中立的立場を取って傍観していたが、ビオの死後は黒水晶を引き受け、闇の世界を再生させるべく、他のカゲたちと共に人間たちの世界を去っていった。

ブラックライノセラス

巨大な黒いイモムシの姿をしたカゲ。サイを思わせる大きな角を持つ。ビラの配下で、ラル&グラドとガネット&ガイラの2組を迎え撃った。グラドやガイラと同じく、特殊融合できる五体のカゲの一体とされているが、宿主が登場しないため、既に宿主を食いきった「セカンド」状態と見られている。巨体ながら動きは素早く、皮膚から触れたものを吸収して、より巨大化する能力や高い防御力を備えていた。 グラドの放つ青い炎が唯一の弱点とされており、ラルとグラドによる青い炎を受けて消滅した。

集団・組織

カゲ

闇の世界から来た怪物の総称。リーダーであるビラが闇の世界を壊して「光ある世界(人間たちのいる世界)」に移ったため、やむなく光りある世界に現れ、人間たちを圧倒した。原則として、人間のいる世界では単独で生きることができず、何らかの生物を宿主として寄生して生き延びている。宿主との関係は、宿主に許可されていれば、その影から具現化できる「寄生型(ファースト)」、宿主を内側から喰らい、肉体も精神も自分のものとした「侵食型(セカンド)」、侵食型がさらに他の生物やカゲを喰って増殖した「増殖型(サード)」に大別される。

場所

スフェライト王国

物語序盤の舞台となる国。ラルやミオが生まれ育った。15年前にカゲと人間の戦いが始まるまでは、他国と領土を奪い合って醜い争いを続ける国の1つだった。国王であるロイは赤ん坊だったラルの父であり、グラドを融合したラルごと幽閉した。15年後に解放した際、復讐としてラルに腹を殴られた。ロイのその後の動向は不明だが、城内の様子からみて殺されはしなかったと思われる。

闇の世界

カゲたちが生まれ育った世界。光がなく、高さの概念がない平面の世界でもあり、そこではカゲたちも立体としての体を維持できない。女王であるビラによって壊され、カゲたちは「光ある世界(人間たちがいる世界)」へ侵攻した。ビラが死に、新たな女王が現れれば再生されるため、グラドなど闇の世界に帰りたがっているカゲは、ビラ打倒を目標としている。

その他キーワード

特殊融合

カゲの中でも5体(ブルードラゴン、ホワイトタイガー、レッドフェニックス、ブラックライノセラス、クリアヒューマン)だけが行うことのできる特殊な融合。宿主の自我が保たれ、カゲと協力体制にある点では「寄生型(ファースト)」に近いが、カゲが血肉を与えることで宿主が人間の姿のまま特殊能力を使うことができる。 ひとたびこの特殊融合をしたカゲは、他の人間に入っても融合できないとされている。一般には「とくしゅゆうごう」と読まれるが、ラルとグラドは自らのそれを「フレンド」、ガネットとガイラ、およびヤヤとコリーは「トクベツ」と呼称する。

青い炎

グラドが放つ、最強の攻撃技。口から強力な青い火炎を吐き、見渡す限りの山々を焼き払うほどの破壊規模を誇る。同格とされるカゲのブラックライノセラスにとっては唯一の弱点とされ、ブラックライノセラスやビラをも倒した。強力な反面、一度使えば、グラドはラルの中で2、3日は休まないと回復できないと言われている。

黒水晶

闇の世界に存在した黒い結晶体で、雌のカゲが体内に取り込むことにより、カゲの女王とも呼べる存在となる。これを得たビラは闇の世界を壊して「光ある世界」に侵攻した。ビラの死後はレッドフェニックスが引き受けて新たな女王となり、闇の世界を再生させた。

クレジット

原作

鷹野常雄

書誌情報

Blue dragonラル・グラド 全4巻 〈ジャンプコミックス〉 完結

第1巻

(2007年4月4日発行、 978-4088743769)

第2巻

(2007年7月4日発行、 978-4088743882)

第3巻

(2007年9月4日発行、 978-4088744162)

第4巻

(2007年11月2日発行、 978-4088744377)

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