概要・あらすじ
男子高校生の斎藤由貴は、ある日の深夜、下着姿で自室に入って来た見知らぬ女性に寝込みを襲われ、思わず大声を上げる。その女性は、由貴の父親である斎藤美由貴が手がけるポルノ映画の主演女優だった。彼女の行動が、美由貴に実演を伴う演技指導を受けるための夜這いであったことを知り、由貴は怒りを露わにするが、美由貴はそれを一蹴。
複雑な思いを抱いたまま翌朝を迎えた由貴が、ごく普通の父親が欲しいと切実に思いながら登校すると、友人の鈴木から桃園女子高校の生徒たちとの合コン話を持ちかけられる。
登場人物・キャラクター
斎藤 由貴 (さいとう よしたか)
春野台高校に通う1年生の男子で、ポルノ映画監督の斎藤美由貴を父親に持つ。理想の父親像とはほど遠い存在である美由貴にうんざりしつつも、つい世話を焼いてしまっている。子供の頃から自宅にポルノ女優が連日入り浸っているという変わった環境下で育ったためか、異性にはまるで興味がない。隣の家に住む幼なじみの小川未明のことも特に異性として意識していなかったが、美由貴に対する未明の想いを知ってからは少しずつ気持ちが変化していくことになる。
斎藤 美由貴 (さいとう よしゆき)
斎藤由貴の父親。ポルノ映画監督として、低予算のポルノ映画を撮り続けている中年男性。ヒット作は皆無だがポルノ女優たちにはとても人気があり、自宅に彼女たちを連れ込んでは連日酒盛りして大騒ぎを繰り返している。そんな生活にとうとう嫌気が差した妻のともよとは、由貴が生後間もない頃に離婚し、その後、男手一つで由貴を育て上げた。 愛情表現が非常に下手なことから由貴に対してはなかなか素直になれないが、隣の家に住む小川未明には本音の一部を話すこともある。
小川 未明 (おがわ みはる)
斎藤由貴の隣の家に住んでいる中学3年生の女子。男勝りな性格で言葉遣いも男っぽく、斎藤美由貴に対してネガティブな態度ばかり取る由貴をたしなめ、美由貴をフォローする役割を担っている。美由貴に片想いをしており、「パパちゃん」と呼んで懐いているが、あまり相手にされていない。豊満な肉体のポルノ女優たちに、自分の若さを武器に張り合ったりと女の子らしい一面も持ち併せる。 由貴のことは異性としてまったく意識していない。
岩崎 夏美 (いわさき なつみ)
桃園女子高校に通う1年生の女子。校内で最もかわいい女子として定評を得ており、それを何よりも誇りに思っている。自己顕示欲が非常に強く、常に自分が主役で注目を浴びなければ気が済まないという厄介な性格。斎藤由貴とはお互いの友人を介した合コンで知り合うが、どんなにアプローチをかけても自分にさっぱりなびかない由貴に対して苛立ちを覚え、自身の名誉とプライドに懸けて何が何でも振り向かせようと躍起になる。
きみこ
桃園女子高校に通う3年生の女子。ボーイッシュなルックスに加えて空手3段という腕前を持ち、下級生の女子たちからも人気がある。校内のアイドルとして目をかけている岩崎夏美が斎藤由貴によってコケにされたと思い込み、友人のあすかと2人で制裁を加える予定だったが、斎藤美由貴によって阻止されたうえ、逆に手懐けられてしまう。
あすか
桃園女子高校に通う3年生の女子。清楚で落ち着いた雰囲気の外見からは想像もつかないが、実は少林寺拳法の達人。後輩の岩崎夏美からも崇拝されている。女子ばかりの環境にいるためか、友人のきみことそろって男性には免疫がなく、斎藤美由貴から熱い抱擁を受けたことで虜になってしまう。
鈴木 (すずき)
春野台高校に通う1年生の男子で、斎藤由貴の友達。海でナンパした岩崎夏美とその友人たちを、合コンで由貴に会わせた。異性に興味を示さない由貴の性格が不思議で仕方がなく、彼の複雑な家庭環境をとてもうらやましく思っている。由貴に情報提供する際には何かと交換条件を提示し、斎藤美由貴のポルノ作品を視聴させてもらっている。
ともよ
斎藤由貴の母親で、現在はアメリカで暮らしている中年女性。若い頃は美人で、女優を目指していたことがある。元夫である斎藤美由貴との生活に耐えられなくなり、幼い由貴を残して単身で渡米してしまった。その後も由貴のことは気にかけていたが、アメリカでの暮らしに追われるうち、由貴に関わらないままに年月が経過してしまっている。