第三世界の長井

第三世界の長井

自分がかつて神であったと名乗る少年が、見た目も言動も支離滅裂な高校生・長井を中心にして世界が不条理でバカバカしい方向へと歪んでいく様子を観測するSF漫画。

正式名称
第三世界の長井
ふりがな
だいさんせかいのながい
作者
ジャンル
その他SF・ファンタジー
 
ギャグ・コメディ
 
パロディ
レーベル
ゲッサン少年サンデーコミックス(小学館)
巻数
既刊4巻
関連商品
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概要・あらすじ

見た目も言動も異常で支離滅裂な高校生・長井と、宇宙人の襲来を予見し長井に戦うよう命じる博士。二人がこのように異常な人間となった原因は、アンカーと呼ばれる存在にあった。世界は終末の危機に瀕しており、音那と呼ばれる少女がアンカーを使って世界を改編することでこの危機を防ごうとしているのだが、うまく制御できず歪みが現れてしまっていたのである。

自分がかつて神であったと名乗る少年は、音那の行動を「世界の死期を早めるだけ」として否定しながら、長井を中心にして異常な方向へと少しずつ書き換わっていく世界を、長井にツッコミを入れつつ観測し続ける。

登場人物・キャラクター

少年

目のようなデザインが描かれた帽子をいつもかぶっている少年で、音那からは「ショウ」と呼ばれるが、本人はその名前を拒否しており、名前は明かされない。自分のことを「神」だと言うが、同時に「もうやめたので、今は自分が誰なのか分からない」とも話す。世界の終末が近いと考えており、異常の中心である長井を観測し続けている。 「どうせもうこの世は終わり」というようなあきらめの言動が多く、音那の行為に関しては「世界の死期を早めるだけ」と激しく批判する。火山爆破星人を消し去るなど超常的な力を使うことが可能。

長井 (ながい)

他の登場人物とは異なるタッチで描かれており、少年が初対面時「気味が悪い」と驚愕したような異様な雰囲気を漂わせている。ロッキー山脈出身のアメリカ人で、カタコトの外国人しゃべりをし、話す内容は支離滅裂な男子高校生という異常な人物であるが、これはアンカーによって様々な設定が無秩序に与えられたせいであり、少年以外の人間は基本的にその異常さを異常と認識できない。 飛ビ跳ネサセ星人たち宇宙人と戦う使命を与えられており、博士から与えられたアイテム「ぬくもり棒」を使うことで、サイボーグの変身ヒーロー(自称はストロング・ドグマ、博士から与えられた名前はぬくもり)になることができる。

博士 (はかせ)

『第三世界の長井』の登場人物である博士。頭に巨大なトゲが生えている40歳の男性で、「秘密防衛組織ドングリーズ」の創立者を名乗る。アニメ「科学忍者隊ガッチャマン」のキャラクター・南部博士のような顔をしており、常に正面を向いていて表情も全く変わらない。長井と同様アンカーによって異常な設定を与えられており、やはり支離滅裂なことを話す。 飛ビ跳ネサセ星人たち宇宙人の侵略を説いており、長井に戦うことを命じる。

音那 (おとな、ねな)

少年からは「おとな」と呼ばれるが、自身は「ねな」と名乗る女性。常にアイドルのような衣装を着てマイクを持っている。世界を救うべくアンカーを使って世界改変をしているようだが、少年からはその行為を「余計に悪化させている」と非難されている。改変が思うようにいっていないことは自身も認めているが、やるしかないとも話す。

うるる

博士の娘で、頭に大きなゼンマイが生えており、黒いナース服を着た少女。当初は長井のクラスメイトである平凡な女生徒で、少年からは「長い髪の女」と呼ばれる存在だったが、存在が変質して博士の娘という設定になってしまう。長井のことを「この世界という物語の主人公」だと語り、スーパースターとしてプロデュースすることに情熱を燃やす。

ジャック・ダニエル

長井の死んだ父親であり、再三幻影として現れては長井を勇気づける。他の登場人物と異なり、絵ではなく実写画像が使われている。

飛ビ跳ネサセ星人 (とびはねさせせいじん)

宇宙人だということになっている。白覆面の上からゴーグルを掛けたような見た目をしている。「ピョン」と言いながら指さした相手を飛び跳ねさせることができる能力で長井と戦う。

爆破星人 (ばくはせいじん)

宇宙人だということになっている。全身タイツの上から鼻眼鏡をかけたような顔をしており、コンピューターのような抑揚のないしゃべり方をするのが特徴。「ワカリマシタ」と言いながら指をさした相手を爆破できる能力で長井と戦う。

クッ付カセル星人 (くっつかせるせいじん)

宇宙人だということになっている。映画『マッドマックス2』に登場する悪役・ヒューマンガスのような見た目をしており、「鉄仮面」とも呼ばれる。宇宙人と自認しておりヒーローと戦うことを求めるが、長井と戦う前に不審者として警察に追われることとなる。

ラーメン星人 (らーめんせいじん)

宇宙人だということになっている。近所の女子中学生がラーメンどんぶりを持ったような見た目をしており、「宇宙人でも何でもねえだろ」と少年にも呆れられている。「クリフォトの闇の紅の皇女 ヴェーレ・アク・リーベル・ロクェレ」を自称し、中二病めいた言動が特徴。必殺技の「実写版デビルマン」は、麺を自由に操って相手を拘束する技。

火山噴火星人 (かざんふんかせいじん)

宇宙人だということになっている。背広を着た男性で、漫画『はだしのゲン』のような絵柄で描かれており、必殺技の「わしはゆたかな大地になる」はメキシコのポポカテペトル火山を噴火させることができる。

衝撃星人 (しょうげきせいじん)

宇宙人だということになっており、特撮に出てくる宇宙人が服を着たような外見をしている。自称は「ボンバー」で、「人類を先駆けるミュータント」だと主張している。言動はただの酔っ払いだが、腹から衝撃波を出す必殺技「クールジャパン」の威力は高く、長井を追い詰める。

伊藤 純一 (いとう じゅんいち)

長井がぬくもりに変身した際のコスチューム頭頂部にある丸い玉の中に魂が宿されている。博士によれば「近所の無職」だということだが、なぜか少年や音那の存在を知っており、長井のことを救えるのは少年でも音那でも博士でもなく自分だと語る。

その他キーワード

アンカー

手紙のような体裁をしており、「主人公は博士の命令でたった一人で世界を守らされる」「博士はなんだか死にかけている」「主人公は物事を『昭和極道史』で例えてもらいたがる」などといったデタラメな設定が書かれている。書かれているとおりに長井や博士の現実は歪んていき、その歪みは物理法則をも簡単に無視する。 アンカーの存在には音那が強く関わっているが、制御ができていないとも推測されている。

書誌情報

第三世界の長井 4巻 小学館〈ゲッサン少年サンデーコミックス〉

第1巻

(2013-01-11発行、 978-4091242310)

第2巻

(2013-01-11発行、 978-4091242327)

第3巻

(2015-07-10発行、 978-4091262783)

第4巻

(2017-10-12発行、 978-4091278999)

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