概要・あらすじ
ニューヨーク市警察の署長が入院することになり、署長代理に就任したカッツェルには着任初日に必ず事件が起こるというジンクスをもっていた。その通り、署長代理初日に近くの店で立てこもり事件が発生し、ESU(緊急出動部隊)も出動する騒ぎになる。同じく駆け付けた51分署の警官たちにもその噂が広まり、噂を信じる者は増えていく。
彼らはニューヨークのブロンクス区で活動し、同僚や町の住人達との日常を過ごしていく。
登場人物・キャラクター
カッツェル
51分署の警部補。ニューヨーク市警察の署長が入院することになり、署長代理に就任した。彼の記念日や移動した初日、最終日には何か事件が起こるというジンクスを持っている。真面目な性格で、自分自身もジンクスの噂を気にしている。警官たちのコーヒー休暇が多すぎるのが些細な悩み。
ヴォス
ニューヨーク市警察51分署の警部補。結婚して2人の子供がいる。部下からの信頼も厚い人物。巡査の頃から顔見知りのアキとは親友。過去にアルコール依存症の相棒がいたことは彼と署内のヴァルにだけ打ち明けている。カッツェルのジンクスを取材に来たアキに対しては、噂だと言っている。 チョコレートが好物。
ヴァル
ニューヨーク市警察51分署に所属している新米刑事。大雑把な性格で何度か自動車事故を起こし、相棒のキースには呆れられている。普段はお気楽に過ごしているが、同期のアカデミー出身者が配属初日に殉職した際、彼の顔を思い出せなかった出来事を経験していて、警官の自分が死んで忘れられていくことに恐怖を感じている。 おやつが大好きで職務中もよく食べている事が多い。オノ・ナツメ作の短編集『Danza』にも相棒のキースと共に登場している。
キース
ニューヨーク市警察51分署の刑事。新米刑事のヴァルと組んでいる。妻子持ちの男性で普段から口数が少なく冷静沈着に見えるが、仲間想いの熱い心を持っている。シナモンドーナツが好物。オノ・ナツメ作の短編集『Danza』にも相棒のヴァルと共に登場している。
アーロン
ニューヨーク市警察51分署の巡査。ESU(緊急出動部隊)にあこがれる若い男性。タイラーと組んでいるが、勤務中さぼって住民と話しているばかりの彼に不満を抱いてる。実力をつけてESU部隊に所属することが目標。ニューヨーク・ヤンキースのファン。
モーリーン
ニューヨーク市警察51分署の巡査。アフリカ系の女性で、教師の両親をもち現場で働く女を理解してくれない家庭で育ったため、女性としてのプライドを余計に考える事もある。ストレスがたまるとやけ食いする癖がある。
ティック
ニューヨーク市警察51分署の巡査。背の高い男でハンサムなため町の住人から人気がある。
ハリー
ニューヨーク市警察51分署の巡査。骨ばった顔つきの体格のいい男性。署内でタイラーが休みの時はアーロンと組んでいる。
タイラー
ニューヨーク市警察51分署の巡査。あごひげを生やした男でアーロンの相棒。署のベテランで、情報を覚えるのが苦手だが毎日町を見回り、些細な町の変化も見逃さない。仕事の終わりにビールを飲むのが楽しみであり、ビール腹になってきているのを気にしている。
ハウスマン
ニューヨーク市警察51分署内勤の巡査。太り気味の内気な性格をした男。警官だった父親の影響で自分も警察に入った。署ではもたついていて、年下のアーロンにバカにされる。特技はトランペットでジャズバンドとしてこっそりお店で演奏することがある。ベテラン巡査のタイラーにあこがれている。
グラント
ニューヨーク市警察の署長。良性腫瘍の摘出手術のため入院することになり、現在は警部補のカッツェルに署長代理を任せている。予定より退院が長引いている。
ラス
ニューヨーク市警察51分署の横にあるデリカテッセンで働く青年。よく警官が食べ物を買いに来るついでに話す愚痴を聞いている。
中野 秋光 (なかの あきみつ)
口髭を生やした日本人ジャーナリスト。ニューヨークのエッセイを連載中。巡査の頃からのヴォス警部補と親友で、何か事件があると彼のところへお土産をもって会いに行く。
爺さん (じいさん)
ニューヨーク市警察51分署にほぼ毎日来る老人。署が建つ前にあったアパートに祖父が住んでいたらしく、「署を取り壊せ」と言い、モーリーン巡査によく話を聞いてもらっている。いい加減な事を彼女に話したり、暇なときはコレクションのトマト缶を部屋の床に一列に並べてしまう変わり者。昔はエレベーター修理会社で長い間働いていた。
場所
51分署 (ごじゅういちぶんしょ)
ニューヨークのブロンクス区にあるニューヨーク市警察のなかの署の名前。署員が年中町をパトロールしている。